SAO ~絆で紡がれし勇者たち~   作:SCAR And Vector

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リズベットとの出会い 2

 街を出れば、そこには視界いっぱいに荒れ果てた荒野が広がっていた。空は常に灰色の雲で覆われ、火山の灼熱地帯による影響で空気はひどく乾燥していた。

 

 木々が緑で覆われることはなく、アカシアの木の様な色合いの枯れ木がぽつぽつと点在しており、それがこの火山地帯が広がる第十層で木材が調達できる唯一のスポットである。

 

 十層は物価も高く、ここを拠点として活動するにも、観光目的で足を運ぼうにも、どちらにも適さない層であった。しかし、未だに人通りが多いのはある魅力的な事柄がこの十層に存在するからである。

 

 一通りゲームを体験し、狩猟生活を経験した元ハンターならわかるであろうが、火山といったら鉱石採掘に適した場所であるといっても過言ではない。しかも、他の層の洞窟の鉱脈よりはるかに採掘回数が多く、とれる鉱石も高品質でレアものばかり。故に、これが第十層の魅力、俺がこの層を選んだのも納得が行くであろう。

 

 俺たち暫定パーティーは、全体の5割を占める荒野を抜けると、手始めに中規模――十層では火山の大きさが今までのそれとは規格外な為、中規模と言っても他を遥かに凌ぐ程大規模である――の火山に目を付けた。

 

「あんま時間もかけてられないし、二つ三つ程回って集めることにしよう」

 

「了解。にしても暑いわね・・・」

 

 リズが衣服内の通気性を良くする為に襟首を拡張しながら呟いた。俺はそのチラリズムする胸元に視線を向け無いように抑えつつ、腰のポーチから冷却効果のあるバフが付与される《冷却ポーション》を差し出す。

 

「ここは各所に高温のせいで徐々にHPが低下していくデバフが付くエリアがある。これを飲んどけば10分は自由に動けるし、多少の体温調節機能もあるから飲んでおくと良い」

 

 リズは俺の助言に素直に従い、ありがとと一言添えると冷却ポーションを受け取り、栓を開け飲み干した。それを見守ってから俺も自分用の冷却ポーションを取り出し、器用に歯で飲み口を支えながら両手をフリーにした状態で飲み干した。

 

 口一杯にサイダー風味のスッキリとした爽快な味わいが広がると、視界の右端に水色の下向き矢印と温度計が描かれたアイコンが表示された。

 

「そんじゃ、行こうか」

 

 俺が先導しながら、先ずは近場の採掘スポットに向かう。一度のエンカウントもなく、序盤では嬉しいおおよそ採掘試行回数六回程の鉱脈を見つけた。

 

「それじゃ、始めるわね」

 

 互いにスキル構成は主武器のソードスキルと大まかにしか明かしていないが、恐らく多少は俺よりリズのほうが数値的には上だろうと踏み、採掘はリズに任せる手はずになっていた。

 

 リズが懸命にツルハシを振るう間、俺は周囲の警戒を行う。暫くすると、採掘試行回数が上限に達した為に手持ち無沙汰になったリズが、ツルハシをストレージに仕舞ってこちらに声をかけた。俺はそれに右手を上げて対応し、次の採掘スポットへと向かう。

 

「何がでた?」

 

 並んで歩いていても暇でしょうがないので、せめて楽しく行こうと自分なりに最善と思われる話題を振った。リズはチリリンと鈴のような音を立ててメニューを呼び出し、その中からアイテムストレージを入手順にソートして先の質問に答える。

 

「えーっと、《鉄鉱石》が二つに《銅鉱石》が四つ、あとは建材用の《大きな石》が副産物で手に入ったわ」

 

『副産物』というのは、SAOの採集システムに於けるおまけ程度のものである。鉱石の採掘、薬草や果実などの採取、木の伐採を行ったときに二割の確率で低レアアイテムがそのアクションに応じたカテゴリでドロップする。しかし、先程の《大きな石》と言った低レアアイテムはアイテムストレージをすぐに圧迫してしまうし、用途も限られてくるので、大概のプレイヤーはNPCショップに小銭稼ぎとして売却するのが一般的である。

