Wizars World 《ウィザーズ ワールド》 作:ダンケ侍
あと前回とは表現が少々異なります違和感を感じたら申し訳ありません。ではどうぞ
新入生代表がとんでも発言を残した入学式の後、各々事前に通達されている教室へと向かっていた。
そんな中とんでも発言を残した本人も自分の教室を目指して歩いていた。
「おれは確か1-Aだったよな……ええい、地図、地図」
そういいながら鞄から地図を取り出す、さすがに入学したてではどこになにがあるのかなど一切わかるはずもない。
「……この角右、でこの階段を登ると…一年の教室か、よしあってるな」
目的の教室に向かうことが出来ているか、確認しつつ進んで行く。
「しかし視線が多いなぁ、一躍おれは有名人ですか?」
先ほど自分が行った行為を考えれば当然なのだが、新入生、一部在校生や父兄、来賓客がいるなか堂々と宣戦布告を行った男に視線が集中している。
だが、そんなことを気にも留めず呑気に歩いている彼は将来大物になるのかもしれない。
「よし、無事ついたな………と、なんだ?」
健人が教室に入ると、初顔合わせにしては活気づいていた教室が彼が入って来た瞬間全員が話を辞めこちらに視線が集中した。この時健人は、初日から仲良さげでなにより、というくだらないことを考えていた。
健人の席は前方のドアの目の前、一切迷うこともないためすぐに自分の席に座る。すると周りは再び雑談を開始した。
「(ったく、心臓に悪いじゃねーか。何だってこんな事になってんだ?)」
なぜ自身の発言が原因と考えられないのか、甚だ疑問である。
どう時間潰そうかと考えていると、彼の前に
「よぉ、初めまして尊大なジャパニーズ君」
赤毛ツンツン頭の男が、話しかけてきた。
「初めまして、傲慢なアメリカン」
お互い、初めて会う時の挨拶ではなかった。むしろ今からケンカでもするかのような挨拶である。
「いいねぇ、肝が据わってるじゃねぇか。」
「話しかけるんだったら名乗ったらどうだ?おれは知っての通り 青柳 健人だ」
「そいつは失礼、オレの名前は レイノルズ・マッケイ ご指摘の通りアメリカからの留学生だ」
レイノルズと名乗った彼は、続ける。
「お前、決闘してくれって言われたら受けてくれるんだよな?」
「日本語上手だな、それはおれと勝負したいと言ってるのか?」
「質問を質問で返すなよ……俺はお前に決闘を申し込むぜ!」
「(いきなりか……)場所は選んでくれよ ?他に迷惑はかけたくない」
再び自分に視線が集まるのを感じながら健人は答える。
「よし、決定だな。場所は……」
レイノルズが続けようとした時、
「ちょっと道を開けてくれない?教室に入りたいんだけど。」
「ん?あっ悪いな」
健人の席の前にドアがあるため、レイノルズが邪魔になっていたようだ。教室に入ろうとした女子に指摘され、道を譲る。その女子生徒は、健人の後ろの席なのか健人の横を通るとき、彼の隣に立って言った。
「久しぶりね、問題児くん」
「あ?いったいなん………」
人を変なあだ名で呼ぶのが流行っているのか健人が顔を向けると、その瞬間彼は言葉を失った。
その女子生徒は黒髪ロング、一目見て美人と思えるような顔立ちをしていたが、彼はその顔に見惚れていたのではない。その女子生徒が----
「お前………京花⁈」
「3年振り、健人」
幼馴染の少女、井上 京花《いのうえ きょうか》だったからである。
「あれっ?」
そして、レイノルズの存在は一瞬にして忘れさられていた。
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レイノルズとの話を適当に済ませたあと、すぐに先生が入って来たので京花との話は持ち越しとなった。
そしてすべての連絡事項伝えられ、解散となった後健人は京花に話かけていた。
「よぉ、お前こっちに来れたんだな。」
「ええ、そう約束したもの。忘れたの?」
「いや、良く約束を守ったと感心していたところだ」
「そう………話すなら場所変えない?」
「会長情報だと、屋上が空いてるらしい。飲み物でも買ってからいこうぜ」
「私紅茶、よろしくね」
