プリキュアR   作:k-suke

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プリキュアRシリーズのラストステージにして、版権プリキュアとのクロスオーバーです。

前話からこの話を書くまでに他のプリキュアの話を書いたりして、リアルに一年近く時間が空いてますので文章も主観視点から俯瞰視点に変わってます。

読みにくいかもしれませんがご了承ください。



第三部 幸福の注入
第18話「Hとの接触」


 

 

 

おのれ人間ども!!

 

 

 

おのれ妖精ども!!

 

 

 

 

おのれプリキュアどもよ!!

 

 

 

 

我は滅びぬ!! 人間どもに憎しみの心がある限り!!

 

 

 

 

我は不滅の存在。いずれよみがえり世界の全てを憎しみの業火で焼き尽くす!!

 

 

 

その日を楽しみにしておくがいい!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「んも〜!! どうして起こしてくれなかったの〜!! めぐみ達が迎えに来ちゃうじゃん〜」

 

 

早朝からバタバタと大慌てで支度を始めたのが、このぴかりが丘にあるブルースカイ王国大使館の住人の一人、ヒメルダ・ウインドウ・キュアクイーン・オブ・ザ・ブルースカイ 通称白雪ひめ。

 

言動からそんな気品は微塵も感じられないが、これでも正真正銘ブルースカイ王国のれっきとしたお姫様なのである。

 

そして今一つの名をキュア・プリンセス。

 

この世界でもトップクラスの実力を持つチームハピネスチャージプリキュアのメンバーである。

 

 

「ひめったら私がどれだけ声をかけたと思ってるんですの!?」

 

そう言ってトーストをかじったひめを怒鳴りつけたのは、ぬいぐるみとも動物ともつかない不思議な生き物。

 

彼女の名はリボン。

 

 

れっきとしたプリキュアの妖精であるが、どちらかといえばお目付役お世話がかりとといった方が正しいか。

 

 

そんな中、テレビでは世界中のプリキュアの活躍を報道する番組、プリキュアウィークリーが始まっていた。

 

 

『みんなに伝えたい! 私が伝えたい! ご存知プリキュアウィークリーの看板キャスター、増子〜美代です!! 続けて読めばマスコミよ!!』

 

 

『今世界中でプリキュアが絶好調!! 世界を侵略してきた幻影帝国の力は確実に弱まっています。我々が望んできていた未来はすぐそこまで来ているのです!!』

 

 

ひめ・リボン「「おお〜!!」」

 

その報道にひめとリボンは目を輝かせた。

 

 

 

すると大使館の呼び鈴が鳴った。

 

 

ひめ「げっ、まずい!!」

 

リボン「みんなが迎えに来てしまいましたわ!!」

 

 

その言葉通り、大使館の外では三人の少女が中から聞こえてくる喧騒に呆れたような顔をしていた。

 

 

「今日もひめの家は元気だね」

 

「ふふっ。でもひめちゃんらしい」

 

「全く、毎日こうなんだから」

 

この三人は、上から愛乃めぐみことキュア・ラブリー、大森ゆうこことキュア・ハニー、氷川いおなことキュア・フォーチュン。

 

この三名にひめを加えた四名がハピネスチャージプリキュアである。

 

 

そうこうしている間に、大使館の扉が勢いよく開き、ひめとリボンが飛び出してきた。

 

ひめ「ごめーん!!」

 

リボン「お待たせですわ!!」

 

 

そんなひめに対して、めぐみはいつもの口癖とともににこやかに挨拶した。

 

めぐみ「おっはようひめ。今日も一緒に幸せハピネスな1日にしようね!!」

 

 

そうして目の前に広がる三つの笑顔を見て、ひめもまた微笑みながら力強く頷いた。

 

 

ひめ「うん!!」

 

 

 

 

 

そうして四人で登校中、ひめは今朝のプリキュアウィークリーの事について話し始めた。

 

ひめ「ねえねえ。今朝テレビで世界中の幻影帝国の勢力が弱まってるって言ってたけど、あれってやっぱりまりあさんが頑張ってるからだよね」

 

 

まりあ。

 

本名氷川まりあといい、いおなの実の姉。

 

そしてまたの名をキュア・テンダー

 

 

幻影帝国のプリキュアハンターのファントムに敗れ、一度は洗脳されたこともあったが、めぐみ達の助力によって解放されたのだ。

 

そののち世界中のプリキュアを支援すべく世界中を飛び回っていた。

 

 

ぐらさん「当然だぜ!! なんたってテンダーは最強のプリキュアの一人だからな」

 

そう言って自慢げに話すのが、元テンダーの妖精でもあったぐらさん。

 

現在はフォーチュンの妖精であり、ひいてはハピネスチャージプリキュアの妖精でもある。

 

