R-type 次元を越えて   作:unrealnext

2 / 3
第一話 

 「兄さん、もう行くの?」

 「ああ、もう行くよ」

 軍服を着た青年に一人の少年が話しかける。

 「ちゃんと帰ってくるよね?」

 「大丈夫だよヨハン、今まで俺が嘘をついたことは無かっただろ」

 (これは……夢だ)

 「兄さん、もう行くのですね」

 さらに廊下の奥から髪にピンク色リボンを付けた少女が出てくる。

 「サラまで、大丈夫だよ。父さんや母さんのようにはならない、必ず帰ってくるから」

 (だって俺の家族はもう……)

 「待ってるからね、だからレオン兄さん、必ず帰ってきて」

 無駄だと分かりつつも、その扉を開けて出ていくな、と夢の中の自分に叫んだ。

 しかし自分の声が届くはずもなく扉は開けられる。そして意識が白色に染め上げられた。

 

 

 意識が覚めればそこはR-9aのコックピットではなく病室のような場所のベッドに寝かせられていた。服もパイロットスーツから病院の患者が着ているようなものに変えられている。

 「クロックムッシュに拾われたのか?」

 帰ってこれた、一先ずそのことによる安心感が心を満たしていく。

 「生き残ったんだな、俺……」

 「何か、夢を見ていた気がするが」

 どんなものだったかを思い出そうとしているところでその思考は中断された。扉が開いて人が出てきたからだ。

 入ってきたのは女性二人だった。金髪の女性はこちらを見るなり驚いた顔をして隣の栗色の髪の女性に話しかける。すると話しかけられた女性も驚いた顔してこちらを見て、二人で何やら話し始めて、すぐに金髪の女性は部屋から出ていき、栗色の髪の女性はこちらに近づいてきた。

 彼女達が着ている制服に見覚えはないが自分も国連軍のすべての制服を見たわけではない。だからそのうちの一つなのだろう。と適当に判断した。

 「あぁ~、もう起きてたんだね。わたしはなのは、高町なのは一等空尉、その、貴方の名前を教えてくれないかな?」

 (一等空尉…?国連宇宙軍においてそのような階級はないし、空軍においてもなかった筈だ。ここが国連の艦ないし基地でなければ自分はどこに救助された?)

 「あれ?わたし何か不味いこと言ったけ?」

 おそらく自分の不信感が顔に出ていたのだろう。不安な顔になっているなのはという名の女性を見ながら考える。

 (ここが国連所属でないと仮定したら、ここは一体どこの組織だ?)

 しかし、状況を判断するには情報が少なすぎた。ただ、おそらく今すぐには自分の生命に危険はないだろう。もし自分をどうにかするつもりならコックピットで意識を失っている間にどうとでも出来た筈だ。一応所属ぐらいは言っても問題ないだろう。

 「自分は国連宇宙軍、アロー大隊所属のレオナルド・パーカー少尉だ」

 「えっ?こく……れん?、ごめんなさい!パーカーさん、私少し用事ができました」

 そう言うなり高町は部屋をすぐに出ていった。そして入れ替わるように白衣を着た医師らしき人物が入ってくる。

 (何か不味いことを言ってしまったのだろうか?それに何故、国連という言葉に反応したんだ?)

 情報が足りなすぎる。そう思って医師にいくらか質問を投げかけてみたが、まだ絶対安静だ、の一点張りで何も得ることができなかった。ただ、ここは国連の所属ではないのだろう。彼女のあの反応は謎だったがそれだけは物語っていた。

 結局その日はあれ以降人は訪れなかった。

 

 

 

 「はやてちゃん!大変だよ!!」

 「なんや、どないしたん、なのは、折角の紅茶が台無しやで」

 突然部屋に飛び込んできた親友に驚きながらも溢した紅茶を拭こうとする。しかしそれはなのはの次の言葉で止めざるを得なくなった。

 「あの兵器に乗ってた人、自分を国連所属って言ったの!でも地球に次元航行する技術なんてまだない筈だよね?」

 「何やて!」

 有り得ない、そんなことは有り得ない筈だ。今なのはが言った通り地球人に次元航行の技術はまだ確認されていない。次元航行どころかやっと月面に基地を作れるかどうかのレベルになったばかりで一番近い天体の火星に有人で行くことすらままならないというのに。

 「なのは、ほんまに国連所属ってゆうたんか?」

 「うん、それも国連宇宙軍所属の少尉だって言ってた」

 思わず頭を抱えたくなるが、それは抑える。未来?別世界?考えればいくらでも出てくるが重要ではあるが問題なのはそこではない。まだ地球人かどうかが決まった訳ではないが。もし、万が一彼が地球人だった場合、ただでさえ地球を質量兵器を使う野蛮人だと思っているお偉いさん方はどう出るか、信頼の置ける技術士たちにあの機体の調査させた結果、そのほとんどは分らなかったが、分かったデータだけでもその脅威を示すのは十分だった。地球人が次元航行技術を持ちそのような兵器を将来持つ恐れがあるということだけで連中は地球上をアルカンシェルで吹き飛ばしかねない。それだけは何としても阻止する必要があった。

 急いで今日のスケジュールを確認する。本当なら今すぐにでも行って確かめたいところだがそうするわけにもいかない。空いてるのは

 「明日だけ……か、なのははフェイトをつれて明日の10時に彼の病室へ行って、後で私も行くから」

 「うん、わかった」

 そう言ってなのはは部屋を出ていく。

 「六課を開設してから久々の休日やと思ったんやけどなぁ」

 ただでさえ忙しいというのにこれからは更に忙しくなる。胃薬をポッケットに入れながら心配する。これからの会議で自分の不安が顔に出るのではないかと。

 一度背伸びをしてから残っていた紅茶を飲み干す。少し生ぬるくなった紅茶で気分を一新して彼女も自らの部屋を後にした。

 




一応簡単な設定をここにあげときますね
ここでの国連軍の階級は現実のアメリカ軍をもとにしています。
リリカルは六課成立ごのドタバタしているときに次元の狭間からR戦闘機がスライディングしてきたという設定です。
次あたりで魔改造したガジェットを出したいぜ!


サブタイ考えるの面倒くさい、ということで今回からサブタイはなしで行きます
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。