プリキュアR   作:k-suke

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第4話「Rとなりし科学者」

 

美里「さーってと、今日は豪華な夕飯ね」

 

 

私はテーブルの上にズラーっと並べたお皿を見て満足そうに言った。

 

 

美里「お茶は最高級の玉露…のお茶っ葉なし」(ようするにただのお湯)

 

 

美里「そんでもって私の好物、ヨード卵をきっちり1分半茹でた半熟卵…の殻」

 

 

美里「それと贅沢に厚切りにした世界チーズ(地図)と日本チーズ(地図)

 

 

美里「メインディッシュはアッツアツのメザシのフィレ(ひれ)ステーキ」

 

 

美里「デザートはオーブンでふっくらと焼いた(台所の)スポンジケーキ」

 

 

 

美里「うーん、美味しそう♪ いっただっきまーす♪」

 

 

 

私は明るい声を出して食事をしようとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

メル「…やってて虚しくないメル?」

 

 

そのメルの冷静な突っ込みに私はテーブルに頭から突っ伏した。

 

 

美里「うるさいなぁ。次の仕送りまであと五日間、15円で生活しないといけないんだから仕方ないの」

 

 

こんなことになったのはある深い事情がある。

 

 

ここんとこ色々あったせいで、ゲームともすっかりごぶさただった。

 

そこで気分転換にと「バーチャルストリートIX」をやりに行ったら、いつの間にかランキングがかなり落ちていた。

 

 

その事実にむかっ腹が立ったのでランキングを奪い返そうとやり始めたのだが、かなり勘が鈍ってしまっておりなかなか思うような結果が出なかった。

 

かなり熱くなった私は、ひたすら連コイン。

 

苦闘数時間の末ランキングは奪い返せたものの、生活費が吹っ飛んでしまったという深〜い事情があるのだ。

 

 

そのことを我が親友に打ち明け相談したものの、久美と理香はおろか雪菜さえもなぜか同情してくれず、1円も貸してくれなかった。

 

かくて、私は昨日から水だけの強制ダイエット中なのである。

 

 

 

美里「う〜ダメだ〜やっぱりひもじい〜。なんとか雪菜たちに泣きつこう」

 

 

メル「一日や二日ぐらいでよく言うメル。メルなんかしょっちゅうメル」

 

 

ポツリとそう言ったメルに向かって、コップが飛んで行ったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

オーエエドー市郊外 雑木林の洋館

 

 

 

アカンコウ「フッフッフッ。対プリキュア用の装備を搭載したメカがついに九分九厘完成したぞ。あとは…」

 

 

この洋館の地下室で新型ベースアニマルを開発していたアカンコウは、どこか危ない声と表情でメカの開発を行っていた。

 

 

クジャク「ちょっと、アカンコウ。愉快な顔をますます愉快にしてないでさ、夕食の買い出しに行っといでよ。今週はお前の当番だろ」

 

ゴロリン「そうでまんねん。もう腹と背中がくっつきそうでおま」

 

 

そんな時、空気に水を差すようにクジャクたちが地下室に降りてきた。

 

 

アカンコウ「んもう。いいところなんですから後にしてくださいよ。また今度当番はやりますから」

 

アカンコウは不満そうにそう言ったが

 

クジャク「ダメだよ。お前こないだからずっとそんなこと言って当番すっぽかしてるだろ。今日という今日は許さないかんね。ほら買い出し行っといで」

 

そう言ってクジャクは財布を投げ渡した。

 

アカンコウ「はいはい。わかりましたよもう」

 

アカンコウはしぶしぶと言ったように準備を始めた。

 

 

クジャク「あ、それと余計なもん買うんじゃないよ。大神獣様からもらってる予算ってもんがあるんだからね」

 

アカンコウ「買いませんよ、子供じゃないんですから」

 

するとクジャクはジロリとアカンコウを睨みつけた。

 

クジャク「先月食費を使い込んだ結果のメカがあれだろうが。偉そうなこと言えるかっての」

 

 

アカンコウはその言葉にぐうの音も出なかった。

 

 

 

 

 

 

翌日 

 

 

オーエードー市内 某スーパー

 

 

 

久美「じゃあ美里。歴史のレポート代わりにやってね」

 

理香「私は数学の宿題。よろしくね」

 

美里「う〜わかったよ〜」

 

私は情けない声を出しながら、二人からノートを受け取った。

 

雪菜「自業自得よ、美里。 あ、私は英語ね」

 

 

結局必死に泣きついた結果、私はみんなの宿題を代わりにやることを条件にいくらか買い物のお金を立て替えてもらった。

 

なんとか五日間は生きられそうだが、代償はかなり大きかった。

 

無駄遣いは二度とすまいと、私は心に誓った。

 

 

 

 

そんなこんなでようやく食料を仕入れた私は、みんなと一緒に帰路に着いた。

 

 

雪菜「美里。一人暮らしで大変なのはわかるけど、ちゃんとやることはやってね。同情するにも限度があるから」

 

美里「はい、反省してます」

 

クギを刺すような雪菜の言葉に私は何も言い返せなかった。

 

 

久美「雪菜、無駄だって。美里のことだもん、どうせまた同じようなことになるって」

 

理香「そうそう、今度は何を頼もっかな〜」

 

美里「あんたらね〜」

 

 

 

そんなことを言い合いながら歩いていると、一人の女性が通りすがりの人にひたすら声をかけているのが見えた。

 

