Wizars World 《ウィザーズ ワールド》   作:ダンケ侍

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初めて4000字を超えました。やれば、出来るものですね。
ではどうぞ


6.魔法士としての差〈生徒会〉

風紀委員に襲われたレイノルズを回収して、彼らは校内へと向かう。その間にレイノルズとブレイムは自己紹介を済ませて、四人は校内散策をしていた。すると、健人が口を開く。

 

「レイノルズってさ……長くね?」

「なんだ?藪から棒に、俺の名前に文句あんのか?」

「もっといい呼び名ないかと思ってな」

「そのほうが親睦も深まりそうね。いいんじゃない?」

 

健人の提案に京花も賛同する。

 

「変なのは勘弁な……」

 

レイノルズも強く抵抗する事無く話題はレイノルズのあだ名決めとなった。

 

「マックン!」

「却下だな」

「じゃあド○ルド」

「マ○クでもない!」

「……普通にレイとかで良くないか?」

 

健人と京花が連続でボケ、突っ込まれた後ブレイムが提案した。

 

「それいいな、採用」

「健人が決めることじゃないでしょ……」

「全くだ!でもそれでいいぜ」

 

レイノルズの呼び名が決まった後もう少しで時間になりそうだったので、三人は違うクラスのブレイムと別れた。

 

 

 

##########

 

 

 

1-B教室、三人と別れたブレイムは自分の教室へと戻って来ていた。席に座ると彼の携帯電話に連絡が来る。

 

「はい……ああ、貴女ですか。ええ、青柳 健人の動きはできる限りチェックしていますよ。はい、……あの行事ですね?分かりました」

『…………そういう事だから、あまり無理はしないでね?』

「あの老骨共も自分で動けばよろしいのではないですかねぇ?」

『…………気持ちは分かるけど……早まったことしないでよね?』

「はい、わかってます。では次の連絡で……」

 

そう言って電話を切る。

 

「全く……ままならないですね……」

 

彼のつぶやきはチャイムの音にかき消された……。

 

 

 

##########

 

 

 

入学した次の日ということもあって、大した授業をする事無く終了した。帰りのホームルームが終わり、固定メンバーと成りつつある三人はどうするか話していた。

 

「時間空いてるけどどうするよ?」

「この人がまた試合を申し込まれるんじゃない?」

「そんなに血気盛んなのかねぇ〜」

 

そんな事を話していると……

 

ピ〜ンポ〜ンたっ〜きゅ〜う〜

 

「いやピンポンは卓球だけども」

 

妙なチャイムが鳴り響く、この学園はどこかおかしい。

 

『1-Aの青柳 健人君、井上 京花さん。生徒会室まで来てください。繰り返します……』

 

健人と京花の二人が生徒会室へと呼び出しされる。ちなみに放送の主は入学式以来となる生徒会長であった。

 

「あの会長か……」

 

健人は頭を抱える。

 

「お前らなんかしたのか?」

「何かしたのは、貴方と健人でしょう?で、会長さんがどうかした?」

 

二人はあの生徒会長の真面目な部分(つまり挨拶の部分)しか知らないため呼び出しという事に関心が向いているようだ。しかし、健人にはいやな予感しかなかった。

 

 

 

##########

 

 

 

「失礼します」

 

呼び出しを受けてすぐに生徒会室に向かっていた。

 

「わざわざ来てもらってすいませんね。生徒会長の八重 一成です」

 

一成が二人に向けて挨拶をする。生徒会室には彼以外誰もいなかった。その事を不思議に思った京花が質問する。

 

「……会長さんだけなんですか?」

「ええ、人が少ないんですよね」

「今度は建前すら言ってねえ……」

 

この会長がどんな人物が多少知っている健人は呆れていた。

 

「で、呼び出しの内容はなんです?」

「はい、入試の成績がとても優秀なお二人をお誘いしようと思いまして」

 

一成が少々間を置いて続ける。

 

「生徒会では、実技・学力共に優秀な男女2名を毎年勧誘しております。今年はあなた方に入ってもらいたいのですが……いかがです?」

 