 

「鉄をドロップするとは幸先良いなぁ。確か修理に使うんだっけ?」

 

「まぁ、その使い方もあるけど、この下層じゃ《銑鉄(せんてつ)》にして防具にするのが賢い使い方かな」

 

 ――防具ねぇ・・・

 

 ひと昔前、第五層攻略の際に『ALS』、正式名「アインクラッド開放隊」に所属していた『リーテン』という女性壁戦士(タンク)が鉄鉱脈の『鉄鋼石無限生成バグ』を利用したグリッチで、全身――その当時は貴重だった――《スチールシリーズ》で身を固めていたということがあったのを思いだし、俺は少し険しい表情になっていた。

 

 現在はそのスチール装備もそれほど貴重とも行かなくなったので今更リーテンを咎めるつもりもないが、そのグリッチのおかげと言っては何だが、第五層フロアボスの攻略に貢献してくれたのは確かだ。当時はソロだった俺もその攻略戦に参加し、《黒の剣士》や《閃光》、《鼠》とともに戦った。

 

 そんな物思いに耽っていると、ほどなくして次の採掘場所にたどり着いた。

 

「ほんじゃ、警備ヨロシク」

 

 リズがぽんと右肩を叩き、ツルハシをアクティベートして採掘に向かう。見たところ試行回数九回程度。ほかの層ではあり得ない試行回数の鉱脈が存在するのも、火山鉱脈の多い十層の魅力である。俺は近場の手頃な大きさの岩に腰かけ、いつでも戦闘態勢に入れるように準備をしながらメニューを開く。フレンド欄からある人物に向かってメッセージを送ろうと、ホロキーボードを叩いていると、リズが二つ目の鉱脈を掘り終えた。

 

「カナデ、終わったわよ」

 

 

「お。じゃあ次行こうか」

 

 またも採掘結果の話をしながら次のスポットへと移動する。これを五、六回繰り返したとき、お目当ての鉱石が手に入った。

 

「か、カナデ!出た!出たよ!」

 

「なっ!?まじかリズ!!」

 

 興奮気味のリズの右手に握られていたのは血の様に赤い鉱石《レッドブラッドオア》。上の層ではどれだけの希少価値があるかは今後攻略を進めて見ないと分からないが、最前線が十四層の現在では、このレッドブラッドオアは一等品のレアアイテムである。

 

 そんなレア鉱石を俺たちが探し求めていたのは、これが剣に新たな能力を付属するための素材として必要だからであった。このレッドブラッドオアで追加できる能力は攻撃力アップのプロパティ。俺の左の腰に携えられた剣も、耐久力さえ気にかけていれば前線で活躍してくれること間違いなしだろう。

 

「でも、アンタの剣にこれ以上攻撃アップの能力付けても追加欄の無駄でしょ?だったら耐久値にボーナス付けた方がいいんじゃない?」

 

「それもそうか」

 

 鍛冶屋としてというべきか、的確なアドバイスをくれた鍛冶師に礼を言いつつ、横に並んで歩きながら必要な鉱石について頭の中でまとめてみる。

 

 能力付属の絶対条件として、まずは専用の鉱石《能力付属鉱石》が必要になる。アイテム名がそのまんまなので入手時はわかりやすいだろう。というかもちっとマシな名前思い付かんかったんか茅場晶彦。

 

 まぁそんな冗談はさておき、その能力付属鉱石の他に、もう一つ、能力付属時に大いに役立ってくれるアイテムがある。それが《能力付属確率上昇材》。まんまそのままだが、これが意外と重宝するのである。最近新種のレアアイテムとして、その名を全フロントランナーと鍛冶師に轟かせたそれは、成功率激低(ゲキヒク)な能力付属の成功確率を一つにつき15%も上昇するという、とんでもないアイテムだったのだ。それだけでない、多少値が張るものの、そこさえ目を瞑れば鍛冶師専用NPCショップにそれが陳列されているのだから、これまたとんでもないアイテムである。

