願いを込めて   作:マスターBT

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どうも!
次の特異点であるセプテム開始です!


セプテムの印象が、全ての特異点の中で薄いんだけど私だけ?


永続狂気帝国 セプテム

第二特異点が見つかった。

その報せが、カルデアに広まったのはオルレアンを踏破した一週間後だった。

 

「ふわぁ……流石に眠いわね…」

 

その一日前。

管制室でオルガマリーが大きく欠伸をする。

 

「お休み下さいマスター。明日には特異点の調査です。

影響が出ますよ?」

 

うつらうつらするオルガマリーにセイヴァーが声をかける。

しかし、セイヴァーが声をかけても彼女の意識は既に半分旅立っている。

時間は深夜。しかも、特異点を見つけるという集中作業を朝から休まずに続けていた。

他の職員も止めたのだが、聞く耳持たず作業を続けたのだ。

結果的に、セイヴァーが最後まで付き合っていた。

 

「んっ……眠い…」

 

そう言って机に突っ伏すオルガマリー。

直後にすーすーと寝息が聞こえる。

 

「はぁ」

 

そっと溜息を吐いて、用意しておいた毛布をそっとオルガマリーにかけるセイヴァー。

そして、彼自身も彼女の近くで座り目を閉じる。

 

「…セイヴァー……貴方はなんでそんなに悲しい顔をするの……」

 

「………」

 

彼女がふと零した寝言にセイヴァーは何も言えない。

彼がそれについて語るにはまだ、早すぎる。

 

 

 

 

 

 

そして翌日。

立香達の前に、前日の疲れなど一切見せないオルガマリーが立っていた。

セイヴァーが少し心配した様に彼女を見ているが、清姫以外その事に気付きはしない。

 

「ロマン。特異点の場所を示して」

 

「分かったよ」

 

オルガマリーの指示にロマンが従い、端末を操作すると画面にはローマの所に針が現れる。

 

「次の特異点は古代ローマです。

一応、レイシフト先は首都ローマにしてありますが、セイヴァーの様な事例があります。

目的の場所で無くても確実、狼狽えないように」

 

「はははっ。真っ先に狼狽えてたーーすいません。解析作業に集中します」

 

オルガマリーの発言をからかおうとロマンが口を開いた直後、突き刺すような鋭いオルガマリーの視線が黙らせる。

セイヴァーには寛大に接するのだが、彼以外には厳しい彼女である。

 

「では各自、コフィンに乗り込んで。

……ロマン、ダヴィンチ。この場の指揮は任せます」

 

オルガマリーの指示で立香達もコフィンに乗り込む。

彼女はロマンとダヴィンチに指示を出したあと、セイヴァーを一度見てコフィンに乗り込む。

セイヴァーもオルガマリーが乗ったのを確認しコフィンへと向かう。

 

「セイヴァー」

 

そんな彼をロマンが呼び止める。

返事は返さず、立ち止まる事で聞く姿勢を示すセイヴァー。

 

「僕は可能な限り、君達をバックアップする。

君が言った通り、みんなの帰る場所になろう。だから、君も所長を残して消える様な真似はやめてくれよ」

 

ロマンは気づいていた。

オルレアンの時、追い詰められたセイヴァーがしようとしていた事に。

 

「…分かった。約束するさ」

 

背を向けたまま答えるセイヴァー。

そして、コフィンに乗り込む。

 

『アンサモンプログラムスタート。

霊子変換を開始します。レイシフト開始まで3,2,1,……

全行程完了。グランドオーダー実証を開始します』

 

アナウンスが終わり、レイシフトを開始する。

今度は誰一人大きなズレなくレイシフトをした。

そのはずなんだが……

 

「見渡す限りの緑」

 

「相変わらず、景観を損ねる光の輪」

 

「……どう見ても首都じゃないよね?」

 

上から、クー・フーリン、清姫、立香。

彼等が言った様に、視界には自然の景色が広がっていた。

 

「先輩。これって丘陵地帯ですよね?」

 

「うん。全員いるのに、予定とは違う地点に飛ばされたのかな」

 