一成が言った通り、この学園の生徒会は2名の成績優良者が勧誘される。逆に言うと2名しか勧誘しないため慢性的な人材不足に陥っている。もっと勧誘すればいいのではないだろうか……。

 

「面倒な仕事ばっかなんじゃありません?」

「行事以外では基本的に仕事はないですよ」

「だったら、なぜ成績優良者を勧誘するんです?」

 

京花の質問に一成は答える。

 

「偉い人が模範生にさせるべきとか言ったんでしょう。私は知りません」

 

否、答えになっていなかった。

 

「ええと、そうなんですか……」

「京花、ここは怒っていいぞ」

「それで、入っていただけますか?」

 

もう一度、一成が聞いてくる。正直二人共放課後には何もないので構わないのだが、この生徒会長は何を考えているかわからないので悩んでいた。しかし、結局

 

「分かりましたよ……」

「まあ……受けさせてもらいますね」

 

しぶしぶといった感じだが受けることにした。

 

「ありがとうございます。まあ、少しは書類作業もありますが」

「それくらい予想の範疇です」

 

元からこんな人だと知っていた健人も、少々の会話で生徒会長がどんな人か理解した京花もそれくらいは予想出来た。

 

「そうですか、では一つお願いが……」

 

席を立ちながら彼は言う。二人は早速面倒ごとかと考えるが……

 

「お二人の実力を確認させてください」

『はい?』

 

早くも予想外の事を言われた。

 

 

 

##########

 

 

 

星皇学園には体育館ではなく、魔法戦にも耐えきれるように専用の大きいアリーナ、と呼ばれる建物がある。日頃の魔法の練習はここで行われる。

そこに三人は集まっていた。

 

「他に人が居ないですね?」

「少々の時間貸し切りました、生徒会名義で」

「権力はすごいんですね……」

 

無駄な権限に呆れる健人。そこで、京花が気になったことを質問する。

 

「会長さんが相手なんですか?」

「いえ、今回の相手は…………」

「……これが君の言っていた用事とやらかい?」

 

向こうから一人の青年が歩いて来る。その顔は朝に一度見ていた。

 

「風紀委員長……!」

「君たちは……今朝にも会ったね」

 

風紀委員長高梨 徹その人だった。

 

「高梨委員長が相手なんですか?」

「そのようだね。それから、今度からは委員長じゃなくて名前で頼む。かたいのは苦手でね」

 

そう言った後徹は一成の方に向き直る。

 

「それで?彼らの相手を僕がしろと?」

「ええ、その通りです」

「……君の頼みだから聞くが、こういう事は自分でやれ」

「手厳しいですねぇ……」

 

一成は肩をすくめながらそう言い、二人の方を向いて話を続ける。

 

「そういうわけなので、彼と戦ってください。それであなた方の実力を判断します」

 

そう言って、彼は三人の元から離れる。そして健人が疑問を口にする。

 

「2対1ですか?それだと……」

「ん?ああそうか、それだけだとハンデにならないね。もう少しなにか制限するかい?」

 

徹が不利、そう言おうとして先に言われた提案に二人は愕然とした。2対1であっても相手にならないと言われたも同然だからである。

 

「……このままでは相手なりませんか?」

 

ショックを受けながらも京花はそう言う。

 

「一年でどれだけ強かろうが、場数が違う。馬鹿にしてる訳じゃない、これが差なんだよ」

 

だけども、と徹は続ける。

 

「天狗になっているようなら、ここでその鼻っ柱を叩き折るよ」

 

その言葉には迫力があった。たとえ二人であっても勝てる見込みがない、そう思わせるような威圧感があった。

 

「で?ハンデはどうする?」

「……これだけで十分さ……」

 

健人がユニットを展開しながらそう言って、さらに続ける。

 

「徹さんの強さと己の未熟さ」

「あなたとの試合でそれを学ばせて貰います!」

 

健人の言葉に京花がブレスレット型のユニットを展開させながら続ける。二人の目は勝負に勝ちにいくもののそれだった。

 

「……あいつの人を見る目が羨ましいな……」

 