 

 

いおな「そうね。でも嬉しい反面やっぱり少し寂しいわ…」

 

いおなにとってはたった一人の姉であり、やっと再会できたというのに離れ離れになってしまっている。

 

ファントムに倒されてプリキュア墓場に封印されていた時よりはマシとはいえ、やはりどこか穴の開いたような気持ちがしていた。

 

 

めぐみ「いおなちゃん… でもこうやっていいニュースが流れてくるってことはまりあさんが元気だって証拠だよ」

 

ゆうこ「そうそう。めぐみちゃんいいこと言う」

 

 

いおなもそんな二人に元気付けられたか、笑顔が戻った。

 

 

いおな「…それもそうか。ありがとうめぐみ。ゆうこも」

 

 

 

だがそんな会話を聞きながら、ひめはどこか浮かない顔をしていた。

 

 

めぐみ「ん? どうしたのひめ?」

 

 

ひめ「な、なんでもないよ。今日古典の授業あるじゃん、あれ苦手でさぁ〜」

 

ゆうこ「確かにひめちゃんには厳しいよね〜」

 

めぐみ「心配することないよ。私なんて全部苦手なんだから」

 

いおな「自慢にならないわよ」

 

 

 

どこにでも転がっているような平和な日常会話。

 

本来ならばどこにでも当たり前のようにあったはずのもの。

 

 

だが、幻影帝国の侵攻によりそれは脅かされている。

 

そしてその原因は…

 

 

ひめ(私がアクシアの箱を開けちゃったから、幻影帝国が復活して世界中に迷惑かけちゃってる。いおなは許してくれたけど、このままでいいのかなぁ…)

 

 

いつも明るくはしゃいでいるひめだが、心の底にはモヤモヤしたものが立ち込めていた。

 

 

 

 

 

 

ブルースカイ王国

 

 

かつてのひめの故郷。

 

現在は幻影帝国の拠点となってしまっているブルースカイ城。

 

 

そこの玉座に座っている女王、クイーンミラージュは苦虫を噛み潰したような顔をしていた。

 

 

ミラージュ「プリキュアのせいでまた世界から不幸が消えていく。これはどういうことなのか?」

 

 

その前にひざまづいている三人の幹部、ナマケルダ、ホッシーワ、オレスキーはそんなミラージュに対して顔を上げることもできないでいた。

 

 

 

そんな中、ミラージュの後ろに飾られたディープミラーが怪しく輝き、語りかけた。

 

ディープミラー『いかがでしょうミラージュ。他の世界からより憎しみに満ち溢れたものを呼び寄せてみては』

 

 

ミラージュ「他の世界? それはどういうことか? ディープミラー?」

 

 

 

ディープミラー『この世界は一つのように思えるけど、本当は一つではなく、いくつもの次元が薄い膜のように重なってできております。この世界とよく似た世界もあれば、全然違う世界もあり本来は交わることもないのですが…』

 

ミラージュ「だがなんだ?」

 

 

ディープミラー『ここに近い世界において、プリキュアや世界に対する大きな憎しみの力を感じております。そやつを呼び寄せることができれば…』

 

 

ミラージュ「面白い。してどうすればいいのだ?」

 

ディープミラー『一時的にこの世界とその世界を融合させます。その上で大量の負のエネルギーを与えることができれば… しかしチャンスは一度だけでしょう』

 

 

ミラージュ「構わぬ。直ちに実行せよ」

 

 

そして、目の前の三幹部に対して檄を飛ばした。

 

ミラージュ「聞いてのとおりだ。直ちに出撃し、負のエネルギーを充満させてくるのだ!!」

 

 

ナマケルダ、ホッシーワ、オレスキー「「「はっ!!!」」」

 

 

 

その言葉とともに三幹部は出撃していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ディープミラーの示していたよく似た世界。

 

この町の名前はピッカリヶ丘である。

 

 

 

この町にある有名な音大の附属高校から一人の女生徒が帰宅しようとしていたのをクラスメイトが呼び止めた。

 

 

「雪菜ー!! ちょっとお茶して帰らなーい?」

 

「ごめんなさい。今日はちょっと病院に行かないと… 定期検診があって…」

 

 

「あっ、そうなんだ。じゃあまた今度ね」

 

「はい、さようなら」

 

 

 

そう言って足早に下校していった少女を見てクラスメイトは頭の下がる思いだった。

 

 

「すっごいよね雪菜って。 真面目で頑張っててさ、成績トップだもんねー。あんな体で…」

 

「さっすが昔は天才ピアニストって言われてただけのことあるよね〜」

 

「うん。事故で右手の指が動かなくなってもうピアノが弾けないのにさ。音楽はピアノだけじゃないって言ってさ。本当にほとんどなんでもこなしちゃうんだもんねー」

 

