今回の主役?のジャンヌ・オルタを私は、持っていないので性格がいまいち掴めず難産でした。アガルタも終わってないし…
今回も私の独自解釈がありますが、寛容な心で許してください。
時は少し遡る。
広い荒野の戦場に一際大きな金属音と、爆発音が響き渡る。
音源は、カルデア組と敵軍大将、カエサルが戦闘を行なっている場所だ。
驚くべきことに、カエサルは一騎で三騎と一応、人間カテゴリーのネロを相手取り僅かな優勢を確保している。
「ふむ。それ、私はそこではないぞ?」
「ああっもう!良い加減当たりなさいよ!」
より具体的に言うのなら、カエサルは話術を使いながらジャンヌ・オルタを挑発し炎攻撃を誘発。
立香のサーヴァント達に連携を取らせないように立ち回っていた。
剣を持ってはいるのに、殆ど使わず口だけで切り抜ける姿は皇帝と言うより、詐欺師か何かにしか見えない。
「落ち着けって、アヴェンジャー。さっきから、炎で俺たちが攻撃できないぞ」
「そうですジャンヌ・オルタさん。此処は、協力して」
どうにかサーヴァント二名が落ち着かせようと声をかけるが。
「大層粋がっておきながら、私に当てられないとは……見ての通りの的は的は大きいぞ?ほら、よく狙うと良い」
再度挑発を行い、再びジャンヌ・オルタの集中力を奪う。
もはや、彼女の頭に連携を行うことなど、かけらも残っていない。
立香も声をかけるが、信頼を得ていないのかジャンヌ・オルタの動きは変わらない。
「実に容易いな、カルデアのサーヴァントよ」
カエサルがそう言った直後に、膝をつく立香。
その顔は少し、青ざめている。
「支援を受けてるとは聞いていたが、やはり自身の魔力を供給に使用していたいたようだな」
カルデアが支援を行っているとは言え、特異点でそれが完璧に行えるわけではない。
宝具を連発するときは、カルデアが魔力消費を受け持つが、今回の様に戦闘で消費する魔力はカルデアが八割、立香が二割で受け持つ。そのため、ジャンヌ・オルタが暴れた結果、魔力が足りなくなったようだ。
「先輩!」
「坊主、しっかりしろ!」
マシュもクー・フーリンを立香を心配し、立香の方へ意識を向ける。
それは、勿論ジャンヌ・オルタもだ。
しかしこの状況で、それは悪手だった。
「まずは一騎」
「ッツ!?」
ジャンヌ・オルタとの距離を詰めて、カエサルはその手に持つ黄金の剣、クロケア・モースを突き刺そうとするその時だった。
ジャンヌ・オルタの後ろから、ガンドがカエサル目掛けて飛んでくる。
「むぅ!」
攻撃を中断し、回避するカエサル。
避けたカエサルの視界には、魔力が足りない状態でありながら、ガンドを放ち目から血を流している立香の姿であった。
「ゴホッ…クー・フーリンは槍を構えて突撃!マシュはジャンヌ・オルタを守って!」
魔力が足りず、立っているのもやっとの筈の立香がサーヴァントに指示を出す。
残りの魔力をクー・フーリンに託し、そのまま倒れ始める。
「あとは頼みます。オルガマリーさん、清姫、セイヴァー」
「……あれほど魔力には気をつけろと言っただろうが」
倒れる立香を仏頂面で支えるセイヴァー。
そのまま、オルガマリーに立香を預ける。
「オレが気を付けなかったから…その責任はオレがとらないと思って…」
「それで、死んだら本末転倒よ立香。今は休みなさい。
大丈夫よ。セイヴァーが敵を倒してくれるわ」
「そう…ですね…」
二人が視線を向けると、セイヴァーが干将・莫耶を構えながら、カエサルへと向かっていた。
その背は二人から見てとても頼りになるものだった。
「やれやれ、実に実に面倒だったぞ。貴様が戦場に顔を出さなければ私は、宮廷魔術師の指令を果たせぬからな」
「そうか。では、その役目も果たせぬまま此処に散るといい」
「随分とーー」
カエサルの言葉は、甲高い金属音により中断される。
セイヴァーが、斬りかかった為だ。
「お前の言葉に付き合うつもりはないぞ。詐欺師」
「ふむ。これは、面倒だ。貴様の様に常に荒ぶる感情を理性で殺せる輩は実に面倒だ」
黄金の剣と黒白の二対の剣、真紅の槍が激しくぶつかる。
