願いを込めて   作:マスターBT

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女神様とその旦那の登場回。

息抜きにISを書き始め、頭が解れてきたので続きが閃いた。
息抜きって大事


女神と狩人

新たな島に到達し、立香のサーヴァント達はドレイクとともに、船を修理するための素材探しに。

オルガマリーとセイヴァーは、前回の時と同様に船の防衛に当たっていた。

その筈だった。ワイバーンの素材を大量に、あのアステリオスの両手すら持ちきれないほどに持ち帰って来るのは、まだ想定内だったが。

 

「はぁ〜い」

 

「おっ、新しい美女。ヘェイ!?」

 

新しい神霊ーーアルテミスと、オルガマリーに抱きつこうとしたぬいぐるみの様な何かが、セイヴァーによって、吹き飛ばされ、アルテミスの元に強制送還させられる図は誰が予想しただろうか。

 

「ダーリン……また、私以外の女性に…」

 

「ま、待って!?俺今、あの英霊の一撃で頬がメッチャ痛いの!

今お前に、折檻されたら死んじゃうよ!座に帰っちゃうよ!?」

 

「え!?それは大変だわ。手当してあげる」

 

ぬいぐるみの様ななにかーーオリオンがアルテミスにグリグリと身体を弄られる。

 

「マスター、無事ですか?

あの汚らわしい何かの毛とか付いてませんか?」

 

「初対面で中々酷いな!?」

 

「黙れ。マスターに抱き着くなど、羨ま………させるわけがないだろう」

 

「あ、君そういう…」

 

周りの全員を置き去り、オリオンとセイヴァーが会話をする。

すごくカオスでシュールな絵面だ。オリオンは、アルテミスに抱きしめられる様に、抱えられながら、セイヴァーと会話をし。

セイヴァーは、思わず本音が出かけたのを取り繕う為に、真顔で話す。

 

「…ぷっ……あははは、セイヴァー。どうしたの?貴方らしくもない」

 

オルガマリーが耐えきれずに笑い出す。

セイヴァーの動揺を悟れたのは、目の前のオリオンを除き、オルガマリーのみ。

 

「あ、いえ。大丈夫ですマスター。

藤丸立香、それを寄越せ。俺は船の修理をするからマスターに事情を説明してくれ」

 

「あ、うん。分かったよ」

 

そそくさと立香から、素材を受け取り船へと向かっていくセイヴァー。

竜種の鱗の加工には、力が必要だが、セイヴァーは自身のスキルで、ステータスを引き上げる。

それにより、オルガマリーからの魔力供給が増えるが、現状負担はあまり多くない。

 

「で、ワイバーンの素材を回収しているところに、居合わせたという訳です」

 

「状況は理解したわ……はぁ、こうも神霊が多いと神秘ってなんだったの?って言いたくなるレベルね」

 

立香がオリオンとアルテミスに出会った経緯を説明する。

その説明に思わず、頭を抱えるオルガマリー。仕方がないだろう、魔術師にとって神秘とは得難いもの。

それがこうもあっさりと、目の前に現れているのだから。

 

「やっぱり、特異点は異常ね。でも、神霊が味方してくれるのなら助かるわ。

あの、ヘラクレスに攻撃が通用する可能性が出てきます。仮契約は、もう立香と行ってるのよね」

 

「えぇ。そうよ、ダーリンがそうするべきだって言うから」

 

「人理が滅んだら、美女がどうとか言ってる状況じゃなくなるしな」

 

オリオンとアルテミスの異様な関係は置いておき、オルガマリーは仲間が増えたことと、ヘラクレスへの対抗策が両方できた事を喜ぶ。

アステリオスとセイヴァーによる船の修理が終わるまで、ひと休憩し、再び動き出すカルデア一行。

 

「しっかし、どうするかねぇ。闇雲に動いても、あいつらに追いつかれたら私らは詰むよ?」

 

ドレイクが部下たちに指示を出しつつ、進路を考える。

 

「…連中を足止めする役割と、対抗策を探す二つに分けた方が良いかもしれない」

 

セイヴァーが口を開く。

戦力の分散をして、果たして勝てるのか?という疑問が一同を支配する。

 

「勝つことが目的じゃない。足止めが目的だ。

ロマン、この世界に聖杯があるなら、オルレアンの時と同様の現象が起きていると推測するが、どうだ?」

 

『……聖杯によるカウンター召喚か。でも、それが確実に行われている確証はないよ?』

 

「あぁ。だが、可能性はゼロじゃない。

シバによる観測を多少広くし、観測領域を広げることは可能か?」

 

『観測領域を?……そうか、こちらである程度の島を確認し、君らを案内する。

サーヴァント反応があれば、味方である可能性が高い。そう言いたいんだね?』

 

「あぁ。おそらく、今回の敵性サーヴァント達は、あの船に集合している。

島には居ないはずだ。それを利用し、こちら側の戦力を増やす。俺が考えついた策はこれだ」

 

セイヴァーが考えた策は、ハイリスクハイリターンと言える。

戦力の確保を確かに臨めるが、足止めする部隊が全滅すれば意味はなく、そもそも足止め部隊が敵に遭遇出来るのかという点もある。

だが、状況は多少の危険を伴わなければ打破出来ないところまで来ている。

 

「……私は賛成するわ。その上で、立香には、戦力の確保を図る部隊に所属して貰いたいと思ってる。

私は足止めを引き受けるわ」

 

「オ、オレですか?」

 

立香が困惑する。

自分が、作戦の要を担っても良いのだろうかっと。これから出会うであろうサーヴァント達と交渉出来るのかと。

 

「貴方しか居ないわ。私だと、悔しいけどサーヴァントとの相性がある。

誰とでも仲良く出来るお人好しではないから。それに、足止め部隊の方に回って、ロクに魔術による支援が出来ない貴方よりは、私の方が戦えるわ」

 

「……わかりました」

 

「勘違いしないでよ。私は貴方になら、やれると判断したから任せてるの。

多少、キツく言ったけどそれだけ期待してるのよ」

 

落ち込んだ様に返事する立香に、オルガマリーが照れ臭そうにしながら期待してると告げる。

 

「は、はい!オレ、頑張ります」

 

当然、立香はやる気を出す。

期待されているのならば、全力で応えるのがこの男だ。

 

「セイヴァー、部隊はどう分けるの?」

 

「足止めを担当するのは、俺とクー・フーリンです。

今、此処にいるメンツで最も戦闘慣れしているのは、この二騎ですから」

 

『それが妥当だろうね。足止め部隊のナビゲートはこの天才、ダヴィンチちゃんが引き受けよう。

大船に乗ったつもりで安心したまえ』

 

セイヴァー、クー・フーリン、オルガマリーが足止めを。

残りが新たな戦力の確保に向かう。

 

「良いな。藤丸立香、目的を達成したらロマニの指示に従って、すぐに来い」

 

「分かってる。死なないでよ、セイヴァー、クー・フーリン!」

 

ドレイクに用意して貰った小舟に乗りながら、セイヴァーとクー・フーリンはニヤリと笑う。

 

「誰に言ってやがる坊主!そっちこそ、しくじるんじゃねぇぞ!!」

 

「そういう訳だ」

 

セイヴァーが小船を漕ぎ、前進する。

すでにダヴィンチちゃんにより、相手の進路予測とリアルタイムでの観測が行われている。

 

「(ヘクトール……次こそ、決着をつけてやる…)」

 

セイヴァーはヘクトールへの闘志を高めるのであった。

 




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