Wizars World 《ウィザーズ ワールド》   作:ダンケ侍

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今回はシリアル風味。めっちゃきつい……
ではどうぞ


10.ドイツでの地獄〈ブレイム・ゴードン〉

2183年9月24日 ドイツの首都ベルリン、そこで僕は生を受けたという。赤子の頃の記憶なんてあるはずもないが、とくに不便な生活はしていないはずだ。

そのままなんの問題も無いまま僕は小学校へ入学する事が出来た。僕に魔法の才能は無かったが普通に友達も出来たし、勉強も人並みには出来た。そんな生活が続いていた…………

 

そんな生活が変わってしまったのは4年生の時初等教育の修了を控えていたときのことだった。(ドイツの初等教育は4年で一度修了するんです)

僕の住んでいた町で大火災が起きた。その火災によって多くの家々が焼け、多くの人々が亡くなった。僕はその日クラスのみんなと修了祝いと称して夜遅くまで出かけていたため巻き込まれなかったが、僕以外の家族は皆死んだ。父も母も妹も皆等しく灰になった。後から聞いた理由によると、放火だと聞かされた。ここまで酷くなった理由も犯人が複数人の愉快犯だったからだと聞かされたが僕はなにも考えられなかった。

家を無くした僕は親戚を頼ったけど、その親戚も子どもを養うほどの余裕はなかったらしくその人達によって孤児院に預けられる事になった。

そこの管理人さんは新しく来た僕をとても歓迎してくれた。学校に行くことは叶わなかったけど管理人さんが直接勉強を教えてくれたから 知識に困る事はなかった。

 

ある時一人の少女が孤児院に入ってきた。

彼女は人見知りなのか他の子ども達と関わろうとせず、いつも本を読んでばかりいた。僕は自分が皆から遊びに誘ってくれた事を思い出し次は僕が誘う側になる、とでも考えたのか彼女に話しかけていた。

 

「ねぇ?ちょっといいかな?」

「………………?」

「この間ここに来た子だよね?名前なんていうの?」

「…………カティア・クルシュマン…………」

 

それが僕と彼女の最初の出会いだった。

 

 

彼女と僕は一緒にいる時間が多くなっていった、僕の影響からか他の子ども達と一緒に遊ぶ様にもなった。それでも彼女は本を読んでいる時間の方が多かった。いろんな話もした。いつだったかこんな話をした事を覚えている。

 

「カティはさ、将来どんな事がしたい?」

「……日本にある魔法士の学校に行きたいな……」

「カティ魔法使えるの⁈」

「う、うん。いまはまだそんなにだけど…………」

 

魔法の使えない僕からしたらそれはすごいことだった。でも話の内容に関係なく彼女との話は楽しかった。でも、それはいつまでも続くことはない。

この孤児院の子ども達は12歳になるとそれぞれ里親に引き取られる。そんなに希望する人がいるのだろうかと子どもながらに思ったが、特に気にしていなかった。その時初めて彼女が歳上だと知った。

 

「……先に行っちゃうんだよね……」

「……貴方にもきっといい里親がみつかるよ……」

 

そう言って彼女は行った。しばらく心にぽっかりと穴が空いた様な気がした。僕はその時彼女に惹かれていたのだろう、今ならそう思える。

 

 

そして、1年後僕も引き取られる日が来たようだ。管理人さんのエアカーに乗って着いた先には……僕達を引き取ってくれる里親などいなかったと、この瞬間知った。

そこは郊外の研究所らしきところだと判断出来た。

 

「毎年、毎年ご苦労な事だね」

「孤児なんていくらでもいますから……虫が湧いてくる様にね」

「全くその通りだな」

 

管理人さんと研究所の職員らしき男がそう言って笑う。僕達はあの男に騙されていた。あいつは毎年、毎年孤児を集めてはとある年齢に達した時この研究所に子どもを売っていたのだ。

 

「さて、君たち。社会からは必要が無いとされたのだろう。でも大丈夫、ここで人の役に立つ研究の礎となる事が出来るこれは実に素晴らしい事だね」

 

その言葉を聞いた子ども達から悲鳴があがる。

ふざけるな、自分から孤児になった子どもなんているわけないだろう。自分から社会から外れた者などいるはずがないだろう。いい加減な事を言うなと僕は怒りを覚えた。

だけどその言葉を発する事が出来るはずもなかった。

 

 

 

##########

 

 

 

