Wizars World 《ウィザーズ ワールド》   作:ダンケ侍

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今回はレイノルズに主人公やってもらいます。アニキィィィィ!
ではどうぞ


26.Believe〈信じられる仲間〉

日がすっかり暮れ周りが夜の闇に包まれた頃、龍造寺 正宗は女子寮と男子寮の間にある広場に居た。先ほど皆川 咲良に意思があるならここに来るようにと連絡をしていた。だが彼には確実にくるだろうという確信があった。

 

「……ふっ、来たようだな」

 

彼の予想は正しく未だ制服姿のままだった咲良がそこに立っていた。その雰囲気は以前までのような明るいものではなくひどく暗いものだった。

 

「選択は終わったかな?」

「……わたしは何を信じたらいいの?」

「我々を信じなさい、我々は君を受け入れるよ」

 

彼女の精神状態が不安定なところにつけ込んで巧みな言葉で誘導する。

 

(あと少し、それで我々は悲願を果たす!)

 

彼がそう考えていたその時だった。

 

「……どこに行こうとしてやがる、あんた」

「え…………?」

「ちっ!ガキの邪魔か……」

 

広場の入り口にレイノルズ・マッケイが立っていた、彼は既に槍を出現させており戦闘体制をとっていた。

 

「てめえがこいつを誑かした犯人だな?」

「全く……人払いが無いとこんなものか」

 

人払いの魔法士は先ほどの出来事の最中に高梨 徹によって捕まっていた。

 

「……レイ」

「こっちに来い、そこのおっさんぶっ飛ばして……」

「……お願い、帰って」

「……なに⁉」

 

レイノルズは彼女の言葉が信じられなかった。

 

「もう嫌なの、苦しみたくない、わたしを苦しませるこんな世界必要ない」

「おい!落ち着け!早まるな!」

「うるさい!もう来ないで!」

「⁉やべっ……」

 

彼女の放つ風の砲弾を何とか受け止めるレイノルズ、しかしその威力はとても重かった。

 

「これが……あいつの本気なのか?」

「咲良、初仕事だ。我々に逆らうあの者を討て」

「……わかった」

「ちっ、何だってんだ!」

 

もはや正宗の操り人形と化している咲良がレイノルズを襲う。風の魔法が次々と彼に向かってくる。

 

「くそ!こんな事して何になるってんだ!目ぇ覚ませ!」

「うるさい!もうなにも信じられない!なにも信じられない世界なんて要らない!」

 

彼女の魔法を炎の槍で応戦するがパワーが違いすぎる、彼の能力持ってしても彼女に押し切られてしまう。

 

「徹さんがこんな事望んでると思うか⁉」

「あの人だって、打算的にわたしを引き入れだんだ!」

「……いい加減にしやがれ!」

 

彼女の風魔法を何とか押し返す、そしてお互いに再び接近してレイノルズは槍を、咲良は風を打ち合う。

 

「〈フレイジンクドライブ〉!」

「〈神風衝鎚《しんぷうしょうつい》〉」

 

二人の技がぶつかり合う、レイノルズは突破されそうになっても根性で踏ん張り続ける。

 

「ふんだらばああああああ‼」

「なんで沈まないの⁉沈めえ‼」

 

お互い一歩も引かない、レイノルズの異常とも言える執念に彼女が口を開く。

 

「なんでこんなところまで来ちゃうのよ!」

「お前の目を覚まさせてやるためだ!」

「でもこんな事……わたしは望んでない!」

「ちっ……がああああああ‼」

 

ついに押し負けたレイノルズが吹き飛ばされる、彼が再び彼女に向かおうとして顔を見ると、彼女は泣いていた。

 

「こんなの……もう嫌だよ……あんたを傷つけたくない」

「お前…………」

「だけど!もうなにも信じられない!わたしだって皆を信じたいのに!」

 

彼らを信じたいという気持ちがあるのに彼らが信じられない。この相反する二つの思いで彼女の心はもはやボロボロだった。

 

「……だったら一回ぶっ飛ばして!正気に戻してやる!」

「うわああああああああああああ‼」

 

咲良が叫びながらレイノルズに向かって行く、しかし足元の残り火を踏んだ時彼女の動きが止まった。

 

「⁉……そんな、拘束魔法?」

「……これを教えてくれたの、お前だろ?」

「あ…………」

「こいつで目ぇ覚めろよ!咲良!」

 

槍に紅蓮の炎を纏わせた一撃を放つ。

 

「〈インフェルノブレイク〉!」

 

彼の必殺の一撃を彼女は無抵抗で受けた。

 

(一回気まぐれで教えた技でやられるなんてね……)

 

吹き飛ばされながらそんな事を考えた。

 

 

飛ばされた彼女の元にやって来たレイノルズに咲良は語りかける。

 

