艦これ改二 ~我、復讐に身を投ず!~   作:源 楓

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mission3 近海警備(前編)

「近海警備か…。」

 

 少し古臭い感じのする執務机に作戦指令書が置いてある。近海警備と書かれてありさらに母港から見た海の景色も映っている。艦隊を編成し近海の警備を行えと言うそのまんまな解説が書かれていた。「不安なのか?」と軽巡洋艦木曾に心配された。

 

「別の意味で不安だけど。」

 

 レイは「戦いは敵の懐に飛び込んでやるもんよ。」という発言で少し驚いていた、軽巡洋艦を旗艦に置き複数の駆逐艦で編成する水雷戦隊とは戦闘スタイルがまるで違うからだ、接近戦になる夜戦ならともかく昼間の撃ち合いはしっかりと距離を保っておかないとすぐに沈められてしまう。

 

「んな事わかってるよ。」

「今まで演習続きだったからな、そろそろ出撃しても良い頃だろう。」

 

 今まで砲雷撃戦や潜水艦隊戦、夜戦などの様々なシチュエーションを想定した艦隊演習を行い艦隊指揮の練習をしてきた、元陸軍のレイは海上戦闘を経験したことが無いため基本の艦隊行動から覚えることになった。

 

「小規模の敵艦隊の出現報告が民間の漁師から上がっている、軽巡や駆逐のみの少数艦隊であるためおそらくは偵察だと。だが、ここの情報を渡すわけにはいかない。」

「分かった、こちらでも十分勝てる相手ね。」

 

 深海軍の支配領域はかなり広く拠点となる港湾基地や飛行場も数多く存在する、これらに警備や哨戒を多く投入したことで、本土侵攻作戦が上手く進んでいない。太平洋艦隊や東洋艦隊、バルチック艦隊等を再現しているとはいえ『無敵艦隊』ではないのだ。

 

「まずはこっちも小規模の水雷戦隊、軽巡を旗艦駆逐艦二隻で出動してみようぜ、副指令も艦隊戦をおぼえないとな。」

「そうね、私が留守でも艦隊を運用できないとね。」

 

 コウスケも気合が入っているようだ。

 

「今後リュウジに殴られないためにも。」

 

 どうやら理由は違うようだ。演習中に覚えが悪かったせいでボディブローを喰らう羽目になったのだ。

 

「…理由はどうでもいいから出撃準備をして。」

 

 出撃メンバーは旗艦を軽巡木曾、2番艦駆逐艦白雪、3番艦睦月。完全な寄せ集めだが問題は無さそうだ。吹雪が出られないため同吹雪型2番艦白雪を代わりに投入、睦月型とも仲が良いらしく、ベストパートナーと言える。

 

「俺に勝負を挑む馬鹿どいつだぁ!?」

「皆さん?ご一緒に頑張りましょう?」

「睦月の艦隊いざ参りますよー!」

 

 出撃が始まった、四国地方を大回りして太平洋に展開する。出撃は漁船を改造した船で航海を行い、戦闘発生が予想される地点に到達すると提督が陣形を伝達し索敵を行う、会敵したら無線を通して大まかな戦闘指揮が行われ戦闘開始となる。提督も指揮官として船に同乗する、艦娘達は基本的にこの船を守る形での戦いとなる。

 

《四国地方は位置の関係で深海に狙われやすい、警備を怠るな!》

 

 リュウジから無線で伝えられた、深海勢力から本土を守れるのは艦娘とその指揮官だけなのだ。

 

 暫く航行すると戦闘予測地点に到達した、海図(MAP)上では赤い丸で表示されるポイントだ。

 

《戦闘海域に入ったのか、そこでは陣形を伝えて艦隊を展開するんだ、だが今の艦隊規模の場合、陣形は単縦陣のみになるから艦娘はすぐに展開してくれる、今回あんたは戦闘指揮をするだけでいいぞ。》

「了解、これより戦闘を開始する。」

 

 索敵を開始する、レーダー上にうっすらと敵影が映るだけで正確に捕捉できない。その敵影がこちらに接近し会敵した。

 

「敵艦隊、見ゆ!」

 

 敵はホ級軽巡洋艦一体を旗艦、イ級駆逐艦二体、恐らく偵察任務を行っているものだろう。敵艦はイロハ順に艦級が付けられ、それぞれの級に『ノーマル』、『エリート』、『フラッグシップ』の順に強化個体も存在する、後者に行けば行くほど強くなっていく。また、『改フラッグシップ』やどの級にも該当しない個体も存在し『鬼』や『姫』『水鬼』『水姫』と呼ばれている。

 

「全艦、砲撃開始、情報伝達を防げ!」

 

 戦闘開始だ、交戦開始時に3つの交戦形態『同航戦』『反航戦』『T字戦』の中から1つが発生する。同航戦は文字通り同じ方向へ進みながらの撃ち合いのため敵味方共に火力はそのまま反映される。反航戦は艦隊がすれちがいながらの撃ち合いのため火力は少し減少する。T字戦のみ有利不利の判定が発生し有利なら敵味方共に火力が大幅に上昇し、不利なら大幅に減少する。基本的にTの字になるとき、横向きに回り込めば有利に縦向きなら不利になる。

 

「弱すぎる!」

「てぇえええ~い!!」

「主砲で弾幕はります。」

 

 敵味方同じ編成の戦いだ、練度もほぼ同じだ。交戦形態は同航戦だ、四国地方近海に砲弾が飛び交う。

 

「さすが巡洋艦、装甲が硬いわね。雷撃開始!!」

「良いぞっ!!」

 

 砲撃戦が終わり雷撃が始まる。雷撃が可能な艦娘は砲撃戦終了時、小破以下の損傷の場合、敵に雷撃を行う。

 

「ひゃぁっ!!」

「睦月ちゃん!!」

 

 雷撃によって敵駆逐艦を撃沈したと同時に睦月に魚雷が直撃し一撃で大破してしまう。敵旗艦は雷撃で中破した。

 

「この程度なら…ぐっ!!」

「無理しないで!!…司令官!!」

「解ってる、睦月下がって。」

 

 睦月が司令船に退避し日が暮れた。夜戦を行うかどうかをこのタイミングで判断することになる。

 

《完全には仕留められなかったか、その時はお前が夜戦を行うかを考えて艦娘に伝えるんだ。夜戦は接近戦になるから両方共火力が上がる、つまり大きな被害を与えやすくなるんだ、だがそれは敵も同じだから注意が必要だ。》

「分かった、追撃を行う。我、夜戦に突入す!」

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