新世紀エヴァンゲリオン リナレイさん、本編にIN   作:植村朗

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7、病院の天井さん、リナレイさんの視界にIN

(…あったかい。ベッドの上?)

(…頭、うっ、まだズキズキする)

(…消毒液の匂い…)

 

…ゆっくりと目を開く。飛び込んでくる色は、白。

 

「あー、めっちゃ見慣れた天井だわ」

 

情緒も何もない言葉。

第三使徒戦を生き延びた綾波レイは、いつもの病室にいた。

 

【挿絵表示】

 

検査の結果、命に別状はなく、後遺症もなかったが、

頭への一撃が効いていたのか、頭突きカマしたのが無茶だったか…

 

レイは頭痛のため食欲が奮わず、重湯(おもゆ)(お粥の上澄み)と具無しの味噌汁という

流動物だけの食事を摂って早々に寝てしまった。

 

…が、翌日になると体調…主に食欲が一気に好転。

 

「うおぉ~!(しゃけ)ぇ~!!」

 

病院食のおかず…貴重なタンパク質にテンションを爆上げし、

担当看護師(かんごふさん)がドン引きするということはあったものの、

朝・昼と完食したレイは、面会も受けられる程までに回復していた。

 

 

 

「良かった…綾波さんが無事で…」

「そっか、あの後、碇くんが使徒を倒してくれたんだね。…ありがと」

 

午後。面会に訪れたのは、同じ病院での治療を終えた碇シンジだった。

レイが助かった事への安堵と、彼女からの礼を受け、シンジは笑顔を紅潮させる。

微笑ましい中学生の男女を眺めながら、看護師はくすくすと笑った。

 

「ふふ、碇さんは綾波さんを凄く心配してたものね?

私達医療スタッフが駆けつけた時なんて…」

「か、看護師さん!?あ、あの時の事は…!」

「なになにー?」

 

途端に慌てふためくシンジの様子に、レイは興味を惹かれた。

なにしろ自分の意識がぶっ飛んでいた時の事だ。気になる。

 

 

 

 

戦闘直後…

ケージに戻り、排出(イジェクト)されたエントリープラグのハッチが開く。

ぐったりとした綾波レイの上体を抱え、駆け寄る医療スタッフ達へと叫ぶ碇シンジ…

 

『早く!早く綾波さんを助けてください!意識がないんです!

僕は後回しでいいですから!綾波さんを!綾波さんを助けてください!』

 

真剣な表情で、何度も、必死に叫ぶシンジもまた、

レイが医療スタッフに預けられると同時に体力が尽き、気絶。

同じくストレッチャーで運ばれていった…

 

 

 

「二人とも命懸けだったから、こんなこと言うのは不謹慎だけど…

碇さんの言葉にお姉さん感動しちゃったわ!もう、綾波さんが羨ましかった!

あそこまで言われたら女冥利(みょうり)に尽きるってものよ!」

「あ、あああぁ…」

 

キラキラした表情の看護師と、羞恥で真っ赤になるシンジ。

そしてそれを聞いたレイはと言えば…

 

「碇くん」

「…はい」

 

またもや既視感(デジャヴ)を感じる言葉の後。

 

「そんな美味しいシチュエーション、なぁんであたしが気絶してる時にやったの!

世界の中心でアイを叫ぶなら、あたしがちゃんと意識ある時にしてよ!」

「意識があったらそもそも言う内容じゃないよ!!」

 

ガチで怒るレイと、ガチで突っ込むシンジ。

看護師は、さすがに二人を弄りすぎたかと反省した。

だが、後悔はしていなかった。

 

 

 

同日、夕刻

「…ねぇ」

「あぁ」

「…なんでわざわざお見舞いの時間を外したの?一緒でも良かったんじゃない?」

「……」

「なに話したらいいか解らない、とか?」

「…っ!」

「あは、わっかりやすい♪」

「私は…」

「…怖い?」

「……」

「…そっか」

「…もう行く。またな、レイ」

「うん、それじゃね、司令」


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