「……もうわたし何を信じたらいいの?」

「……俺は健人の野郎とは違うからお前を救うとは言ってやれねえ」

 

だけどな、そう言って彼は話を続ける。

 

「俺はお前の……咲良の事信じ続けてやるよ」

「えっ…………?」

「誰か信じられなくても、俺が絶対咲良の事信じてるよ」

「レイ……」

「だから咲良も自分を信じろ」

「自分を……?」

 

レイノルズの言葉を咲良が反芻する。

 

「それがダメなら俺を信じろ、お前を信じる俺を信じろ」

「わたしが信じるあなた?」

「おう、そんで俺を信じるお前を信じるんだよ」

「……あなたの信じるわたしを……?」

「だからさ……こんな事もうやめろ」

 

彼の言葉は咲良の心に浸透していく、こんな事を目の前で言われた事のなかった彼女は彼の言葉が救いの言葉のように思えた。

 

「……やっと名前で呼んだよねレイ」

「いつもの調子に戻りやがったな?名前呼びは恥ずいんだよ」

 

いつも通りの会話をする彼ら、そこにいつもの彼女の姿が戻ってきていた。

 

「さ……次はあんただおっさん」

「ふぅん、忘れていなくてなによりだ」

「あんた結構空気読めんだな」

「なに大した理由ではない、だがな」

 

そう言いながら顔をあげる正宗。

 

「希望から絶望に変わる貴様らの顔が見たくてな」

「なに…………がああああああ‼」

「レイ⁉」

 

今まで変えなかった顔をニヤリと歪めると杖でレイノルズに発砲した。

 

「……仕込み刀はよくあるけど銃かよ」

「無論非殺傷設定なぞしておらんからな」

 

非殺傷設定とは魔法で誤って人を殺さない為にする処置である、しかしテロリストである彼がそんな事をしているはずもない。たとえ制服があったとしても人体へのダメージはまぬがれない。

 

「希望を与えられたあとに絶望する時に人間最も美しい顔をするとは思わんかね?」

「……おい、咲良のおじさん変態さん?」

「……知らないわよ」

「さて、始めようか……」

 

正宗がそう言うと懐からパチンコ玉よりも少し大きい鉄の玉をばら撒いた。

 

「……なんだ?」

「it's show time だ」

 

彼がそう言うと鉄の玉が細い螺子状に変化して彼らを襲う。

 

「なっ⁉」

「レイ下がって!」

 

彼女が前に躍り出ると風の壁を生み出し螺子の進行を阻害する。先の尖った螺子が刺さってしまってはひとたまりもないだろう。その間にも発砲は続く。しかし彼女はそれらすべてを防ぐ。

 

「全く……ガキ一人に数年越しの計画が狂うとはな」

「……なんだと?」

「咲良、お前にいい事を教えてやる」

「……なによ」

 

正宗が一旦攻撃を止めたので彼女も能力を解く、そしてとんでもない事を言い放つ。

 

「お前の両親は蒸発したのではない、私が殺した」

「そんな…………」

「……どういう事だよ」

 

思わぬ発言に二人が驚く、それに構わず彼は続ける。

 

「お前に絶望を教えて、その後に我々の手駒にする予定だったのだがな」

「あの時から……ずっと……?」

「変とは思わなかったのか?なぜ私がお前が捨てられた事を知っていると思うのだ」

「……てめえの勝手で二人も殺したのか?」

 

レイノルズが怒気を含めて彼に問う、だが彼はなんでもないように答える。

 

「人二人程度社会に影響が出るほどでもなかろう」

 

彼はとんでもない事を口にした。

 

「こんの、腐れ外道が!」

「……あなたはもう許しておけない!」

「君らで私を止められるか?」

「----止めてやるさ」

 

レイノルズではない、咲良でもない、この場で四人目の人間が現れそれを言う。

 

「二人が世話になったようだね……」

「徹さん⁉」

「ったく!遅いんだよ来るのが!」

 

そこに現れたのは風紀委員長、高梨 徹だった。

 

「悪い、手続きに手間取った」

「手続き?」

「ああ、非殺傷設定解除の手続きだ」

「嘘……?」

 

どうやら彼は普段かけられている非殺傷設定を解除してきたらしい。学生の間は普通許可されるものでは無いのだが。

 

「ガキが増えた程度でなにを……」

「悪いがもう貴様と話すつもりはない」

「奇遇だね、私もだ」

「だったら話が早いな……」

 

徹は自身の得意なハンドガン二丁を呼び出す。

 

「君の未来は僕が弔う!」

 

彼はハンドガンを連射して彼に攻撃する。

 

「なんの、この程度!」

 

正宗は砂の壁を作り上げそれらすべてを防ぐ。

 

「物質変化能力か!」

「いかにも、これだけで見破るとは大したものだ」

 

