1日遅れですが、あけましておめでとうございます。
武蔵ちゃんは大爆死しました…
立香SIDE
アーチャーがオレ達との距離を取ったまま矢を飛ばしてくる。
マシュが盾で弾き、キャスターがルーンで燃やす。
オレはマシュに守られながら、戦いを見る。アーチャーのクセや隙を探す。
負けることは許されない。オレ達が負ければ、次はセイヴァーと所長に矢が向かう。
「ふん。守ってばかりでは勝てんぞ?」
「ならお前から来たらどうだ弓兵?遠くから撃ち合っても無意味な事は分かるだろう?」
「この有利な状況を私が手放すと思っているのかね」
アーチャーの言う通りだ。オレ達は守りに集中しないと後ろの二人が危ない。
逆にあいつは、オレ達は無理でも二人を殺す事はできるだろう。
どうする?どうすれば、あいつとの距離を詰められる。
「おい坊主。俺のルーンは僅かな時間で刻む事が出来る。
少し、隙を作れるか?」
「…キャスター。ルーンであいつの真上を攻撃できるか?」
「良いぜ。俺も同じことを考えていた」
キャスターがルーンでアーチャーの真上を攻撃する。
「何処を狙っている?」
「わかんねぇのか?そこは、他に比べて脆いぜ?」
キャスターがそう言った瞬間、アーチャーの真上が崩れる。
「くっ!」
アーチャーがオレ達に近づく形で飛ぶ。
「マシュ!」
「はぁ!」
オレの声でマシュが反応し、アーチャーに盾を構え突撃する。
空中で矢を構えるアーチャー。しかし、直後にキャスターがルーンで目くらましをしたおかげで、矢を放つ事が出来ずマシュに吹き飛ばされる。
アーチャーが立ち上がり、剣を取り出そうとする。
「マシュ!もう一度、突撃!」
オレはそれを見て、マシュに指示を出す。
アーチャーの無限とも呼べる剣を矢にした攻撃方法には一つ大きな隙がある事に気がついた。
それは、一度攻撃してもう一度剣を出そうとした時、1秒ほどの間隔がある。
距離が近く、体勢も整っていない今ならもう一度攻撃ができる。
「了解です!マスター」
「くそ!荒い投影だが無いよりはマシか!」
マシュが突撃する瞬間、アーチャーが黒と白の剣を取り出す。
あれ?セイヴァーが使ってたよなあの武器。
マシュの盾に当たった瞬間、砕け散る剣。
ほんの僅かな時間、それを利用し直撃を僅かに逸らすアーチャー。
「キャスター!」
「準備は完了した!」
キャスターが地面に杖をついた瞬間、アーチャーの周囲に大量のルーンが現れる。
「燃え尽きな!」
ルーンから大量の炎の玉が撃たれる。
「おぉぉぉぉ!」
大量の火の玉を受け続けるアーチャー。
1分ほど時間が経ち、炎の射出が終わる。
「…新米だと思って甘く見たか」
ボロボロになり、所々が薄くなり始めてるアーチャー。
素人のオレでも分かる。もう、あいつは消える。
「だが、私もそう簡単に諦めるほど諦めは良く無いのでね。彼女を守る為に彼には退場して貰う」
再び矢を構えるアーチャー。
不味い!キャスターもマシュも完全に不意を突かれた。
「消えろ。不思議なサーヴァント」
そう言い放ち、矢を撃つアーチャー。
その方向には所長とセイヴァー。
「悪いが、そう簡単に消えてはマスターに申し訳がたたない」
矢が近づいた瞬間、結界が出現し矢を防ぐ。
一体いつの間にあんな物を!
