Wizars World 《ウィザーズ ワールド》   作:ダンケ侍

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次回から本格的な演習、今回までは移動日。
ではどうぞ


36.温泉という響きだけで癒される〈合同演習開始)

それぞれの部屋に荷物を置いて来た面々はまずは温泉、というわけでやって来た。ちなみに部屋は女子が大部屋に7人全員、男子が5人ずつ別れて2.3年と1年+鉄扇という分かれ方をした。

それはともかく全員で入浴を始める、もちろんタオルを巻いて入浴は禁止なので……青少年諸君、イメージしろ。

 

 

 

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こちらは男湯、女湯とは完全防音なので音が漏れたりする心配はない。ついでにNO・ZO・KIも不可能な設計となっている、旅館はいい仕事をしています。

 

「いや〜あ、いいもんだねえ温泉というやつは」

「先生、それだとおっさんみたいですよ」

「この気持ち良さが感じられるならおっさんで構わんさ」

 

青柳 健人の言葉もなんのその剛田 鉄扇は温泉を楽しんでいた、今回この人完全にオフのつもりなのだろうか。

 

「ブレイムはしっかりご飯食べてるか?体が随分細いじゃないか」

「3食しっかり食べてるんですが……徹さんは鍛えられてますね」

「魔法以外にも体も鍛えとかないとね」

 

ブレイム・ゴードンは見た目通りのもやしくんらしく体が細いみたいだ、対して徹の体は普段からは想像もつかない程に鍛えられている、着痩せするタイプなのだろう。

 

「男子の入浴風景も欲しがりますかね、一部の方々が」

「撮らんぞ」

「ではイワンくん、彼らの隙を狙って……」

「撮らんぞ」

 

田所 正明が変な事を企んでいるがそれをイワン・ロバノフが未然に防ぐ、実際カメラ持ってるのは彼なので。

 

「極楽極楽〜」

「あれ?ここどこだっけ?」

「あ〜?極楽じゃね?」

「いや戻って来てください三人とも」

 

レイノルズ・マッケイ、福原 尚輝、神条 錬磨がそんなに気持ち良かったのだろうか極楽に昇天しかけていたので一成が呼び止めた、全員無事に戻って来れた。

 

「にしても徹さん髪長いですね〜」

「そうかな?香織から伸ばした方がいい似合うって言われたから……」

 

確かに徹は男子にしては髪が長い、中性的な顔も手伝って女性に見えない事もない。こうやって見るとご立派なお身体をしているのだが。

 

「一部女子が喜ぶとも言ってたな」

「絶対そっちが本音じゃん」

「徹さん髪切りましょう」

「もう慣れちゃったからな……」

 

一部女子とはどんな方々だろうか、思い当たる節があるのか尚輝とブレイムが提案する。

 

「イワンくん邪魔をしないで、私の写真を待っている人がいるんだ!」

「いつの間にそんなものを持ち込んでたのか……」

 

耐水性カメラ(曇らないレンズ採用)で写真を撮ろうとしている正明をイワンが全力で止めている、時と場所は考えるべき。

 

「……あいつら本来居ないんだよな」

「誰よりも自由してる気がするぜ」

「まあ楽しめればいいでしょう」

 

彼らもなんやかんやでこのひとときを楽しんでいた。

 

 

 

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ところ変わって女湯、特に男湯との違いはない。時間が早いというのがあるのか他の客は居ないようだ。

 

「……まるで貸切ね……」

「そうですね〜広々としてて」

 

人が居ないとやはり広いものだとカティア・クルシュマンと井上 京花は実感する。しかしそんな京花に忍び寄る者が一人いた。

 

「京〜ちゃん、うりゃ!」

「ひゃうん⁉ちょ、香織さん⁉」

 

青柳 香織が背後から京花の胸を鷲掴みにする。

 

「おお〜これは大き過ぎず小さ過ぎずちょうどよいサイズですな」

「ちょ、香織さんやめて……離れてください!あとなんの品評ですか⁉」

「……香織さん、これ以上はR-18……」

「おっとそりゃまずい」

 

カティアの指摘を受けた香織が京花から離れる、京花はその場にへたり込んでどこか疲れたような様子だ。

 

「もう、なんなんですか香織さん⁉」

「京ちゃんの成長チェック?」

「なんで疑問系⁉」

「いやー立派に成長してたね〜」

「そりゃあ高校生ですからね!」

 

言い返す京花だがこの発言が思わぬ怒りを買った。

 