ハンドガンのリロードを待たずして徹はマシンガンを呼び出し、弾をばら撒く。

 

「当たらんよ!」

 

正宗は先ほどの鉄の玉を再び螺子に変化させ弾丸をすべて防ぐ。

 

「だったら、動きを止める!」

 

マシンガンを収めた徹が呼び出したのは……

 

「ロ、ロケットランチャー⁉」

「徹さん⁉」

 

後ろで二人が驚いているように徹はロケットランチャーを呼び出した。

 

「滅びよ‼」

 

そう言ってロケットランチャーを放つ。

 

「見た目が豪勢でもな……」

 

正宗はその弾頭を避けるが……

 

「逃がさないよ!」

 

その弾頭が起爆される、しかし彼は五体満足だったが……

 

「身体が……動かんだと……」

「これはスタンロケットランチャー、爆風では殺せないと思ったからね」

 

徹の撃ったロケットランチャーの弾頭はスタンさせるものだった。

 

「これで終わりだよ‼」

 

ソードオフショットガンを持って近づく、しかしそこに介入するものがいた。

 

「⁉何者だ!」

「……正宗様、ここは撤退します」

 

赤いローブのようなものを着た女がそこに立っていた。

 

「潮時か……ならば頼むぞ」

「イエス、マスター」

「逃がさないよ!」

「行かせねえ!」

 

レイノルズと徹が止めようとする。

 

「……私を捉える事は不可能」

「なに……?」

「……瞬間移動というやつか」

 

二人は一瞬の間に姿を消していた、一つの戦いは一旦幕を閉じた。

 

 

 

##########

 

 

 

彼らが去った後徹は咲良に話しかけた。

 

「咲良、もう大丈夫なのかい?」

「……すいません、二人に迷惑かけてしまって」

「あのまま打ち合ってたら負けてたよ……」

「レイ……ありがとうね、本当に」

「気にすんな、困った時はお互い様ってやつだよ」

 

彼女のお礼にそんな事を言って返すレイノルズ。そんな彼に咲良が近寄って来る。

 

「だけど……貰いっぱなしてのもね」

「ん?どうかした……⁉」

 

その言葉は最後まで続かなかった、なぜなら咲良がレイノルズの頬にキスをしたからである。

 

「ふふん、助けてくれたお礼ね」

「へ?」

 

頬を抑えて固まるレイノルズ、突然だったので全く反応できていない。

 

「こんなサービス滅多にしないんだから、また風紀委員室で会いましょう」

 

彼女もやっぱり恥ずかしかったのだろう、顔を真っ赤に染めながらしっかりと女子寮に戻って行った。

 

「…………」

「なあ、レイ」

「……何でしょう」

 

いつもとは違う雰囲気の声の徹が放心状態だったレイノルズを呼ぶ。

 

「責任はしっかりとれよ?」

「……まじっすか?」

「まじだ」

 

そこには心配するお兄さんの顔をした風紀委員長がいらっしゃいました。

 

 

 

##########

 

 

 

後日、風紀委員室へと赴いたレイノルズ。ドアのノックをしてから部屋へと入る。

 

「あれ?今日は大人数だな」

 

そこにはいつもの風紀委員7人がいた。本当はもう少しいるらしいが、そこにはもちろん彼女もいた。

 

「レーイ♪」

「どわあ!引っ付くな!」

 

いつもの調子、いや前よりも明るくなった皆川 咲良が飛びついてくる。

 

「おや、レイにもついに春が来ましたか」

 

茶化すブレイム、

 

「あれくらい積極的になるべきかな?」

 

何やら学びとろうとしている礼奈、

 

「……春ですよー……」

 

もうすぐ夏なのに春のお告げをしているカティア、

 

「徹、俺缶コーヒー買ってくるわ」

 

この先の甘い雰囲気を感じとった錬磨、

 

「一件落着、かな?」

 

とりあえずは安堵の表情を浮かべる徹、いつもと同じ賑やかな光景がそこにはあった。

 

「いい加減離れろよ!」

「ふっふーん、惚れさせた奴が悪いのよ!」

「なんだその超理論⁉」

「一生あんたの事追い回してやるわ!」

「まじでか!」

 

そんな前にはなかった馬鹿みたいなやり取りをしながらレイノルズは思った。

この賑やかさを守れてよかった、と。

 




立ったー立ったーフラグが立ったー。次の話が困るなこれは。

正「全く死ぬかと思ったよ」

地味に生きてるこの外道、反響すごいねあんた。

正「ほぼ殺す関係の言葉だが、私の能力はこちらだ」

龍造寺 正宗

年齢:48

ユニット:杖(銃仕込み)

能力:範囲内物質変化

48で白髪ですか。

正「これは染めていてね」

まさかの裏設定、どうでもいいわ!
また次回(・ω・)ノ

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