艦これ改二 ~我、復讐に身を投ず!~   作:源 楓

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mission6 近海制海権確保(後編)

 偵察機が帰還した、撃墜はされていない、レーダーには北東辺りに敵影と思われる反応があった。

 

「行くわよ!!艦隊、単縦陣に展開!戦闘開始!!」

「阿武隈、ご期待に応えます!」

 

 陣形を組んで艦隊が展開する、敵はイ級駆逐艦を旗艦にロ級駆逐艦二体だ、敵も単縦陣だ。

 

「やるときはやるんだから!!」

「左舷の敵艦もらっちゃえ!」

 

 味方の艦砲射撃であっさり殲滅できた、被害なし。だが、この先には主力が居る。

 

「このまま進撃する。気を抜かないで。」

「了解なのです~。」

 

 駆逐艦電は、緊張が解けて戦意が高揚している。

 

「落ち着きなさいよ電。」

 

 駆逐艦暁が諭す。彼女は落ち着いているように見せているが、本当は電の逆で物凄く緊張している。久しぶりの出撃であることと、指揮官が終始無表情なのが原因のようだ。

 

「阿武隈、鬼怒、偵察機を発進して。敵を発見したら単縦陣で突撃。」

「了解!提督の指揮なら絶対勝てるよ!」

「私に期待してくれてるから頑張らなきゃ。」

 

 成長したらかなりの戦力になる可能性を持つ彼女達に期待しない者など居ない。数多くいる提督達はそんな彼女達を愛でながら強化し続けているのだ。

 

「敵艦隊発見、軽巡二体駆逐四体、陣形は複縦陣。」

《複縦、厄介な陣形を選んだものだな…。》

 

 無線越しにコウスケが呟く、複縦陣は攻撃の威力は単縦陣より低くなるが命中しやすくなる陣形だ。敵がこの陣形をしていると当然被害を受けやすくなる。特にル級大型戦艦やタ級巡洋戦艦がこの陣形で来ることが多い。

 

「単縦を指示したけど、大丈夫かしら?」

《問題ない、やられる前にやればいい。》

「そうね、このまま進撃を続ける。」

 

 敵はヘ級軽巡を旗艦にホ級軽巡、イ級駆逐艦四体だ、艦種は彼我ともに同じだ。

 

「回避行動をしつつ砲撃できるかしら?」

「うーん、少し難しいな。」

 

 レイが駆逐艦響に尋ねる。単縦陣だと回避は難しいようだ。

 

「司令官!私が居るじゃない!」

 

 駆逐艦雷が言った、身の回りのことを色々やってくれるからレイは正直戸惑ったことがある位、人の世話が得意な彼女が提案してきた。

 

「私が引き付けるからその間に仕留めて!」

 

 そう言うと、彼女は駆逐艦の持ち味ともいえる速力で敵に突っ込んで行った。

 

「ちょっと待ちなさい!…。大丈夫かしら?」

「頼もしいのか、危なっかしいのかどっちなんだか、まあそれがあの子の良さなんだけどね。」

 

 響も主砲に砲弾を装填する。

 

「じゃ、行ってくるね。」

「さあ、私を沈めてごらんなさい!」

 

 響が艦隊に合流すると同時に雷が陽動をし始める。

 

「雷ちゃん、そんなことしたら…。」

「大丈夫さ、今は敵を倒すことに集中しよう。」

「用は雷に当てなかったらいいだけよ、レディな私なら当然できるわよ。」

 

 暁がそう言うと敵を攻撃し始める。『レディ』とは何かを見せつけるように、一発でイ級を倒した。

 

「どうよ、これがレディの実力よ!」

「暁ちゃん、上!」

「えっ、ってうわぁっ!!」

 

 鬼怒が注意したときは既に敵の砲弾が暁の頭上にあった。そのまま直撃し大破する。

 

「くぅ…ううっ」

「レディって一体…?」

「もう許さない、許さないんだから!」

「砲弾がなぜ暁ちゃんに?」

 

 雷が陽動しているはずなのに、砲弾がこちらに飛んできたことを電は疑問に思う。

 

「ごめん、陽動に失敗したわ…」

「とりあえず敵の手数は減った。反撃するよ!!。」

 

 響がみんなを再びまとめようとする。敵艦隊は一撃で僚艦をやられて混乱している。仕留めるチャンスだ。

 

「全く、何なの?この茶番…」

「ううっ、みんなを代表してごめんなさい!!」

 

 ことの一部始終を見ていたレイの愚痴に電が謝る。

 

「まあいいわ、艦隊、暁以外は再突撃せよ!!」

「私もまだ戦えるよ~!」

 

 全速力で突撃していく艦隊を暁が苦しみながら追っていく。指揮をもう一度執っていたのだろうか、敵が動いていないところに砲弾を叩き込む。

 

「やっぱり提督の指揮は完璧ね。」

 

 敵旗艦と随伴の駆逐艦を全て倒した。ホ級軽巡は回避行動を行い、小破で生き残る。

 

「敵を逃がすな!!我、夜戦に突入す!」

 

 復讐を遂げるためにも、この敵は逃がしてはならない。これを逃がすと、敵に対策をされる可能性を上げてしまう。

 

「阿武隈の力、見せてやるんだから!!喰らえ!!」

 

 凄まじい速度で敵を捕捉し酸素魚雷を撃ち込む。撤退中だった敵は長射程の魚雷に気づかずに海に消えた。

 

「阿武隈~、あっ、居た居た。」

「速いな~、ってあれ?敵は?」

「私が仕留めたわ。」

 

 阿武隈のもとに艦隊メンバーが合流する。レーダーに反応が無くなったから戸惑っていた。

 

「みんな無事ね、帰還するわよ。」

「はーい。」

 

 夜中の航海だったので何があるかわからなかったが、無事に戻ってこられた。

 

「阿武隈、ただいま帰還しました。」

「おーう、お疲れさま、補給と入渠してきてくださいっ!!何つって~、へへっ」

 

 副司令、コウスケが出迎えてくれた。少し酒が入っているようだ。

 

「あんた、酒呑んでるの?」

「ああ、わりぃ、ここで待ってるのも退屈だから、カウンターバーで呑んでたんだよ。」

「あんたねぇ…。」

「暁も呑むかぁ?」

 

 コウスケが酒を勧めてきた。

 

「無理よ、まだ十六だから。」

「へへっ、そうだな、酒は二十歳から、だね。」

「まあ、ジュースでなら付き合えるけど。」

「いいぜ、飲み明かすぞ~。」

「夜戦はしないわよ。」

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