クー・フーリンとセイヴァーが連携して、攻め立てるも決定打に欠ける。
カエサルが巧みに立ち回っているのもあるが、なにより清姫が言っていた通り何かしらの強化が施されているのだろう。クー・フーリンとセイヴァーの攻撃を涼しい顔で受け流しているのだ。
「魔術的な加護か、クー・フーリン。奴の視界をふさげるか?」
「出来ねぇことはないが、ここはあの嬢ちゃんに任せた方が良いんじゃないか?」
クー・フーリンがそう言うと、カエサルと二人の間に炎が巻き起こりカエサルの視界が遮られる。
「これで良い!セイヴァー」
ジャンヌ・オルタが自身の魔力を消費し放った攻撃。
それは負けず嫌いな彼女らしい汚名返上の方法だった。
思わずニヤリと口角を上げるセイヴァー。
「最後に言葉をあげなければ、満点だったな!」
夫婦剣をしまい、取り出したのはルールブレイカーだった。
炎により視界が塞がれたカエサルが次に捉えたのは、もはや回避不能な所まで迫るルールブレイカーの刀身だった。
「なんとぉ!」
回避を試みるカエサルだが、その行動むなしくルールブレイカーの刀身はカエサルに刺さる。
凄まじいまでの魔力が周囲に、はじき飛ぶ。
「その心臓もらい受ける!」
そこを、クー・フーリンが宝具を発動させ、カエサルの心臓を貫こうとする。
しかし心臓に槍が届くと言った瞬間、カエサルが消え去る。
「仕留めきれなかったか。すまねぇ、セイヴァー」
「いや、構わない。相手も軽傷ではないだろう。
それより、今は藤丸立香の状態を確認するのが先決だろう」
セイヴァーが介抱されている立香に近づき、その体に触れる。
「少し、キツイだろうが我慢しろ」
そう言って魔力を流し込む。
立香の体に更なる激痛が走る。魔力が流れ込んだ事により錆びついていた魔術回路が稼働したためだ。
そして、セイヴァーの魔力は立香との親和性が高く、現状戦闘を行わなければ問題がないところまで回復させた。
「……」
まぁ、当の立香は追い打ちと言わんばかりの激痛で意識を手放した。
「魔術回路を無理やりこじ開けるなんて、無茶なことをするわね。セイヴァー」
「今、取れる最も効率のよい手段を用いたまでの事です」
気絶した立香をマシュに預け、無言で立っているジャンヌ・オルタのもとへ向かうセイヴァー。
そして、右手でジャンヌ・オルタのほほを叩いた。
「ッツ!?」
「…優しく慰められる事でも期待したか?
それは、奴の仕事で俺の仕事じゃない」
ジャンヌ・オルタを見るセイヴァーの瞳はどこか虚ろで、なんの感情もジャンヌ・オルタに伝えない。
それが彼女には言いようのない恐怖を与えた。
「マスターである人間も気にかけられないとは、所詮は偽りの夢から生まれた贋作英霊か。
英霊であるならどうあるべきか考えろ。藤丸立香は未だ凡人の域を出ていない人間だ。そんな人間に負荷を与えてどうする?
使い物にならなくさせる気かジャンヌ・オルタ」
「ッツ…私だって」
「起きてしまった結果に、だってなどという言葉は存在しない。
彼奴は、自分が生死を彷徨う可能性があるというのに、魔術を行使しお前を助けた。
その行動にお前が応えられるものが分からなければ邪魔だ。贋作英霊」
そう言い、その場から離れるセイヴァー。
オルガマリーもセイヴァーを追いかけてその場から離れる。
そして、立ち尽くしているジャンヌ・オルタの元へ清姫が近く。
「何よ。私を笑いにでもきたの?」
「…本来ならますたぁの精神に負荷をかける事をした貴女を燃やしたいとこですが、やめておきます。
貴女が何をするためにカルデアに呼ばれたのかよく考えることをお勧めします」
清姫が少し、頭を下げてから周囲の警戒に当たる。
セイヴァーも清姫もジャンヌ・オルタが嫌いだから、きつい言葉と態度で接したわけではない。
本来の彼女が積む功績を彼女は、積んでいない。そのせいか、彼女の行動はどこかなにかが足りない。
そのことに気づいた二人が言葉にしたが、未熟な彼女が気づくのはまだ先の事である。
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