…続きはもっと早く投稿しますので、許してくださいm(._.)m
時間を巻き戻し、バーサーカー二騎の手綱を取るセイヴァーの方面に焦点を当てよう。
ダレイオス三世が現れるまで、暴走する二騎を抑え戦闘指揮を執っていたセイヴァー。
しかし、言語が通じない系のバーサーカー二騎の手綱を執るには、さすがのセイヴァーも意識を集中させねばならず、オルガマリーのすぐ横に現れたソレに気づくのに遅れた。
「これが令呪による転移か、すごいや」
赤髪の美少年が突如、現れた。
「ッツ!?彼女には触れさせないよ!」
ブーディカが斬りかかる。
しかし、まるでそう来ることを知っていたかの様に対処しブーディカの剣を躱し、蹴り飛ばす。
そのまま、唖然とした表情で固まっているオルガマリーを気絶させる事など、この英霊には容易い事だった。
「ふぅ。これで取り敢えずッツ!?」
一息吐いた赤髪の英霊が鋭い殺気に反応し、オルガマリーを担いだまま身体を横に捻る。
直後、彼の頭部があった場所を剣が通過する。
振り返り、彼が見たのは殺気に支配されこちらを見ているセイヴァーの姿だった。
「その人に触れるなぁ!」
セイヴァーの背後に金色の波紋が現れ、宝具が打ち出される。
冷静さを著しく欠いたその攻撃は、敵味方関係なく放たれる。それでも、アレキサンダーへと向かう量が多いのは察することだろう。
「流石にヤバイね。ブケファラス!」
黒い馬を呼び出しオルガマリーを担いだ状態で乗り、駆け出す。
正気のセイヴァーなら、ここで深追いはしないだろう。
拉致されているのが、何を捨ててでも守ると
自身のスキルを使い、敏捷をEXまで跳ね上げる。
駆け出すブケファラスに少し遅れながら、セイヴァーが追いかける。
これが前回、起きていた事だ。
場面は戻り戦場を駆け抜けていくセイヴァーへと戻る。
もはや、魔術による強化を自身に施し続けた結果、肉体のあらゆる箇所で悲鳴をあげている。
それすらも治癒の魔術と宝具で無理やり治し、ブケファラスの後ろを追いかけ続けている。
「通すな!ここで仕留めぐはっ!」
道中に立ちふさがる連合兵士は、武器すら使われず素手で吹き飛ばされる。
「アアアアアッ!!」
……狂気に支配されたセイヴァーの声が響く。
追いつけないが、置き去られる事はない距離を保ちつつ、セイヴァーは連合軍の駐屯地にたどり着いた。
いや、たどり着いてしまったと言うのが適切だろう。
「…まさかここまで上手くいくとはな。悪いが、ここで死んでもらうぞ救世主」
英霊とは思えないスーツを着たサーヴァントが現れる。
彼から感じる魔力量が増加する。宝具を使うようだ。
アレキサンダーが駆け抜けると同時に発動させる。
「これぞ大軍師の究極陣地ー!石兵八陣」
石の柱が降り注ぎ、セイヴァーの動きを拘束する。
しかし、その宝具は一瞬セイヴァーを拘束しただけで、物理的に破壊され突破される。
「くっ、この馬鹿が!」
「先生僕が行くよ!彼女を見てて」
オルガマリーを諸葛亮に預け、スパタを手に持ちブケファラスと共にセイヴァーへと突撃する。
馬の速度を生かした突撃攻撃を、ほとんど気にも止めずゲイ・ボルグを取り出し、そのままアレキサンダーへと振るう。
それに貫かれるほど、アレキサンダーもブケファラスも馬鹿ではない。
跳躍するようにしてその一撃を避けた。
そして、それはセイヴァーの進路が出来たということだ。
ゲイ・ボルグを後ろに飛んだアレキサンダーに向けて、乱雑に投げると同時にオルガマリーの元へ走る。
「ちょ、僕なんて狙いじゃないって事!?」
僅かな時間稼ぎだったが、今のセイヴァーが諸葛亮に預けられたオルガマリーの元へ到達するのは容易い事。
そして、キャスターのクラスである諸葛亮は近接戦を不得意としている。
魔術で迎え撃つが、あっさりとセイヴァーに躱される。
そのまま、セイヴァーは気絶したオルガマリーを抱き抱え、二騎から離れたところで止まる。
「マスター!マスター!ご無事ですか?」
先ほどの狂気が嘘のように引っ込み、腕の中のオルガマリーに声をかける。
そして、気絶しているだけで呼吸していることに気づくと安堵の溜息をし、どこからか柔らかそうな毛布を取り出しそこにオルガマリーを寝かせる。
「……」
「……お前の選んだ道だ。口を出すつもりは無かったが、なんだこの体たらくは!
守護者になってまで、お前はそのあり方を望んだのではなかったのか」
諸葛亮の叱責にセイヴァーは全てを悟った。
「態とやったのか。趣味が悪いな」
「ふん。あの時、私達の言葉を聞かずに契約したのはどこのどいつだ全く。
その意趣返しならまだ、優しいものだ」
「俺がまだ、甘くて今回の様な結果になったのは自覚している」
そう答えるセイヴァーの表情はまたしても、なんの感情も感じない虚ろなものだった。
それを見て大きく溜息を吐いた後、諸葛亮はセイヴァーの額にデコピンを放つ。
「ッツ!?」
「それを馬鹿と言っている。よほどの大英雄でない限り一人で出来ることなど限られている。
お前が何故、他者の力を借りようとしない事については予測が出来る。
だがな、少しは周りを頼れ。一人で全てを終わらせようとするな」
「だけど……俺は…」
「私達の信頼を裏切ったと言いたいのか?
お前が何故、数多の英霊の武器を扱える?それは、私達が裏切られたとは感じていないからだ。
目的に固執し過ぎると視野が狭まる。それを理解しておけよセイヴァー」
最後にクラス名を呼び、戦闘態勢になる諸葛亮。
その横には、アレキサンダーも並ぶ。
「講義は終わりだ。実技といこうか」
「……どうーー」
セイヴァーが全てを言い切ることはなかった。
途中で、アレキサンダーが斬りかかってきたため、慌てて無名の剣を取り出し防ぐ。
「先生から聞いて、楽しみだったんだよねー。君と戦うの!」
満面の笑みで告げるアレキサンダー。
セイヴァーは忘れていた状況を理解する。この二騎は敵側のサーヴァントであったことを。
「やはり、趣味が悪いな。
「ふん。分かりきっていただろう?
互いに悪どい笑みを浮かべた。
言葉に自身の感情を隠して。
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一ヶ月かかるのは、今回限りにしたいです