Wizars World 《ウィザーズ ワールド》   作:ダンケ侍

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盛大に遅れました、最近増えてきたな……
ではどうぞ


24.蘇る過去〈心の傷〉

ある日、都内某所のホテル。そこの部屋に泊まっていた一人の男は電話で何者かと話していた。

 

「……十分な量の人材は送ったはずだかね?」

『……貴様の言っていた上物とはどれだ?』

「ああ、それの事か。悪いが今から手に入れる予定なのだよ」

『……納品時期よりまだ早いから良いが……問題なかろうな?』

 

この二人はなんらかの取引でもしているのだろうか、それにしては何やら不穏な雰囲気がする。

 

「上物に関しては少々待って欲しい」

『……わかったよろしく頼むぞ……』

 

そう言って相手の男は電話を切る。部屋にいる男は愉快そうに笑みを浮かべて呟く。

 

「さて、協力してもらうとするか……咲良」

 

眼鏡をかけた白い髭を生やした白髪の紳士はその部屋を後にした。

 

 

 

##########

 

 

 

6月上旬、例年よりも早い梅雨入りが発表されて数日たったこの日、風紀委員の訓練所では四人の魔法士が訓練を行っていた。

 

「……サンダーブレイク……」

 

カティア・クルシュマンによる魔法の雷が相手、神条 錬磨に襲いかかる。

 

「甘いぜ!」

 

錬磨はその雷を軽々と避ける、そしてその両手にマグナムを生み出す。

 

「這いつくばれ!腐れ饅頭!」

「……口が悪い……」

 

次々と放たれるマグナムの弾をテレポートしながら躱すカティア。そこにもう一人やって来る。

 

「こっちがお留守ですよ先輩!」

「見えてるよ!」

 

レイノルズ・マッケイが錬磨の隙を突こうとしたがこのような敵意に敏感な錬磨には通じなかった。レイノルズの槍は錬磨の本来のユニットである刀に受け止められる。

 

「俺に不意打ちは通用しねえ!」

「勘のいい人だな⁉」

 

刀と槍でつばぜり合いを始める、すると上からもう一人がやって来る。

 

「レイ!そのまま抑えといて!」

「は?て、お前手に持ってんのはなんだ⁉」

「なに?……お前なに考えてんだ⁉」

 

上を見た二人はかなり焦っている、なぜなら巨大な風の塊を持った皆川 咲良がそこに居たのだから。

 

「潰れろー♪」

「楽しげに言うなああああああ‼」

「俺を巻き込むなあああああああ‼」

 

味方であるはずのレイノルズをも巻き込んで咲良はその風を下に向けて放ったのだった。

 

 

3対1の模擬戦を終えた四人はそのまま風紀委員室で休息をとっていた。

 

「……咲良やり過ぎ……」

「3人相手はキツかったぜ……」

「やるって言ったの錬磨さんじゃないですかー」

「焚きつけたのはお前だろ……」

 

先ほど咲良が錬磨に三人まとめて訓練して欲しいと頼むと彼に断られたため彼女が挑発してそれに彼が乗って来たという経緯があった。簡単に挑発に乗ってしまうのもどうかと思うが。

 

「……私もう行くね?」

「ブレイムのところだっけ?また明日ねー」

 

今回彼女はブレイムがクラス代表で忙しいのでここに暇を潰しに来ていただけである。

 

「……雨降りそうっすね」

「降られちゃ敵わねえな、俺も帰る」

「お疲れ様でしたー」

「誰のせいで疲れたと思ってやがる……」

 

そう文句を言いながら錬磨も帰って行った。風紀委員室には二人だけが残る形となった。

 

「さっきはよくも巻き込んでくれたよな?釈明はあるか?」

「まじめんご」

「軽い⁉」

「冗談だよ、本当にごめんって」

 

安定した二人の漫才が終わると咲良も席を立つ。

 

「わたしも帰るけどあんたどうする?」

「……もうちょい休んで帰るわ」

「そう、じゃあまたね」

「うい〜す」

 

彼の気の抜けた返事を聞いて彼女は部屋を出て行った。

 

 

 

##########

 

 

 

「うわあ、今にも降りそうね」

 

校舎の昇降口付近で彼女は嘆く、 天気はどんよりとしておりいつ雨が降ってもおかしくない雰囲気だ。

 

「降られなきゃいいけど………」

 

雨が降るかどうかを気にしていた彼女だが何やら周りがおかしい事に気づく。

 

(人が……いない……?)

 

雨が降りそうだから人が出歩きたがらないのはわかる、だが人が一人も居ないという状況は極めて不可解である。咲良は何かあったのだろうかと周りを注視する、すると校門から一人の男がやって来た。だがその男は学園にはとても相応しくない格好をしている。

 

「……貴方ここになんの御用ですか?」

 

彼女とて仮にも風紀委員である、学園に害をなすものであれば相応の対応をしようと思ったのだが。

 

「……ふむ、親戚の顔を見に来るのもいかんかね?」

「な…………!貴方⁉」

 

そこに居た杖をついて歩く白い髭の白髪は龍造寺 正宗《りゅうぞうじ まさむね》彼は、

 

「……なぜここに?……おじさん」

 

皆川 咲良の親戚である人間だった。

 

「生徒との面会希望なら事前に許可を得る必要があります」

「それは知らなかったな、全くもって面倒な規則だ」

 

うっとおしそうにそんな事言っている彼に咲良は問う。

 

