新世紀エヴァンゲリオン リナレイさん、本編にIN 作:植村朗
(…あったかい。ベッドの上?)
(…頭、うっ、まだズキズキする)
(…消毒液の匂い…)
…ゆっくりと目を開く。飛び込んでくる色は、白。
「あー、めっちゃ見慣れた天井だわ」
情緒も何もない言葉。
第三使徒戦を生き延びた綾波レイは、いつもの病室にいた。
検査の結果、命に別状はなく、後遺症もなかったが、
頭への一撃が効いていたのか、頭突きカマしたのが無茶だったか…
レイは頭痛のため食欲が奮わず、
流動物だけの食事を摂って早々に寝てしまった。
…が、翌日になると体調…主に食欲が一気に好転。
「うおぉ~!
病院食のおかず…貴重なタンパク質にテンションを爆上げし、
朝・昼と完食したレイは、面会も受けられる程までに回復していた。
「良かった…綾波さんが無事で…」
「そっか、あの後、碇くんが使徒を倒してくれたんだね。…ありがと」
午後。面会に訪れたのは、同じ病院での治療を終えた碇シンジだった。
レイが助かった事への安堵と、彼女からの礼を受け、シンジは笑顔を紅潮させる。
微笑ましい中学生の男女を眺めながら、看護師はくすくすと笑った。
「ふふ、碇さんは綾波さんを凄く心配してたものね?
私達医療スタッフが駆けつけた時なんて…」
「か、看護師さん!?あ、あの時の事は…!」
「なになにー?」
途端に慌てふためくシンジの様子に、レイは興味を惹かれた。
なにしろ自分の意識がぶっ飛んでいた時の事だ。気になる。
戦闘直後…
ケージに戻り、
ぐったりとした綾波レイの上体を抱え、駆け寄る医療スタッフ達へと叫ぶ碇シンジ…
『早く!早く綾波さんを助けてください!意識がないんです!
僕は後回しでいいですから!綾波さんを!綾波さんを助けてください!』
真剣な表情で、何度も、必死に叫ぶシンジもまた、
レイが医療スタッフに預けられると同時に体力が尽き、気絶。
同じくストレッチャーで運ばれていった…
「二人とも命懸けだったから、こんなこと言うのは不謹慎だけど…
碇さんの言葉にお姉さん感動しちゃったわ!もう、綾波さんが羨ましかった!
あそこまで言われたら女
「あ、あああぁ…」
キラキラした表情の看護師と、羞恥で真っ赤になるシンジ。
そしてそれを聞いたレイはと言えば…
「碇くん」
「…はい」
またもや
「そんな美味しいシチュエーション、なぁんであたしが気絶してる時にやったの!
世界の中心でアイを叫ぶなら、あたしがちゃんと意識ある時にしてよ!」
「意識があったらそもそも言う内容じゃないよ!!」
ガチで怒るレイと、ガチで突っ込むシンジ。
看護師は、さすがに二人を弄りすぎたかと反省した。
だが、後悔はしていなかった。
同日、夕刻
「…ねぇ」
「あぁ」
「…なんでわざわざお見舞いの時間を外したの?一緒でも良かったんじゃない?」
「……」
「なに話したらいいか解らない、とか?」
「…っ!」
「あは、わっかりやすい♪」
「私は…」
「…怖い?」
「……」
「…そっか」
「…もう行く。またな、レイ」
「うん、それじゃね、司令」