『……どうやら、また妨害を受けた様だね。

しかも、此方が戻しは効かないタイミングを狙っての妨害。確実にレフの仕業と考えるべきだろうね』

 

「いや、それは早急かもしれないぞロマン。

戦いが起きている。しかも、多人数だ」

 

立香達の話し合いにセイヴァーが割って入り込む。

セイヴァーの視界には戦闘している集団が見えていた。

 

「音の方向に急ごう!」

 

いの一番に立香が走り出す。

その後をクー・フーリン、マシュ、ジャンヌ・オルタの順で追う。

僅かに遅れてオルガマリーとセイヴァー、清姫が続く。

彼等がたどり着くと、そこには二つの集団が戦っていた。

戦力差はかなり大きい。

 

「はぁ!」

 

しかし、戦力の劣っている側の女性が一人で大軍を相手している。

 

「「彼女を助けよう!(助けます!)」」

 

立香とオルガマリーが同時に指示を出す。

各サーヴァントはそれに頷き、大軍に突撃していく。

生きているようなので、峰打ちだ。

五騎の英霊が一気に戦えば、唯の人間に勝ち目はない。

大軍はあっという間に霧散していった。

 

「剣を納めよ、勝負あった!

そして、貴公たち。もしや首都からの援軍か?」

 

大軍を相手に戦っていた赤い服の女性が声をかけてくる。

 

「通りすがりの援軍です」

 

「そうか!褒美をやりたいところだが、今は剣しか持っておらぬ。

ローマに戻れば褒美をやろう」

 

かなりテンションが高く、そう告げると全軍を率いて移動を開始した。

彼女に続いて、立香達も移動する。

 

「ねぇ、セイヴァー」

 

「なんだ?ジャンヌ・オルタ」

 

行軍の最中にジャンヌ・オルタがセイヴァーに話しかける。

 

「どうして私が英霊として確立されていると分かったのか教えてくれる?」

 

「はぁ、カルデアで幾らでも説明する機会があっただろう?

何故、今なんだ?」

 

「そ、それは……あんたがいつでもオルガマリーと一緒にいるからよ…」

 

ボソッとジャンヌ・オルタが言ったことは、セイヴァーの耳には入らなかった。

何故なら既に彼の視線には敵軍を捉えていたからだ。

 

「話は後だ。来るぞジャンヌ・オルタ」

 

「は?また来るの、はぁ面倒ね」

 

再び現れた敵軍を同じ様に峰打ちで倒していく。

若干、燃やされかける者もいたが。

 

『油断しちゃ駄目だ!サーヴァント反応を確認したよ』

 

ロマンの通信が、殲滅後に入る。

その言葉に全員が警戒態勢をとる。

 

「我が愛しき、妹の子、よ」

 

彼等の前に、一人の男性サーヴァントが現れる。

言葉から察するに理性が無いバーサーカーだろう。

 

「伯父上…!

いや、今はこう呼びましょう。如何なる理由があって連合に与する愚か者…カリギュラ!」

 

カリギュラ。

悪名として有名だろう。

名君であったのに、ある時から残虐な行いをする様になったローマの第三皇帝。

月の女神に不幸にも愛されてしまった皇帝だ。

 

「全てを捧げよ。ささげよ!」

 

「くっ…伯父上」

 

カリギュラが咆哮とともに赤服の女性目掛けて走り出す。

その進路上に清姫が割り込み、カリギュラを吹き飛ばす。

 

「全く、わたくしとは違うめんどくさい狂化ですね。カリギュラさん」

 

扇子で口元を隠し、優雅に佇む清姫。

 

「ますたぁ。彼は私が戦いましょう。

同じ存在《クラス》として少し、お灸をすえたくなりました」

 

「好きにやれ。清姫」

 

清姫の問いにそう答えるセイヴァー。

彼は既に武装を解除。腕を組みながら見守る様だ。

その瞳からは、清姫が負けるとは微塵も思っていないのが分かる。

 

「ふふっ。ますたぁの信頼を感じますわ。

負けられませんね」

 

「あ、あ、あ、ネロォォォオ!!」

 

愛に狂った少女と月に狂わされた皇帝の戦いが始まった。

 

 




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