止めないと、止めないと、止めないと……
少女はそれだけを考えて走っていた。
爆発に揺れる商店街の中心地、そこで彼らは戦っている。
「やめるコル、行っても無駄だコル!」
「無駄でもやらなきゃいけないの!あれが私の心なら、父さんの願った誰かの幸せを奪うのなら!」
「その父さんのことは知らないコル。でも、その誰かにはミライも入ってるじゃないコルか?」
それは考えた。
でも、足を止めることは出来なかった。
そこで止まらずに進み続けるのが自分の悪い所だと知っている。
それでも、自分の心に決着をつけれると信じて。
「ミライ、その覚悟は本物でコルか?」
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伝説の戦士は3人いる。
浄化の乙女、守護の戦士、踏破の勇士
モリヒトはネルルと契約することでガルディオの力を手に入れた。
妖精の国を守るために、守護の戦士の道を選んだのだ。
誰もがなれるわけではない、誰がなれるかも分からない、伝説の戦士とはそういうものらしい。
「私が、浄化の乙女に?」
「ミライの顔にぶつかった時に気がついたコル、ミライの力について」
「その力があれば私も戦えるの?」
「……その覚悟は本当に本物コル?」
こんな事態なのだ、正義感が先走った考えかもしれない。
コルルはそんな選択のつらさを知っている。
ディオバレル、モリヒトもそんな人間だからだ。
戦える人間が自分しかいなかったから、だから守護の戦士となった。
モリヒトは表向きに愚痴を言い、悪態をつきながらも妖精の国を守るために戦ってきた。
しかし、その言葉が強がりであることは妖精の誰もが知っていた。
「だから、その覚悟は本当に本物コル?」
「……本物だよ、絶対の、絶対に」
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「だから、待ちなさあああああい!!」
「……は?」
ディオバレルの気の抜けた声が聞こえる。
そうだ、自分たちがこんな所で高らかに叫べば不思議に思うだろう。
そして、自分の心を映したファンシーマの動きも止まっている。
「私の心は……私が止めてみせる!」
「ミライ、これの画面にカードをあてるコル」
コルルの手にはスマートフォンと一枚のカードがあった。
そう、ディオバレルに変身するときと同じような。
「コルル、お前……よせ、やめろ!」
「やめないコル、ミライは本気だコル!」
ミライは強い瞳でファンシーマを見つめる。
あの子は自分の過剰な良い心で歪んでしまったのだ。
なら、その歪みを戻すのも自分の役目だ。
「ミライ、変身だコル!」
「うん、行くよ……プリキュア・ネクストコネクト!!」
スマートフォンの画面にカードを押し当てる。
すると読み込みは完了しコルルとスマホは装飾のついたコンパクトへと変化する。
コンパクトから溢れる光はミライを包み、リボンの多いドレスに変わる。
『Card preparation・For transformation limit 20』
さぁ、準備は終わった。
戦いのはじまりだ。
高らかに宣言せよ、乙女の名は……
「聖なる未来、キュア・ネクスト!!」
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「あのガキが、プリキュア?」
ディオバレルは荒い息で彼女を見つめる。
もう、変身と無人世界を維持するので精一杯だ。
確かに浄化の乙女の力なら、あのファンシーマを倒せるかもしれない。
だが、やれるのか?
今、この瞬間に変身したばかりの子供が……
「ぐぎゅああああああああああっ!!」
「よーし、来なさ……って速っ!?」
あの巨体からは想像出来ないスピードで迫るファンシーマ。
キュアネクストは咄嗟に一枚のカードを取り出す。
「ネクストコネクト・ハイテンション!」
次の瞬間、ファンシーマ以上のスピードでキュアネクストが動き出す。
そして連続バク転でファンシーマの突撃を回避してしまった。
「わははははは、NSAS式連続バク転!!」
「凄い……」
「わははははは、ハぶしっ!!」
「凄い……バカだ」
バク転しすぎて壁にぶつかった。
ハイテンションは肉体を上向きに強化する代わりに、精神的にも上向きに強化してしまうカードなのだ。
「ぐぎゅああああああああああっ!!」
「はっ、ほっ、なんのっ!?」
しかし失敗したのは一度だけだ。
その後は的確に攻撃を避け、隙を見ては一発ずつ攻撃をいれている。
しかし、その程度でファンシーマは倒れない。
そんな攻撃で倒せるのならディオバレルの攻撃で既に倒せているはずだ。
「くっ、全然倒せないよ!どうすればいいの!?」
「フィニッシュのカードだ、それしかない!!」
ディオバレルの助言が飛ぶ。
しかし、フィニッシュのカードがどれか分からない。
もたついている間にファンシーマの攻撃が命中した。
「へぶっ!?」
「あのガキ……考えるだけでいい、必殺技のカードが出てくるように願え!!」
「必殺……必殺技、必殺技、必殺技!!」
ケースの中に並んだカードから一枚だけが顔を見せる。
ふちが金色のカードは確かに特別そうに見える。
「後10分しか変身できないコルよ!?」
「ぅえっ!?あわ、ど、どうすればいいの!?」
「必殺技に決まりはない、感じたとおりにやれ!」
時間もない、敵から受けた攻撃も痛い、どうすればいいのかも分からない。
キュアネクストは先輩の助言を信じ、カードを読み込ませる。
「ネクストコネクト・フィニッシュ!」
読み込ませた瞬間、衣装のリボンが大きくなる。
もはやリボンではなく8枚の翼だ。
ハイテンションのカードとは違う気分の高揚。
キュアネクストはリボンの羽ばたきで大空を翔る。
「プリキュア・ネクストダイバー!!」
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キュアネクストの必殺技、それはリボンを盾にした体当たりだった。
しかし、その単純にして強烈な一撃はファンシーマの体を貫いた。
「ネクスト・エンド!!」
「ぐぎゅああああああああああっ!!」
上にあげた手を斜めに下ろすキュアネクスト。
大爆発の末に、凶暴化したファンシーマは元のファンシーマに戻っていた。
「くきゅぅ?」
「よかった、元に戻ったんだ!!」
「まだだ、リターンのカードを使え」
リターン、それは妖精の国にあったものを妖精の国へ送還するカード。
このまま人間の国にいればファンシーマは再び凶暴化するだろう。
「くきゅぅー?」
「さ、おうちに帰ろ?ネクストコネクト・リターン!」
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「あの……私、あなたのこと誤解してた」
「ネルル、クルル、行くぞ」
無人世界をといてから二人はツムグ、クルルと合流した。
ミライはモリヒトに誤ろうとするが立ち去ろうとする。
「ちょっと、待ちなさいよ!」
「その、プリキュアの事について……」
「この事は他言無用だ、分かるな?」
その眼は出会ったときと同じ、鋭い眼だ。
「待つコル、ミライはようやく見つけた……」
「コルル、お前はそいつらに色々と教えておけ」
モリヒトにとってはようやく出来たはじめての仲間のはず。
しかし、彼の態度は冷たいものだった。
「俺は……あんなガキがプリキュアとは認めない」
映像化したら大体一話1パートくらいかな