それから数多の実験が行われ、たくさんの子どもたちが犠牲になったらしい。らしいというのは僕がまだモルモットになっていなかったからである。

僕がここに入ってから彼女の事しか考えていなかった。彼女はどうなったのか、他の子ども達と同じ様に犠牲となったのか、まだ生きているのか。そんな事を考えていた。すると、部屋の扉が開く。

 

「584、実験時間だ。私についてきたまえ」

 

ここに来てからというもの名前で呼ばれず、番号で呼ばれた。

そいつについて行くと数人の研究員であろう人間がいた。

 

「さて、君に受けて貰いたい実験があるんだが……」

 

そこで言葉を一旦切って続ける。

 

「成功確立が極端に低いんだ。そこで実験が成功したら特別に君を解放してあげてもいい」

「えっ……?」

「無論記憶は消させてもらうがね」

 

願っても無い提案だった。他の子どもを見捨てるという事だがここから解放されるのだ。

 

「まあ、断ったら一生モルモットなわけだが……」

「……一ついいか……」

「何かな?」

 

研究員の言葉を遮って僕は続ける。

 

「ここにカティア・クルシュマンという女の子がいなかったか?」

「……ふむ、君調べたまえ」

 

そう指示を出して違う男がパソコンで調べる。

 

「……いました、549未だ生存しています」

「……………!」

 

僕は安堵した彼女はまだ生きている、そして僕は自分の考えを言う。

 

「もし成功したら、僕じゃなくて彼女を解放しろ」

「ふむ…………」

「……僕がお前らの手足になってもいい……」

「……いいだろうその提案を聞いてあげよう」

 

そうして僕の実験が行われた。無能力者に無理矢理能力を発現させるための実験。僕は麻酔で意識を失いつつ成功することを祈った。

結果として実験は成功。彼女はここから解放された。その様子は僕も確認させてもらえたので間違いない。そして僕は彼女のために自分の全てを投げ捨てた。

 

 

 

##########

 

 

 

奴等の命令で様々なところへ潜入させられた。偽名を使い仲良くなった同級生を騙し、先輩を騙し、後輩も騙し、挙句の果てには自分を好きだと言ってくれた相手すら騙した。

もはや自分が自分ではなくなるようだった。本当の自分はどれだと見失いそうにもなった。だが性格レベルで自分を変えなければその罪の意識に耐えられそうにもなかった。

 

 

僕が15歳になって3ヶ月後、奴等に呼び出された。

 

「今度はなんの用でしょう?」

「日本にある魔法士学校、そこに潜入して貰いたい」

「目的は?」

「日本の魔法士の能力のサンプル、入試の段階から行ってもらう」

 

日本にある魔法士学校、彼女はそこに行きたいと言ってたな……。

 

「しかし監視は大丈夫なんですか?」

「ああ、ちょうどいい奴がおるからな」

「はい…………?」

「カティア・クルシュマン」

「⁈」

 

いま出された名前に驚きを隠せない。

 

「どういうことです!彼女は解放されたのではなかったのですか!」

「ああ、確かに実験からは解放したよ」

「な…………!」

 

奴等はさも当然の様にそんなことを言う。

 

「記憶が消えるなどありえん、ちょっと思い出しにくくなっただけだ。それを思い出してやればいい。それはもう完了している。」

「そんな…………⁈」

「そうだな、貴様が裏切れば彼女を殺すとしようか」

「……腐れ外道共が…………!」

 

僕には拒否権などなかった。彼女の命を盾にされた僕はこの任務を遂行するため日本に向かった……。

 

 

 

##########

 

 

 

「…………くん、ブレイムくん!起きてます⁈」

 

僕は、はっとして状況を確認する。

 

「ブレイムくん!もうちょっとで第2試合ですよ、大丈夫ですか?」

「……ああ、大丈夫だよ片山さん。少しぼっーとしてた」

 

僕らは1-Cを難なく降し(片山さんが活躍してたな……)第2試合の始まるときを待っていた。

 

「もう……試合ではお願いしますよ〜」

「ごめんよ、試合はちゃんとするからさ」

 

心の中でもう一度ごめんと謝る。この試合は『青柳 健人の力を引き出して負ける』必要がある。

彼女も巻き込むのは本意ではないが----

 

「僕は彼女のためなら全てを敵にしたって構わない……」

 

そう言って会場へと向かった。




はい、11話でした。

神「……すごくコメントしづらい……」

……能力説明しましょう。

神「そうね……」

神条 礼奈

ユニット:サバイバルナイフ×2

能力:重力操作

また、次回(・ω・)ノ
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