「血を結界に使わせてもらった。マスターとの合作だ」
「全く、唐突に頼むなんて言われるから何かと思ったら、俺の血にルーンを刻んでくれって。
貴方思っていたよりタフなのね」
「ありがとうございます。マスター」
いつも通りのやり取りを見て安心する。
良かった。セイヴァーも無事なようだ。
「その盾を彼女の前に連れて行く訳にはいかなかったのだがな」
「え?この盾のことを知っているんですか?」
マシュが消えゆくアーチャーに聞く。
そうだった。マシュはまだ、宝具の真名がわからないんだった。
「…さてな?聞きたければ、この先にいる彼女に聞くが良い。
結局、私は何も守る事など出来はしないのだな」
「それは違うぞ。エミヤ、お前の理想は確かに歪なものだったかもしれない。
だが、お前の行動で救われた人間もいる。無論、守られた人間もな」
セイヴァーが所長に肩を貸してもらいながらアーチャーに言う。
「…そうか。普段であれば慰めにも劣るものにしか聞こえないのだが、何故か君の言葉には納得している私がいる。
ああ。すまないセイバー、俺はここで敗北だ」
そう残し消えたアーチャー。
きっと、彼には彼の生き方があったのだろう。
「セイヴァー?あとでしっかり教えてくれますね?」
「りょ、了解です。マスター」
セイヴァーに詰め寄っていい笑顔をしている所長に思わず笑いが溢れた。
三人称SIDE
アーチャーを倒し、僅かな休憩を挟み大聖杯へ到達する。
「これが大聖杯…超抜級の魔術炉心じゃない…なんで、極東の島国にこんな物があるのよ…」
『アインツベルンという錬金術の大家が制作した物らしいです』
オルガマリーが大聖杯から感じる魔力量に驚き、それをロマニが解説する。
セイヴァーとキャスターが敵の気配に気付き、武器を構える。
「悪いな。お喋りはそこまでだ。奴さんに気づかれたぜ」
彼等の前に、黒い剣を地面に突き刺した青白い顔の女性が現れる。
凄まじい程の魔力を感じる。
「…なんて魔力放出…あれが、本当にあのアーサー王なのですか?」
『間違いない。何か変質しているようだけど、彼女はブリテンの王、聖剣の担い手アーサーだ』
「女性なのは、マーリンの悪知恵か。いや、そもそもアーサー王伝説自体、マーリンが仕組んだものだったか」
セイヴァーがロマニの説明を受けて呟く。
「貴様、随分と知っているようだが、何者だ?ブリテンの騎士ではあるまい」
アーサー王がギロッと効果音でもつきそうなぐらい、セイヴァーを睨みつける。
セイヴァーはそれに対し、肩をすくめるだけで何も答えない。
「貴様も気にはなるが、まあ良い。
構えるが良い、名の知れぬ娘。その守りが真実かどうかこの剣で確かめてやろう」
セイバーの剣に魔力が集まる。
「っつ!私はまだ宝具を」
「マシュ・キリエライト。あとは心の持ちようだ。
宝具とは英霊にとっての本能だ。お前は、その盾を持ってなにをしたい?」
セイヴァーがオルガマリーを抱き上げ、魔術による守りを作りながらマシュに忠告する。
序でに言うと、抱えられているオルガマリーの顔は真っ赤で固まっている。
「マシュ!オレも一緒に戦う。だから!」
立香の令呪が一画消える。
マシュから感じる魔力量が増える。
「ーはい!先輩、マシュ・キリエライト行きます!」
「エクスカリバーモルガーン!」
セイバーが剣を振り上げると同時に、ドス黒い魔力がマシュに向かって飛んでいく。
地面を砕きながら魔力の波として襲いかかる。
「はぁぁぁあ!!」
盾を地面に突き刺し、気合いを込める。
すると盾の前面に魔法陣が出現、襲いかかる魔力の波を受け止める。
「負けません!後ろには、先輩がいるんです。ここで、私が耐えきれなければ死んでしまいます!」
マシュが宣言すると同時に、セイバーの攻撃が止まる。
その直後に、キャスターとセイヴァーがセイバーに詰め寄る。
「これを使え!キャスター」
セイヴァーが投げ渡したのは、因果逆転の槍ゲイ・ボルク。
「やっぱり、これの方がしっくりくるぜ」
セイヴァーが握っている武器は、ルールブレイカー。
宝具を使った後で、隙だらけのセイバーにルールブレイカーとゲイ・ボルクが同時に向かってくる。
「はぁ!」
無理矢理、体を動かしゲイ・ボルクを弾くが、ルールブレイカーがセイバーに突き刺さる。
直後、溢れ出す魔力。ルールブレイカーにより、聖杯のバックアップが切れる。
すぐ近くにある為、再び聖杯と繋がる可能性はあるが、この時はただのセイバーに過ぎない。
「ウィッカーマン!」
セイバーの足元から巨大な人形が現れる。
セイバーを掴み、自身の胸にある檻に入れる。そのまま、大爆発。
地面に叩きつけられたセイバーに軍神の剣を霊核に向かって振り下ろすセイヴァー。
「…あまり私を甘く見るなよ?」
魔力放出を使い、寝た体勢でありながらセイヴァーを弾き飛ばす。
「悪いが、予定通りだ。アーサー王」
「なに?」
飛ばされながら、矢を使い飛ばす。
セイバーの周囲を取り囲むように、矢が飛んでいく。
「その心臓。貰い受ける!」
「避けても良いぞ。周りの矢は全て竜殺しのものだ」
ゲイ・ボルクと矢は僅かな時間差でセイバー目掛ける。
「ふっ、私の負けだな」
心臓を槍に貫かれ、セイバーの敗北が決定した。
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