「……奥さん、高校生だとあれが普通らしいですわよ」

「本当ね〜私達みたいな人の気持ちなんてわからないんだわ」

「……なんで井戸端会議風?……」

 

神条 礼奈と皆川 咲良の所謂ない人達が噂話のような言い方で京花を非難する、人はそれを逆恨みと言うのだろう。

 

「あ……ごめん勢いで言ったから」

「謝られるとそれはそれで腹立つ!自分に!」

「……どうすればいいのよ」

 

僻んでいる人間程扱いにくいものはない、持つものにはわからない感情だろう。

 

「二人とも落ち着いて……」

「うるさい!あんたもミディアム(普通サイズ)じゃない!」

「名前と被せた呼び方するな!」

 

ミリアム・ブランが落ち着かせようと試みたが咲良には通用しないようだった。

 

「というか!その恨みは私達じゃなくて、あの二人に言いなさいよ!」

「……ん?……」

「はひょ?私ですか?」

 

そこにはゆっくり浸かっていたカティアと写真を撮っていた翔子の必要以上に持つ者二人がいた。

 

「本当だ〜私よりあるね〜」

「とりあえず翔子はそのカメラを渡しなさい」

「拒否します!」

 

無断で写真を撮っていた翔子を捕らえるために京花は一計を案じる。

 

「……彼女捕まえたら好きにしていいから手伝って」

『オッケー我が命に替えても』

「……そこまでなの?」

「京花ちゃんなにするつもりですか⁉」

 

そこから先の展開は早かった、無い者同盟の協力を得た京花は早々とカメラを奪取し温泉内のメモリーを全て消す、翔子は質問攻めにあったり剥かれたりされていた、詳しい描写は割愛する。

 

「……私もあんな目に……?」

「多分彼女で満足するんじゃない?」

「京ちゃんはスタイルいいわね〜」

「香織さんも相当なものと思いますけど」

「ちょ!誰か助けてくださいよ!」

『触らぬ神に祟り無し』

 

全員が即答だったという。

 

「温泉なのに冷たい⁉」

「上手くないわよ翔子」

「逃がさないわよ、翔子!」

「逃れられると思ってか〜」

「もう勘弁してください〜」

 

女湯も賑やかに騒いでいた、唯一の救いはこの間に誰も入って来なかったという事だろうか。

 

 

 

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移動日が終了した(樹海を歩いて疲れたのかすぐに就寝していた)次の日、全員は朝の支度を終えてなぜか再び樹海に集められていた。

 

「みなさん、これを一つずつ持ってください」

 

一成から全員に小さなチップを渡される。

 

「なんですか?これ」

「今から説明します」

「会長〜なんで我々も?」

 

よく見るとメディア部の面々にもそれは渡っていた。

 

「あなた方加えるとちょうど偶数になりましてね、数が合うんです」

「……最初から狙ってましたね?会長」

「はて?なんの事ですかね?」

 

正明の質問にとぼける一成、最初から予測していたのだろうか。

 

「あなた方がイワンを連れてくるからです、それでは説明しますね」

 

一呼吸おいて彼は続ける。

 

「あなた方に殺しあってもらいま……」

「一成、真面目にやれ」

「ちょっとした冗談じゃないですか……あなた方にはこの樹海の中で戦闘してもらいます」

 

さらに一成はこう続けた、それぞれ息の合う者とペアを組むことこの時ハンデとして3年は一人で戦わなければいけない、樹海の中で出会った瞬間に試合をする、負けた者は樹海から出て来て観戦にまわる事。

 

「さっきのチップはなんですか?」

「GPSです、無線の中継カメラがその反応を感知して試合の模様を先生が確認します」

「だからここに居ないのか」

「メディア部には写真を提供しますので、手伝ってくださいね」

「ま、仕方ないね。インタビューとかは後でも出来るし」

 

メディア部の部長も観念したところでペアが決められる。

まずは3年が全員フリー、尚輝とミリアムの純2年ペア、純2年ペアはこの一組だけである。そして1.2年混合ペアがレイノルズと咲良、ブレイムとカティア、翔子と正明の三組。純1年ペアが健人と京花、礼奈とイワンの二組である。

 

「ではそれぞれカメラのガイドに従ってください」

「これ今は先生が操作してるのか……」

『そうだぞー』

「しゃべった⁉」

『帰りのガイドも任せとけー』

 

合同演習一日目が始まろうとしていた。




次回から本格的な戦闘です、今回の悪ふざけは頑張った。イメージ力は大事だね。
また次回(・ω・)ノ
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