 

 何はともあれ、それらが能力付属の絶対条件。いわば土台だ。そこから専用の鉱石を使って能力を付属する、というのがSAOにおける能力追加システムである。

 

 今回俺が愛剣《ソードオブ・アイスクリスタル》に付属させる能力は、リズが先刻ボロクソに言ってくれたように、この剣の一番の不安要素である耐久値に上限ボーナスをつける能力《耐久値増加》だ。

 

 これにより、今回のお目当ての鉱石ひとつで+20の耐久値増加が見込める。先程リズが手に入れたレッドブラッドオアは攻撃力に+15の増加。これも中々捨てがたいのだが、生憎SAOでは他のゲームタイトルと違い、能力付属できる項目が殆どの武器防具が一項目しか付属できない。俺の愛剣は現状トップクラスの攻撃力を誇るので、これ以上の攻撃力増加は優先度が低い。そのため、攻撃力アップは見送りになるだろう。

 

「あ、カナデ」

 

 能力の何たるかを脳内であれやこれやと解説していると、リズが俺の襟首をいきなりぐいと引っ張った。

 

「ごほっ・・・何すんだよ」

 

「ほら・・・あれ・・・」

 

 少し叱りつけてやろうかと思い振り返ったが、リズが真剣な眼差しをある一点に注いでいるのを感じ、俺はその視線を追いかけた。

 

「あ・・・」

 

 俺にとっては別段気にすることもないことだったが、このデスゲームが開始して以来、殆どの時間を剣の作成に費やしていた隣の女性鍛冶師にとって、これは相当な出来事に思えたのであろう。

 

 自らの足でフィールドに赴き、その腰に下げられたメイスをふったことは数回しかなかったと思われるリズの左肩に装備された金属製の肩当てが、カチャカチャと音を立てて震えていた。

 

 俺たちの目の前に立っていたのは十層のフィールドボス『ザ・ボルシャック・カタナソルジャー』。この火山地帯を守ってきたそいつは、鬼の面から覗く紫の双眸をぎらりと光らせていた。

 

 名前通り、このmobは日本に於いて最も有名なものと言っても過言ではない「侍」である。マグマがそのまま鎧となったかと錯覚するような紅色の甲冑を纏い、腰に大太刀を挿してこの火山を睥睨しうる様は、まさしく戦乱の世に『風林火山』の旗を掲げた戦国武将、武田信玄を彷彿とさせた。

 

 この層の安全マージンを大幅に上回っている俺からしてみれば、こんなくそ暑いのに甲冑姿でいられるなんてすごいですね。暑くないんですか?と軽々しくライム水片手に話しかけてしまいそうだが、安全マージンより二つレベルの低い戦闘初心者のリズからしてみれば、頭上のアイコンは赤々と染まり、恐怖の色と見えるのだろう。

 

 俺は小動物の様に肩を震わせ驚愕しているリズの肩に手を回し、そっと抱きしめた。

 

「安心しろ。あいつは俺がヘイトを稼いでリズにタゲが回らないようにするし、攻撃も単発のカタナソードスキルしか撃ってこないから避けるのも簡単だ。落ち着いて、深呼吸して」

 

 リズは俺の助言に素直に従い、できるだけ深く深呼吸をした。

 

「こうなるってことは覚悟してた。今更怖気づいても遅いわよね・・・!」

 

 覚悟を決めたかのように口元をきゅっと結ぶと、腰のメイスを前方に構える。

 

「覚悟を決めた鍛冶師を、舐めんじゃないわよ!!」

 

 リズのその一言の叫びを皮切りに、俺が《投擲》スキルの初歩、《シングルシュート》を放つ。

 

 俺の右手から放たれたピックが仁王立ちしていた侍の左腕に命中し、侍はこちらを睨み付けた。

 

 俺は十層攻略時にこいつとは剣を交えている為、戦うのは実に二回目である。攻略パターンは完全に頭の中に入っているので、リズにタゲが移らないよう細心の注意を払いながらAGI全開の全速ダッシュで距離を詰める。

