Wizars World 《ウィザーズ ワールド》 作:ダンケ侍
ではどうぞ
夏休みが始まって一週間と少しが経過したころ、合宿が始まる当日となった。まずは学園に集合、風紀委員と生徒会で知らない人たちもいるためにまずは親睦を深める(この時ブレイムと一成の波長があっていたのは気のせいだと思いたい)
そうやって時間が経つとなんとメディア部の人間がやって来た、今回は密着取材という事で最初から最後まで着いてくるつもりらしい。数人がイワンがいる事に驚いていたが彼の疲れた顔を見て追求をやめた、本人は疲れてこそいたが内心手練れの多い合宿を見る事が出来る事を喜んでいた、ダメだこいつ。約一名が嬉しそうにしていたのは言うまでもない。
今回は全員が動きやすい服であればよい、との事で私服である。先生の付き添いがあり剛田 鉄扇が着いて来る形となる(彼はいつもこれに駆り出されるとぼやいていた)
合宿先の北本州エリアにはリニアで向かう模様、贅沢だねえ……。車内では無論会話も弾むというもので複数のグループがそれぞれの会話をする。
「イワン……とりあえずお疲れ」
「疲れるのはこれからだよ……はあ」
青柳 健人がすでに疲れ気味のイワン・ロバノフをねぎらう。
「車内でくらい休んでおきなよ〜、飴舐める?」
「ありがたく頂戴いたします……」
皆川 咲良ですら彼に気を使うほどその疲れが目に見えていた。
「咲良、おめえレイのところに行かなくていいのか?」
「合宿先で猛アタックしますとも!」
「……あいつ実際人の事言えないよな」
神条 錬磨の質問に対する咲良の答えに健人が言う、別の場所では……
「……なんか背筋に悪寒が」
「風邪じゃないですか?それより貴方と咲良さんのご関係を……」
「だから!ただの先輩後輩だよ!」
片山 翔子がレイノルズ・マッケイに対して質問攻めを行っている。彼女はメディア部に入った辺りから人見知りをしなくなったらしい、人間ってたくましい。
「翔子ちゃんも大分変わったねえ」
「……ってかあいつ自分の幸せ具合わかってんのか?」
「あんたいつもスルーだもんね?」
「……言いっこ無しでしょう先輩」
青柳 香織と福原 尚輝もそんな話をしている、大体四人で一グループだろうか。さらに場所転換。
「いやあ君とは他人の気がしませんね」
「僕もこんなに話が合うとは思いませんでした」
楽しげに談笑する八重 一成とブレイム・ゴードン、波長が合っていたのは気のせいでは無いらしい。
「……あの二人似てる……」
「なんか雰囲気からして似てますよね〜、組ませたらいけないやつだわ」
カティア・クルシュマンと神条 礼奈が口々に言う、礼奈の意見はおそらく正しいものだろう。場所を変え……先生は一人で睡眠をとっていらっしゃった、職務お疲れさまです。
「田所っていつもこんな事をしてるの?」
「いつもは隠れてやってます」
「え、なにそれ。たち悪い」
ミリアム・ブランが田所 正明の返す答えに軽く恐怖している。
「田所……少しは自重しろよ?」
「京花さんの写真も残っていますが?」
「ちょ、いつ撮ったんですか⁉」
高梨 徹の言葉もなんのその、彼はいけしゃあしゃあと井上 京花をおちょくる。最近京花なぜかいじられる事が多いと感じていた。
そんな軽いカオスを乗せた列車は目的地へと向かう。
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無事に目的地に到着、そして予約済みの旅館に向かうという事でそこへ向かうのだが……。
「……なんで樹海を通って行くんすか?」
その旅館は山の上の方にあるとは聞いていたがなぜか彼らは樹海を通っていた。
「普通に行っても意味ないじゃないですか」
健人の質問に一成のそんな回答が返される。
「一昨年もこんな感じだったな」
「去年は離れ小島から泳いで海岸まで行けって言われたね」
「こんなもん大したもんじゃないぜ」
他の三年勢もさほど驚く事がないように言う、どうなってんだこの学園。そこで京花が恐る恐る質問する。
「……樹海を歩く意味は?」
「どうなんですか?先生」
一成は自分の質問を鉄扇に投げた。
「以前の生徒会長はノリで、と言っていたな」
「生徒会長そんな人しかいないのか⁉」
その答えがとんでもないものだったので思わず突っ込む尚輝。
「先生ー、何だか人数が減ってまーす」
「会長ー、まるで生物兵器みたいな木が動いてまーす」
「委員長ー、さっきから不自然に肩が重いです」
「部長、このぼんやりとした人影みたいなの撮ります?」
「このまるで幽霊みたいなものを撮りたいですがイワンくんはどこでしょう?」
「……なんだこのカオス……」
問題だらけの状況に頭を抱える健人。足りない人間を捜索し、生物兵器みたいな木を撃退し、肩が重いと言ったブレイムを翔子が除霊(見よう見まねでやったら出来た)し、ぼんやりとした人影を写真に収めつつ旅館へと向かう一行であった。
「……何も写ってないですね」
「えっ?ここに手がたくさん出て来てない?」
「いや、おっさん顏の女が立ってる」
そんなやり取りがあったとかなかったとか。……おっさん顏の女ってなんだ?
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様々な犠牲を生んだが探検隊は無事に目的地へと辿りついた。
「いや、犠牲はないし探検隊でもない」
なんとか犠牲なしで旅館へと辿りついた一行、ちなみに一般向けのための道路が通っているので本来樹海を通ってくる物好きは少ない。
「なんで本当樹海歩いたんすか……」
「健人落ち着いて、こんな理不尽今に始まった事じゃないでしょ……」
随分な言葉であるが間違ってないのでこの学園は怖い、全員樹海を通った影響か少々汚れが目立っていた。
「まあ旅館に行ったら温泉に入れるでしょうから、それまでの我慢という事で」
その言葉に同意した一同はそれぞれの荷物を持って旅館へと向かう。
今の時代には珍しく手動の引き戸であるところに趣を感じる。すると女将、であろう人物が出迎えてくれる。
「あらあら、団体の予約されてた方々ですか?」
「はい、星皇学園一同です」
鉄扇がこれに対応する、今回初めての仕事である。
「……はい、確認致しました。それにしても皆さん随分と汚れていらっしゃいますね」
「樹海を通って来たものですからね〜」
「あんたの所為だろうが」
一成が白々しく言う、健人のツッコミはきっと一年全員の総意に違いない。
「温泉の用意はいつでも出来てますから入られてはいかがでしょう、着替えの浴衣は部屋にご用意しておりますので」
「これはどうも、ご丁寧にありがとうございます」
それを聞いた一成は全員の方を振り向き、問う。
「荷物を置いたら汚れを洗い流すとしますか?」
全員に異論があるはずもなかった。
青少年たちよ、次の話を待つとよい。
また次回(・ω・)ノ