自然な流れでパシリにされてしまったが、特に文句を言うこと無く買いに行くことにした。
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自販機で飲み物を買った後、彼は屋上に到着した。
「ほら、ご要望の品だ」
買ったばかりの良く冷えた紙パックの紅茶を彼女に渡す。
「どうも、いつの間か晴れてきてるわね」
「本当だな、あんだけ曇ってたのによ」
未だ雲の量は多かったが、朝ほど曇ってはおらず雲間からは日差しがさしていた。
「しかし、随分と会わない内綺麗になったよな。同一人物とは思えないよ」
「あらありがとう、その割にはすぐにわかったみたいだけど?」
「声に聞き覚えがあったのと、面影は残ってるからな」
「あなたは随分と偉そうになったじゃない」
「内面ですか、手厳しいね」
彼は肩を落としつつ言った。ややあって、彼は続ける。
「あの家が良く許してくれたなぁ。なんかしたのか?」
彼女、井上京花の家はいわゆる元貴族の家系であった。なので風習やらなんやらと中学以降は、私立の有名どころへの進学を強制させられていた。なので小学校まで一緒だった彼とは違う学校に通わざるを得なかった、という経緯がある。
「中学の成績を勉学、実技ともにトップ。さらに、家の希望進学先の過去問5年分すべて満点とったらなにも言わなくなったけど?」
「顔に似合わずえげつないな………」
「そこまでやって約束を守ったんだから」
「高校は一緒にここに通う、だったな」
二人は小学校卒業時、別々の学校になってしまうためにこのような約束をしていた。これだけ見ると二人は恋仲なのかと思えるが、二人としてはただの幼馴染としか思っていない。
「あなたはもう一つの約束は守れるの?」
「首席の時点で証明にならねぇのか………」
「期待はしておくけどね」
「期待ねぇ………」
二人が話していると、扉の向こうから階段を昇る音が聞こえてくる。そして、昇ってきた人物が扉を開けると………
「放置されるのがどれだけ悲しいかわかってんのか!」
案外寂しがりやなのか、今まで存在すら忘れ去られていた男が現れた。
「悪い、お前だれだっけ?」
「レイノルズ・マッケイだ!自己紹介の時間もあったし、個人的に名乗っただろうが!」
「ああ、決闘申し込んだやつか⁈」
「そうだよ!二人でいちゃつくのもいいけど、人の名前忘れんな!」
「別にいちゃついてないんだけど」
京花が抗議するが完全にこちらが悪いので、強く言い返すことが出来ない。すると、レイノルズがこちらに人差し指を向けて言う。
「ここならいいだろ?勝負といこうや」
「わかったよ、京花は離れとけよ」
「はいはい、暴れすぎないでよ二人共」
そういいながらその場を離れる。そして健人は右手を差し出し----
「ユニット……ON!」
ここで詳しい魔法の原理を説明するとしよう。
魔法を行使するためには、大気中に漂う魔素を収集させる必要がある。一定量集めるとエネルギー ----便宜上これを魔力と呼ぶ----が発生しそれを利用して初めて魔法は行使される。
生身だけでは限界があるため、効率よく魔法を使うためにユニットを使うのだが、このユニットは持ち運べる大きさばかりではない。それをどうやって運ぶのか?
開発者はそれを解決する機能を用意していた。その機能とは、一度ユニットを魔素に分解するという機能である。専用の魔法を使うと、ユニットは一度魔素に分解される。するとその魔素は魔法を行使した本人の体表面に付着する。この魔素は、ユニットを展開しない限り離れることはないらしい。
さらに、この時魔素となったユニットは使用者の能力にあわせて最適化が行われる。
これにより、ユニットの持ち運びと最適化の問題が解決されることになる。
もちろん、ユニットは生身よりも多くの魔素を集めることができ、強大な魔法の使用も可能となるのである。
そして健人の右手に氷のような長剣が生み出された。
「それが、てめえのユニットかい?」
「ああ、そうだよ」
剣を構えて彼は言う。
「さあ、真剣勝負を始めよう………」
次回バトル回です。キャラは段々と増やしていくつもりです。一気に出すとまとめられないので。