願いを込めて   作:マスターBT

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一ヶ月待たせてしまい申し訳ございません。
…続きはもっと早く投稿しますので、許してくださいm(._.)m


諸葛亮というサーヴァント

時間を巻き戻し、バーサーカー二騎の手綱を取るセイヴァーの方面に焦点を当てよう。

ダレイオス三世が現れるまで、暴走する二騎を抑え戦闘指揮を執っていたセイヴァー。

しかし、言語が通じない系のバーサーカー二騎の手綱を執るには、さすがのセイヴァーも意識を集中させねばならず、オルガマリーのすぐ横に現れたソレに気づくのに遅れた。

 

「これが令呪による転移か、すごいや」

 

赤髪の美少年が突如、現れた。

 

「ッツ!?彼女には触れさせないよ!」

 

ブーディカが斬りかかる。

しかし、まるでそう来ることを知っていたかの様に対処しブーディカの剣を躱し、蹴り飛ばす。

そのまま、唖然とした表情で固まっているオルガマリーを気絶させる事など、この英霊には容易い事だった。

 

「ふぅ。これで取り敢えずッツ!?」

 

一息吐いた赤髪の英霊が鋭い殺気に反応し、オルガマリーを担いだまま身体を横に捻る。

直後、彼の頭部があった場所を剣が通過する。

振り返り、彼が見たのは殺気に支配されこちらを見ているセイヴァーの姿だった。

 

「その人に触れるなぁ!」

 

セイヴァーの背後に金色の波紋が現れ、宝具が打ち出される。

冷静さを著しく欠いたその攻撃は、敵味方関係なく放たれる。それでも、アレキサンダーへと向かう量が多いのは察することだろう。

 

「流石にヤバイね。ブケファラス!」

 

黒い馬を呼び出しオルガマリーを担いだ状態で乗り、駆け出す。

正気のセイヴァーなら、ここで深追いはしないだろう。

拉致されているのが、何を捨ててでも守ると誓った(呪い)オルガマリーでなければ。

自身のスキルを使い、敏捷をEXまで跳ね上げる。

駆け出すブケファラスに少し遅れながら、セイヴァーが追いかける。

 

これが前回、起きていた事だ。

場面は戻り戦場を駆け抜けていくセイヴァーへと戻る。

もはや、魔術による強化を自身に施し続けた結果、肉体のあらゆる箇所で悲鳴をあげている。

それすらも治癒の魔術と宝具で無理やり治し、ブケファラスの後ろを追いかけ続けている。

 

「通すな!ここで仕留めぐはっ!」

 

道中に立ちふさがる連合兵士は、武器すら使われず素手で吹き飛ばされる。

 

「アアアアアッ!!」

 

……狂気に支配されたセイヴァーの声が響く。

追いつけないが、置き去られる事はない距離を保ちつつ、セイヴァーは連合軍の駐屯地にたどり着いた。

いや、たどり着いてしまったと言うのが適切だろう。

 

「…まさかここまで上手くいくとはな。悪いが、ここで死んでもらうぞ救世主」

 

英霊とは思えないスーツを着たサーヴァントが現れる。

彼から感じる魔力量が増加する。宝具を使うようだ。

アレキサンダーが駆け抜けると同時に発動させる。

 

「これぞ大軍師の究極陣地ー!石兵八陣」

 

石の柱が降り注ぎ、セイヴァーの動きを拘束する。

しかし、その宝具は一瞬セイヴァーを拘束しただけで、物理的に破壊され突破される。

 

「くっ、この馬鹿が!」

 

「先生僕が行くよ!彼女を見てて」

 

オルガマリーを諸葛亮に預け、スパタを手に持ちブケファラスと共にセイヴァーへと突撃する。

馬の速度を生かした突撃攻撃を、ほとんど気にも止めずゲイ・ボルグを取り出し、そのままアレキサンダーへと振るう。

それに貫かれるほど、アレキサンダーもブケファラスも馬鹿ではない。

跳躍するようにしてその一撃を避けた。

そして、それはセイヴァーの進路が出来たということだ。

ゲイ・ボルグを後ろに飛んだアレキサンダーに向けて、乱雑に投げると同時にオルガマリーの元へ走る。

 

「ちょ、僕なんて狙いじゃないって事!?」

 

僅かな時間稼ぎだったが、今のセイヴァーが諸葛亮に預けられたオルガマリーの元へ到達するのは容易い事。

そして、キャスターのクラスである諸葛亮は近接戦を不得意としている。

魔術で迎え撃つが、あっさりとセイヴァーに躱される。

そのまま、セイヴァーは気絶したオルガマリーを抱き抱え、二騎から離れたところで止まる。

 

「マスター!マスター!ご無事ですか?」

 

先ほどの狂気が嘘のように引っ込み、腕の中のオルガマリーに声をかける。

そして、気絶しているだけで呼吸していることに気づくと安堵の溜息をし、どこからか柔らかそうな毛布を取り出しそこにオルガマリーを寝かせる。

 

「……」

 

「……お前の選んだ道だ。口を出すつもりは無かったが、なんだこの体たらくは!

守護者になってまで、お前はそのあり方を望んだのではなかったのか」

 

諸葛亮の叱責にセイヴァーは全てを悟った。

 

「態とやったのか。趣味が悪いな」

 

「ふん。あの時、私達の言葉を聞かずに契約したのはどこのどいつだ全く。

その意趣返しならまだ、優しいものだ」

 

「俺がまだ、甘くて今回の様な結果になったのは自覚している」

 

そう答えるセイヴァーの表情はまたしても、なんの感情も感じない虚ろなものだった。

それを見て大きく溜息を吐いた後、諸葛亮はセイヴァーの額にデコピンを放つ。

 

「ッツ!?」

 

「それを馬鹿と言っている。よほどの大英雄でない限り一人で出来ることなど限られている。

お前が何故、他者の力を借りようとしない事については予測が出来る。

だがな、少しは周りを頼れ。一人で全てを終わらせようとするな」

 

「だけど……俺は…」

 

「私達の信頼を裏切ったと言いたいのか?

お前が何故、数多の英霊の武器を扱える?それは、私達が裏切られたとは感じていないからだ。

目的に固執し過ぎると視野が狭まる。それを理解しておけよセイヴァー」

 

最後にクラス名を呼び、戦闘態勢になる諸葛亮。

その横には、アレキサンダーも並ぶ。

 

「講義は終わりだ。実技といこうか」

 

「……どうーー」

 

セイヴァーが全てを言い切ることはなかった。

途中で、アレキサンダーが斬りかかってきたため、慌てて無名の剣を取り出し防ぐ。

 

「先生から聞いて、楽しみだったんだよねー。君と戦うの!」

 

満面の笑みで告げるアレキサンダー。

セイヴァーは忘れていた状況を理解する。この二騎は敵側のサーヴァントであったことを。

 

「やはり、趣味が悪いな。キャスター(先生)

 

「ふん。分かりきっていただろう?セイヴァー(マスター)

 

互いに悪どい笑みを浮かべた。

言葉に自身の感情を隠して。

 




感想・批判お待ちしています。

一ヶ月かかるのは、今回限りにしたいです
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