第1話「始まりの夜に なに があったのか 前編」
月の7割が爆発し、消滅する15年前、西暦2000年
=日本・某県山奥の研究施設=
「ば、馬鹿なっ!」
科学者・蛮野天十郎の眼前には、それぞれ
「私はお前たちの創造主だぞ!!!」
『ハッハッハ。我々が君のような下等な人間に指図を受ける謂れはないよ。』
胸に≪001≫の刻印をもつコブラのような異形―――コブラ型ロイミュード001は蛮野を嘲笑うと、感情を感じさせない声で言い放った。
『あぁ、俺も貴様のような最低な人間に従うつもりなどないっ!!!』
胸に≪002≫の刻印をもつ蜘蛛のような異形―――スパイダー型ロイミュード002も拳を握りしめると、蛮野に向けて怒りの感情がこもった声で蛮野に向かって叫んだ。
『私も同意見です。蛮野、貴方のような愚劣で、マッドで、三流の科学者風情に良いように使われるはありませんよ。』
胸に≪003≫の刻印をもつ蝙蝠のような異形―――バット型ロイミュード003も001、002に同意するように頷いた。
『001、003。もういいだろう、早く始末しよう。』
002は苛立ったように001と002に声をかけた。
『落ち着きたまえ002、いや、ハート。』
001は002―――ハートを宥めようと、ハートの肩に手を置いた。
『そうですよハート。一瞬で殺してしまえば、貴方の受けた苦しみを蛮野に受けさせることも出来
ませんよ。どうせなら永遠の苦しみを味合わせてあげましょう。』
『永遠の苦しみだと?003、そんなことができるのか?』
『可能ですよ。我々ロイミュードのコアテクノロジーを応用すれば、ね。』
『なるほどな、003。やはりお前は俺なんかよりよっぽど頭が良い。そうだ003、新しい名前を考
えたいといっていたろう。お前のその優れた頭脳からとって、ブレンというのはどうだ。』
『ブレン、ですか。知的で、華麗で、凛々しい私にはぴったりな良い名前ですね、これからはそう
名乗りましょう。』
003改めブレンは嬉しそうに頷き、指を滑らかに動かしながら。拳を握った
『ふむ、ハート、ブレン。話は纏まったようだね。この男の意識を電脳世界に幽閉するというので
あれば、意識を移すために手足を引き千切るなりして身動きをとれないようにしておくべきだろ
うね。』
001はハートとブレンに穏やかな口調で話しかけると、蛮野に向かって指先に内蔵された銃口を向けた。
『そうだな。』
『私も異論はありません。』
ハート、ブレンもまた001に倣うように蛮野に向かって銃口を向けていた。
「ふざけるなぁ!この私が、殺されると思うか。」
蛮野はそうヒステリックに叫ぶと、懐からスイッチを取り出し押した。
すると次の瞬間、周囲の人間や物体の動きが遅くなる現象―――重加速現象が発生した。
『ほう。』
『なんだと。』
『何故!?』
3体のロイミュードはコア・ドライビアでしか起こすことのできない重加速減少に驚きを隠せなかった。
『排除スル』
次の瞬間、001とブレンは背中に銃撃を受けて吹き飛ばされ、蛮野の後方にある壁に叩きつけられた。
『001!?ブレン!?』
ハートは二人の友が吹き飛ばされたことに気付き、攻撃してきた者の姿を見るために振り向き、そして驚いた。
『何なんだ、お前は!?』
ハートの眼前には胸に≪***≫の刻印を持つ、ハートら3人のロイミュードを一つにしたような姿をしたロイミュードが立っていた。
「フハハハハハ!アハハハハハ!どうだ、こいつこそ、私がクリムが作ったプロトゼロを基に生み
出したすべてのロイミュードのプロトタイプ、キメラ型ロイミュードだぁぁぁ!!!フハハハ
ハ!アハハハハハッハハッハハハ!」
研究施設には、蛮野の狂ったような高笑いが響いていた。