徹がそう呟くとユニットを展開、両手剣が地面に刺さった状態で出現する。それを引き抜き、振り上げ、構えながら言う。

 

「君たちの強さを証明してみせろ!来い!」

 

それが勝負が始まる合図となった。

 

「私がサポートしてあげるから、あなたは前衛ね。任せたわよ!」

「あっちは銃も使ってくるはずだ、気をつけろ!」

「了解!」

 

簡単に打ち合わせをしたあと、健人が突撃する。こちらのアドバンテージは、数しかない。それを活かして健人は前衛、京花は後衛に専念するようだ。

 

ガキィィィィ!

 

刃と刃がぶつかり合う音がする。健人の一撃を徹は軽々と受け止める。

 

「成る程、いい一撃だね……それじゃあ、ちょっと本気だすよ!」

 

健人の攻撃を弾き返し彼が硬直している間に距離をとる。そこで両手剣を魔素に戻し両手にハンドガンを生み出す。

 

「マジでユニット複数持ちかよ……」

「今度はこっちからだ!」

 

ユニットである銃の弾は、魔力で生成しているため弾切れの心配はない。しかし、一定時間に一定量しか生成されないので一時的な弾切れはある。

 

「手数で押す!」

 

徹はハンドガンの引き金を引く、だがそれは水で出来た壁に阻まれ健人に当たることはない。

 

「あっちの仕業か!」

「こちらのアドバンテージは最大限利用させてもらいます!」

 

京花の能力は水を操ること。しかも、彼女の水を利用した防御魔法はとても堅牢で容易く崩す事は出来ない。

 

「いきますよ……《アイス・エッジ》!」

 

健人が氷の刃を伴って徹に斬りかかる。それを徹は撃ち落とし、健人を牽制するが……速く撃ち過ぎたためリロードが間に合わない。

 

「京花ぁ!」

「了解!いって、《アクア・ライン》!」

 

強力な水の流れが徹を後ろから襲う。彼は上に避けて両者をぶつけようとする。だが幼馴染のコンビネーションはその程度ではなく……

 

「曲がれ!」

 

京花は水流を曲げて徹を追撃する。

 

「これなら!」

「やるね……僕じゃなければ正解だ、でも僕には通じないよ!」

 

そう言うと、徹は空を蹴ってそのまま攻撃を避ける。

 

「なっ…………⁈」

「嘘…………⁈」

「これが僕の魔法、空中移動《エアーステップ》さ」

 

徹の能力は、文字通り空中を移動するもの。正しく言うと空中に足場を作る能力だ。しかし、足場を作るのは回数制限があるため空中に居続けることはほぼ不可能であるらしい。

 

「少しの油断が命取りだよ!」

 

徹はハンドガンを戻し、アサルトライフルを出す。そして京花に向け、三点バーストが彼女を襲う。

 

「くっ…………」

 

水の壁で何とか持ちこたえるが、三点バースト射撃を複数回繰り返されその顔を歪める。

 

「そして君が来ているのも織り込み済みだ」

「⁈」

 

アサルトライフルを瞬時に軽量型シールドに持ち替える。健人が氷掌烈破を放つがシールドに阻まれる。

 

「どんだけユニット持ってんすか……」

「あらゆる状況に対応出来るくらいさ」

 

そう言いながら、シールドをソードオフショットガンに持ち替える。そして、

 

「チェックだ」

 

その言葉と共に零距離からショットガンの四連射を受けた健人はその場に倒れた。

 

「さて、続けるかい?」

「もう、降参です……」

 

ユニットを解除し、両手を挙げて京花は言った。

一年生の中でも実力者の二人は、学年の壁を思い知った。

 




風紀委員長は強すぎますね(笑)

京「あれほとんど反則じゃない……」

今回初バトルの彼女のユニット・能力紹介です。

京「サポート型の能力も初じゃない?」

…………好戦的なやつが多いから、ではこちらが設定になります。

井上 京花

ユニット:ブレスレット

能力:水を操る能力、防御魔法強化

それでは、また次回(・ω・)ノ
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