 

 互いに腰の剣を抜き、侍が太刀を上段に構えたところに片手剣二連撃ソードスキル《ホリゾンタル・アーク》をお見舞いする。鮮やかな青の閃光を迸らせ、青い残光と赤い甲冑が交わり、紫に光った時、その赤い甲冑が瞬時に消えた。

 

 一度上に跳躍し、着地と同時に全方位への回転攻撃を繰り出すカタナソードスキル《旋車(ツムジグルマ)》の初期動作。それは第一層ボス攻略の際、βテスターでありながら初心者(ニュービー)たちを己の正体を隠しながらまとめ上げ、その意思を大勢に受け継がせた騎士《ディアベル》を屠ったソードスキル。

 

 俺はソードの技後硬直(スキルディレイ)が解けると、すぐさま侍の着地と同時に高く跳躍し、繰り出された《旋車》を回避する。侍の渾身の一撃も空振りに終わり、侍は硬直を課せられまたも大きな隙を生みだした。

 

「やぁあっ!!」

 

 そこに遅れて辿り着いたリズのメイスによる横殴り。無数のスタッドの並んだそれが侍のみぞおちに決まり、腹部の鎧を粉々に粉砕した。

 

「ジャストヒット、リズ!」

 

 褒められたことが嬉しかったのか、その顔からは笑みが漏れていた。リズはそのまま後ろに飛び退くと、スイッチした俺が侍の懐に飛び込む。

 

「おらぁあ!!!」

 

 片手剣単発突進系ソードスキル《ソニックリープ》の緑の光が弧を描き、侍のあらわになった腹部を深く斬り裂いた。会心の一撃に拳を握ると、ようやく硬直が解けた侍が大きく距離を取る。

 

 流石に人型エネミーなだけあるらしく、人間的な行動を行うようだ。基本的にこの侍は回復の類は使用せず、武士道に則っているのかいつも一人で敵に向かう。余談だが、十層攻略時のレイド戦の時だと傍から見たら完全なリンチ状態で、どっちが悪役か皆目見当もつかない位DKB《ドラゴンナイツ・ブリゲード》とALFの物量作戦で押し切っていたのだが、当時ソロだった俺は何故かこの侍に同情し、その時コンビを組んでいた《黒の剣士》と《閃光》とともに攻略レイドから終始浮いていた様な気がしている。

 

 そんなくだらない回想を断ち切るかの様に、侍が突進しながら近づいて来た。目にもとまらぬ上、下の連撃。一拍置いてからの渾身の突き。

 

 俺たちの急造コンビネーションによって七割近くもHPが減らされているのに、その目に宿る闘争の炎はまだ消えてはいないようだ。

 

 迫りくる侍の最初の二連撃を紙一重で躱し、最後の突きを剣で受け流そうとした瞬間、一瞬の反射で背後のリズが侍の刀身に映った。

 

 本来ならば、この突きを躱すことなど何の造作もなかったであろう。しかし、今回は訳が違った。

 

「くそっ!!ミスった!!」

 

 俺は振り向きざまに背後に呆然と立ち尽くしていたリズを突き飛ばし、どうにか突きを防ごうと試みる。

 だが、ただでさえ全武器中、最速の突きを繰り出せるカタナの突きを刀剣だけで防ぐことは困難を極めた。さらにはシステムのブーストのかかった迅速の突き。いくら攻略法が頭に入っていたとて、こればかりはどうすることも出来なかった。

 

「間にあえっ!!・・・」

 

 不幸中の幸いと言うべきか。ぎりぎり間に合ったらしい。

 

 リズには一ミリもHPの減少が見られなかった。

 

「か、カナデ・・・アンタ・・・」

 

 リズの口からひどく掠れた細い声が漏れる。リズは立ち上がると、滑り落ちそうになったメイスを堅く握りしめると、二度目の硬直を課せられた侍に向かって駆けた。

 

 

 

 