「……この状況はなんの真似ですか?」

「なに、お前と二人きりで話したくてね」

「わたしは話す事など----」

「『ブルーアース』」

「⁉……それは……」

 

『ブルーアース』それは魔法の全てを否定し、元通りの地球を取り戻そうという理念で活動している組織の名前だ。しかしやる事なす事が過激すぎるために民衆からはただのテロ組織のようなものとしか捉えられてはいない。

 

「私はそこの幹部を務めている」

「……ここでそんな事を言う意味がわかりませんが」

「これの事についてお前と話し合いたい、そのための人払いだ」

「⁉………これは貴方が……?」

「いや、私の友人だ。彼は非常に優秀でね」

 

いくら親戚とは言え魔法を敵対視している組織の人間が自分に話しを持ちかけてくる意味がわからない。

 

「……私と来たまえ咲良」

「えっ……?冗談でしょう?」

 

なぜ魔法敵対組織に自分が必要なのか、その意味がわからない。だが彼女は最近の彼らに関するニュースを思い出す。

 

「……最近の『ブルーアース』のテロ行為には魔法が使われてる……」

「よく知っているな、我らの目的のためにはまず力が必要なのだ」

「でも、それは矛盾です!」

「今の世界から地球を解放するには、この方法しかないのだよ」

 

彼らの目的は魔法世界から地球を解放する事、魔法の打倒などついででしかない、彼はそう語った。

 

「その為の力になれ咲良」

「……そんな事に協力するとでも?」

 

正宗としても予想通りの返答である、ここで彼は彼女に対する切り札を切る事にした。

 

「こんな世界がお前に必要かね?」

「は?なんですかいきなり……」

「お前を認めない世界が必要かと聞いている」

「⁉」

 

咲良の目が大きく開かれる、それに構わず彼は続ける。

 

「親には捨てられ、周りからも化け物扱いされる日々だったろう?」

「……やめて、それ以上は言わないで……」

「誰かに認めて欲しかった、それがお前の願いなはずだ」

「やめて!もう……言わないで……」

 

思った以上に効果があったようで彼女は耳を塞いで苦しんでいる、それでも彼はやめずに続ける。

 

「風紀委員……だったか、その者達がお前を本当に認めていると思うか?」

「いや……もう……やめてよお……」

「本心ではお前を化け物と認識していたとしたら?」

「いやああああああああああああ‼」

 

彼女は正宗の言葉を遮るように叫ぶ、彼もここで彼女を追い詰めるのをやめる。

 

「思った以上に効いたな、考える時間はくれてやる。今夜中に決めろ、場所は後で連絡する。今は聞こえておらんだろうからな」

「……………………」

 

彼女はもはや放心状態でそこに立っていた、それを気にかけるわけでもなく正宗はその場から去って行った。

彼が去った後には雨が降り出していた。

 

 

 

##########

 

 

 

レイノルズがそろそろ帰ろうかと思った頃にちょうど雨が降り始めた。

 

「ったく、早く帰っとけばよかった」

 

彼が昇降口に到達するとそこには見慣れた緑色のポニーテールが見えた。だが彼女が立っている場所には屋根が無く雨にうたれていた。

 

「おい、あんた。そこに突っ立ってたらずぶ濡れ………」

 

彼が言っている途中で彼女が振り向く、だが彼はそれ以上言葉を続ける事ができなかった。彼女の顔は濡れていた、だがそれは雨のせいだけでなく自身の涙によるものだった。

 

「お前……なに泣いてんだよ」

 

先ほどの出来事を知らない彼は困惑するしかなかった。

すると、彼女は彼にしがみついてきた。

 

「お、おいお前…………」

「うわあああああああああああああ‼」

「お前…………」

 

彼にしがみつくと彼女は大声をあげて泣き始めた、突然の事態にレイノルズは対応する事ができない。

 

「なにがあったか知らねえけど……とりあえず泣ける時泣いとけ」

 

そう言いながら彼は彼女の背中をさする。彼はこんな事しか言えない自分が、こんな事しかできない自分がこの時ばかりは悔しかった。

 

 

 

 

「すぅ……すぅ…………」

「泣き疲れて寝るとか……子どもかよ」

 

しばらく彼女が泣き続けていたが疲れてしまったのか今は寝てしまっている。

 

「どうするかな……」

「----保健室に運ぶとしよう」

 

彼が振り向くとそこには風紀委員長高梨 徹が立っていた。

 

「なんであんたここに……」

 

濡れている彼を見て疑問に思ったレイノルズが聞こうとしたが一つの可能性が思い当たりそれを尋ねてみる。

 

「最初から見てたのか……?」

「人払いの魔法士を捕まえるのに手間取っていてね……会話は最後の方は知っている」

「なんであんたが来なかった?」

 

若干の怒気を含みながら彼は問い詰める。

 

「……僕には弱いところを見せないと思ってね」

「……意味わかんねえぞ」

「君には全て教えてもいいだろう。彼女の事を」

「こいつの……?」

「ああ、だからまずは彼女を連れて行こう」

「……全部洗いざらい話してもらいますよ」

 

二人は咲良を連れて保健室へと向かった。

 

 

 

 




おじさまキャラ登場、かなりの外道ですが。

鉄「あんなやつの侵入を許すとはな……」

今回は先生です、生徒とは違う部分もあるよ。

鉄「こちらを見るといい」

剛田 鉄扇

年齢:31歳

担当科目:数学

ユニット:幅広大剣

能力:身体能力増強、身体硬化

え?数学教師ですか貴方

鉄「考えたのは貴様だろうが」

また次回(・ω・)ノ
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