Wizars World 《ウィザーズ ワールド》 作:ダンケ侍
ではどうぞ。
4月26日の朝、青柳 健人は一人で校舎に向かって歩いていた。昨日まではルームメイトであるブレイム・ゴードンと共に登校していたのだが、一緒に登校すると彼とその恋人である先輩のカティア・クルシュマンの甘い空気にさらされて自分がお邪魔なのではという事をこの二日で学んだ彼は一人で登校する事にした。ブレイムは別に構わないと言ったのだが、こちらが耐えきれそうに無いので丁重に断った。
「そういやGWが近いな……なにしたもんか……」
この時代の日本にも未だにGWというものはあるらしい。しかもこの学園では、5月の1.2日も休みになっている。お前らが休みたいだけだろ、とも言いたいがそれがこの学園である。そんな事を考えながら校門に到着、そこには先客がいた。
「……今日も早いのね、健人」
健人の幼馴染である井上 京花が校門に入ろうとしていた。しかしその表情はどこか疲れている様子。
「……どうかしたか?浮かない顔して、折角の美人が台無しだぜ」
「言ってなさい……こんな物がきたんだけど……」
そう言って京花は自分の携帯情報端末(スマホと思ってもらえばよい)を操作してその画面を見せる。
「私のパートナーになってください……それに似た誘いが他に5件か……」
この学園には生徒個人に送る事の出来るメッセージボックスが存在する。早い話が電子メールの個人ポストである。一度学園の管理しているサーバーを通してくるので悪質なものはそこで消されるが、このように魔法士としてのパートナーの誘いなどは引っかからないためにこのような事が起こる。
「見事に全員男だな……見た目よし、実力もあるからな仕方ないだろ?」
「褒めてくれるのはいいけど……先輩だからどう断ったものかな……」
「同じようにメッセージで返信すればいいだろ?」
「……それもそうか……」
こんな会話を普通に出来るのもこの二人ならではであろう。というかクラス代表戦でこの二人の関係が明らかになっているはずなのに誘ってくる奴がいるのが驚きである。
結論がでた後健人が口を開く。
「断っていいのか?もっと上のレベルがみれそうなのに」
「あら、あなたは行って欲しかったのかしら?」
「おれはお前とのコンビがいいけどな、ただ誰を選ぶかはお前次第だからと思ってな」
「……別に誰でも断ったわよ、私もあなたとのコンビがいいもの」
これは幼馴染の会話なのだろうか、とも思えるような会話をしながら二人は教室へと向かう。その途中で京花が聞いてくる。
「あなたGW空いてる?」
「別に予定はないぜ」
「だったら一緒にどこかに行かない?いろいろ買い揃えたいものあるし」
「女は大変だね、気にする事が多くて」
「それは偏見じゃない?」
「悪い悪い、謹んで荷物持ちさせてもらいます」
「だったら決定ね」
これは世間一般ではデイトと呼ぶのかもしれないが、そんな事を気にするような二人ではなかった。
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そんなこんなで授業が終了して放課後となった。レイノルズ・マッケイは同じクラスの友人達とアリーナで練習しようと思ったのだが生徒会の用事があるらしく仕方なく相手を求めて風紀委員室を訪れた。
相手はいた、皆川 咲良。いつもレイノルズが襲われている相手である。あ、これは死んだなと思い覚悟しながら相手を頼んだが……
「痛ぇ!」
「ほら、また単調な攻撃になってる。そんなのだったら操作系魔法の得意な相手だったら瞬殺だよ?」
意外にも快く引き受けてくれた彼女はレイノルズの悪い部分を矯正しようとしていた。
「……ただの打ち合いで終わると思ったけどな」
「いつも相手してくれるお礼みたいなもんよ。ほら早く立つ!」
「……裏がないだろうな……」
「人の好意を素直に受けとらないやつにはお仕置きだよ♪」
「付き合ってくれてありがとうございます!」
咲良の脅迫めいた言葉に屈する男がそこには居た。ちなみに練習している場所はいつものアリーナではなく、風紀委員専用の訓練室である。いい待遇だな、風紀委員どもよ。
「全く、わたしは戦闘狂じゃないんだから」
「嘘…………だろ…………?」
「違います!確かに戦うのは好きだけど……」
それを戦闘狂と言うのではないか、とも思うがきっと違うのだろう。
「大体、そう思うならなんでわたしに頼んだの?」
「打ち合いでも練習にはなるからな」
「……あんた先輩にもタメ語なの?」
「安心しろ、お前限定だ」
「……そう、まあいいんだけど」
レイノルズとしてはいきなり襲って来た相手に敬意を払えるわけがないのだが、実際指摘されるまで先輩だという事実を忘れていた。すると咲良が質問してくる。
「……なんであんたはいつも相手してくれるの?普通避けるでしょ?こんな奴」
「ん〜となぁ、練習になるからだな。お前強いからなおさら」
「……そう、いつもありがとう」
「ふぁ⁉」
急にお礼を言われたので抜けた声を出してしまうレイノルズ。咲良は気にせずに続ける。
「わたしこんなのだから気軽に接してくれる人が少ないからさ……」
「お、おうユアウェルカム」
「……なんで英語?」
暴走ばかりが目立つ彼女だが、おとなしくいれば結構な美少女である。いきなりそんなお礼などを言われてしまってはこちらが気恥ずかしくなってしまうというものだ。
レイノルズが対処に困っていると扉が開けられた。
「あん?先客がいたのか……」
「あんた生きてたのか……」
「錬磨さんこんにちは〜」
先日妹の神条 礼奈に窓から落とされた神条 錬磨がそこにいた。なにごともなかったようで元気そうだ。
「いつもの事だからな」
「なにそれ怖い」
なんでもない様に答える錬磨に率直な感想を述べるレイノルズ。
「それで?錬磨さんも訓練ですか?」
「当たり前だ、サボったら取り返しがつかねぇからな」
どうやらこの男シスコン以外は案外まともなようだ。
「……だったら、わたしとレイのコンビと戦ってくださいよ♪」
「えっ?俺も?」
「別にイイぜ」
「後輩の意思は無視ですか、そうですか」
レイノルズの関係ないところでどんどん話が進んでいる。年功序列社会なんてこんなものだ。
「じゃあ来たい奴だけ来な、雑魚に用はねえ」
そういいながらマグナムを2丁出現させる。流石にこの言葉が聞き捨てならなかったレイノルズは槍を出現させて
「……だったら雑魚なりに抵抗しますよ!」
「行きますよ!徹さんの二番煎じ!」
「違えよ!これが俺様の能力だ!」
「……どゆこと?」
「あの人のユニットは腰の刀だよ」
よくみると錬磨の腰には刀がある。あれが本来のユニットらしい。
「あの人の能力は銃火器錬成、EXスキルじゃないかな?」
神条 錬磨の能力は銃火器錬成、文字通り銃火器を錬成する能力である。
「馬鹿にしやがって……上等だ!」
そう言うと錬磨はマグナムをガトリングに持ち替えた。
「…………まじで?」
「錬磨さんお得意の火力ぶっぱだぁ〜」
「ぶっとべ!」
大量にばら撒かれる銃弾、それを捌きながらレイノルズは嘆く。
「不幸だぁぁぁぁぁぁぁ!」
GWへフラグを建てていきますよ〜
香「今回あたしで〜す」
健人と変わんないけどね。
香「それではどうぞ♪」
青柳 香織
ユニット:両手剣
能力:氷と冷気を操る能力、速度強化能力
次回は一番書きたかったエピ、また次回(・ω・)ノ