 それから先は一瞬の出来事でうまく理解ができなかった。互いに一歩も引かぬ攻防を繰り広げ、最後はリズの放った現時点での最高ソードスキル《アッパー・スイング》がクリティカルとなり、侍は甲冑から光をこぼし、その体躯を爆散させた。

 

「カナデ・・・どうして・・・」

 

 アイテムリワードの表示された窓にも気が付かないのか、鬼気迫る表情でリズはこちらに駆け寄った。表現がオーバーなナーブギアだが、それを除いても分かる位リズの表情は青ざめていた。

 

「あっはっは・・・油断しちゃってたよ。まぁ、なんともないさ」

 

 陽気に笑って見せたが、リズの表情が明るくなることはなかった。それどころか、逆効果だったのかその目尻から大粒の涙が地面に落ちる。

 

「・・・なんで泣いてんだよ・・・別に死ぬようなケガじゃないだろ」

 

 半ば呆れ顔で苦笑いし、自分の体を見つめる。

 

 俺の右腕はそこにはなく、肩から切り落とされた右腕は遠くで断面からしゅわしゅわと赤いエフェクトを発生させながら転がっていた。俺が侍の範囲にもブーストがかけられていた突きを右肩に食らうことで、どうにかリズへの直撃を防ぐことができた。その衝撃で胴体と二つに別れてしまったが、時間がたてばまた生えてくるので問題はない。

 

「剣・・・握ったままだったわ」

 

 身体と分離された右腕は剣をしっかりと握っていた。左手で右手から剣をもぎ取り、腰に挿した鞘に納める。そのわずかな衝撃で、とうとう耐久値を全損させた右腕はポリゴン片と姿を変え霧散した。

 

「いい加減泣き止めよ・・・俺が悪いみたいじゃないか・・・」

 

 慰めようと囁きかけるが、リズの頬を伝う滴はとめどなく流れた。

 

 やっとのことで話すことができたリズが嗚咽混じりに口を開く。

 

「だって・・・このまま死んじゃうんじゃないかって・・・怖かったから・・・ふぐっ・・・」

 

「あのなぁ、こんなとこでくたばってたら攻略組の恥さらしに認定されちまうっての。それに、システム的に欠損ダメージを受け続ける時間は長くて一分。その間に止血でもしとけばそれでオッケーだろ?」

 

 リズがなぜこれほどに号泣しているのかわからない俺には、絶対に死なないという確証を説明するしかできなかった。でもリズはふるふるとかぶりを振ると、

 

「違うの・・・右腕を犠牲にしてまで守ってくれた人なんて今までいなかったから・・・嬉しくて・・・でもそのせいでアンタが死んじゃうんじゃないかって・・・」

 

 とん、と胸元に生まれた衝撃。リズは俺の胸元に顔をうずめてすすり泣いた。俺はその行動に脳処理が追いつかずショート寸前だったのだが、さっきじぶんからリズの肩を抱いたじゃないかと何故か己を励まし、どうにかリズのベビーピンクの髪を撫でる。ハラスメントコードに引っかからないかびくびくしながらの行動だったが、いつまでも牢獄送りになる予兆はなかったのでほっと胸を撫で下ろす。

 

「・・・ありがと・・・ちょっと落ち着いたわ・・・」

 

「ん、そうか・・」

 

 ひとしきり涙を流したリズは、頬を紅潮させながら顔を放した。

 

「それじゃ、採掘再開と行きますか!!」

 

 思いきりの良い鍛冶師はその涙をさっと拭うと、まぶしい笑顔でにぱっと笑って見せた。




 なげぇわ。何考えてたんだ執筆中の自分。

 過去最高の7000文字越でしたが、いかがだったでしょうか。リズの涙は、きっと目の前で死人がでるかもしれないという恐怖の涙だったのでしょうね。

 いまだ詳しく人物像が書かれてカナデ君ですが、あくまで演出上こうしてるのであって・・・いずれ話を重ねて行くと、どんな奴かはおのずとわかってくるでしょう。

 (設定は引き継がれているから、打ち切り版を見た人ならわかるでしょうね)


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