 

 

こう言ってクラスメイトが褒め称えている少女の名は 叶 雪菜。

 

音楽の世界では天才といわれる父と世界的なヴァイオリニストの母の間に生まれたサラブレッドであり、本人も幼い頃からピアニストを志望していた。

 

 

しかし、とある事情から日常生活をこなすだけで手一杯になるような怪我を右手に負ってしまった。

 

その後紆余曲折の果てに、新しい夢を探すためにこうして音大の附属高校に進学しているのである。

 

 

 

「でも、なんであんなに一生懸命なんだろうねー?」

 

「聞いたことあるよ。なんでも頑張って生きるってことで負けたくない人がいるんだって」

 

 

 

 

ピッカリヶ丘駅

 

 

 

この駅のホームで電車を待っていると、ふと雪菜の目に仲のよさそうな二人の少女が入った。

 

これから塾にでも行くのだろう二人はカバンをガサゴソとあさっていた。

 

テキストでも取り出すのかと思っていたら、カバンから携帯ゲーム機を取り出して遊び始めていた。

 

雪菜「あらあら」

 

そんな光景を微笑ましく見た雪菜は、昔のことを思い出していた。

 

雪菜(あれから、もう一年近くになるのか… もうあんな風に笑ってゲームができることなんてないんだろうなぁ…)

 

 

中学生だった頃、雪菜は一時格闘ゲームにはまっていたことがあった。

 

何度も対戦を繰り返すも一度も勝てなかった相手のことを思い出し、遠い目をして空を見上げた。

 

 

雪菜「やれやれ。今頃どこで何をしてるのやら…」

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ピッカリヶ丘市内にて、大きな荷物を載せた自転車を押して、よろよろと歩いている少女がいた。

 

 

「あ〜… お腹すいた〜 もう三日は水だけだもんね〜」

 

そんな悲惨なことを言いながら、少しは水でお腹を満たそうとペットボトルを鞄から取り出してぐい飲みした。

 

「何か食べようにも、私の全所持金は五円玉が一枚きり。この最後の履歴書で何としてでもバイトにありつかないと…」

 

 

 

そんなことを言ってる間にペットボトルの水を飲み干してしまった少女は、大きくため息をついた。

 

「それより先に公園でも探すか、水の汲み置きしとかないと… まったく、旅して回るのも楽じゃないよ。 実際はホームレスみたいなもんだしね」

 

自虐的な言葉とともにもう一つ大きなため息をついた。

 

 

「…でも、あれからもう一年か。よく続いてるよね我ながら」

 

 

とある事情により、中学校もろくに卒業しないまま日本中を身一つで旅して回っているこの少女の名は、渚 美里。

 

 

美里は、ふとこの一年のことを回想していた。

 

 

被災地やその他のボランティアやアルバイトをしながら各地を旅して回っている生活を送っており、そこで助け合うことの大切さと憎むことの虚しさをできる限り説いて回っていた。

 

 

美里「私の言葉じゃ説得力ゼロかもしれないけどさ。まっ、ないよりはマシよね。一生続ければ少しは見れたものになるかな」

 

 

そんなことをつぶやいていると、美里の目の前の景色が一瞬歪んだ。

 

 

美里「むっ、イカンイカン。目まいまでしてきた。真っ剣にお金をなんとかして稼がないと…」

 

 

美里はブルブルと首を振ると、自転車を押してゆっくりと歩き始めた。

 

 

 

 

 

妖精界

 

 

ここ妖精界では愛嬌のあるぬいぐるみのような二匹の妖精が、異変を感じ取っていた。

 

ミプ「メル、今何か変な感じがしなかったかミプ?」

 

メル「ミプも感じたメル? これはひょっとすると…」

 

 

ミプ「どうするミプ? またプリキュアを探すミプ?」

 

メル「でも、そんな簡単にはいかないメル。前の時もそうだったメル」

 

その言葉にミプは反応した。

 

ミプ「前の時… そうミプまた… あっ…」

 

俯いてしまったミプに対して、メルもまた力無く首を横に振った。

 

 

メル「ミプ… あの二人はもうプリキュアと関係ない人生を歩むべきメル。メルたちのせいであの二人は何もかもなくしたメル。だから…」

 

 

 

その言葉にしばらく考え込んでしまったミプだが、決意の表情とともに顔を上げた。

 

ミプ「…でも、何かあったらそれこそ大変ミプ。行くだけ行ってみるミプ」

 

そう言い残して、ミプは人間界に行ってしまった。

 

 

 

メル「…やっぱりだめメル。もうあの二人に迷惑をかけられないメル。 待つメル、ミプー!!」

 

 

第19話に続く

 

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