だが、その女性は声をかけても無視されることを繰り返していた。

 

 

美里「何してんだろあの人?」

 

理香「ちょっと挙動不審だよね」

 

雪菜「ダメよ、そんなこと言っちゃ。セールスかなんかなんだわ」

 

久美「まっなんにせよ関係ない。相手しないが吉よ」

 

 

そうして私たちは通り過ぎようとしたが、その人は私たちにまで声をかけてきた。

 

「あのすいません。ちょっといいですか」

 

久美「えっすいません。急いでますから」

 

いきなり声をかけられた私たちは戸惑ったが、久美がそういってくれたおかげでやり過ごせそうだった。

 

 

しかし、その人はなおも食いついてきた。

 

 

「お願いします。人を探してるんです、どうか話を」

 

 

それを聞いて、私は足が止まった。

 

美里「えっまさか迷子ですか?」

 

さすがにそうなら無視はできない。

 

せめて話だけでもと思ったのだが

 

「はい、音信不通になってしまって…」

 

 

そう言うとその人はふらつき、そのまま倒れてしまった。

 

 

雪菜「ちょっちょっと。どうしたんですか!?」

 

美里「た、大変だよ。救急車!!」

 

 

私たちは大慌てで119番をした。

 

 

 

 

 

 

 

オーエードー市 市民病院

 

 

美里「じゃあこの人は…」

 

雪菜「今時そんなことって…」

 

医者「はい、はっきり言わせて貰えば…」

 

 

 

 

 

医者「ただの貧血です。食事をほとんど取っていなかったんでしょう」

 

 

「すみません。ご迷惑をおかけしました」

 

そう言って謝る女性に、私たちは尋ねた。

 

 

理香「でも、一体どうしたんですか? 人を探してるって聞いてましたけど…」

 

 

「はい、大きくなったら結婚しようって約束してた人なんです。でもこの街に行くと言ってもう何年も連絡がないんです。誰か知らないかと思って尋ねて回ったんです。 だけどどうしてみなさん、答えてくれなかったんでしょうか? こんなに時間がかかるとは思わなくって、とうとう所持金も帰りの電車賃ぐらいしかなくなって…」

 

本当に不思議そうにその人は言った。

 

久美「そりゃ、道行く人に聞いて回るなんかで探してる人を見つけるなんて無理だよ。みんな怪しむだろうしさ。」

 

「そうなんですか? 私の田舎ではみなさんいろいろ親身になってくれるんですが」

 

 

雪菜「都会では見知らぬ人に声をかけられても返事をしませんよ。それにこういうのもなんですが、おそらくその男性は他の女性とお付き合いされている可能性があるのではないかと…」

 

「そんなことはありませんよ。ヒロ君とは五歳の時からずっと仲が良かったんですから」

 

 

雪菜が申し訳なさそうに告げるも、その人は不安の全くない顔でそう言った。

 

 

美里「今時珍しいぐらいいい人なんですね、あなたは…」

 

私は呆れながらも、この女性の純朴さを眩しく感じていた。

 

 

久美「そうよねー、食費がなくなった理由がどっかの誰かとはえらい違い」

 

 

美里「ぐう、痛いところを…」

 

 

 

 

 

 

オーエードー市内 商店街

 

 

アカンコウ「まーったく。しばらく買い出し当番やれって、あの女横暴なんだから。私がメカ作んなかったら何にもできないくせに、もう」

 

アカンコウはブツブツ言いながら買い物袋をぶら下げて商店街を歩いていた。

 

 

アカンコウ(私の才能は世界一なんだよ。それを素直に認めてくれてるのは大神獣様だけ。非常にありがたいことなんだよね)

 

 

 

 

アカンコウ、これも彼の本名ではない。

 

彼は子供の頃から極めて優秀な人間だった。

 

片田舎で生まれ育った少年であり、学業には決して恵まれた環境でなかったにも関わらずである。

 

 

そして、その才能をもっと伸ばそうと一大決心をして都会に出てきた。

 

こういった場合、都会で自分が井の中の蛙だったと知って挫折する、なんてことがお決まりのパターンだが、彼はそうではなかった。

 

 

彼の才能は本物であり、大学の研究室でも本物の天才と言われ、若き青年科学者への道を歩み始めた。

 

しかし、世の中とはそうそううまくいかないのである。

 

彼の才能は確かに本物だったが、同時に周りの妬みも買った。

 

教授に自分の研究成果を奪われたのを皮切りに、やりもしない研究費の私的流用の濡れ衣を着せられたり、わざと実験結果を改竄されたりして、だんだんと居場所がなくなっていった。

 

元々、田舎育ちでどちらかといえば純朴な男だった彼は、そんな醜い世界にすっかり嫌気がさしてしまった。

 

 

 

「どうして、人の足を引っ張る事しかあいつらは考えないんだろうね。そんなことが正しいなら世の中は前に進まないじゃないかい。科学者ってのは未来に進むもんじゃないのかね」

 

 

一人愚痴りながら街中を歩いていると黒いモヤのような物が現れ、彼に話しかけてきた。

 

 

「その通りだ。この世界は狂っている、力無き者が力あるものを妬み停滞し続ける。 なればこそ変化を起こすための力が必要なのだ」

 

 

「な、な、なんだ!? どっから話しかけてるんだ?」

 

科学者である彼は、目の前の非科学的な現象に戸惑っていた。

 

 

その疑問に答えるように、彼の周りの黒いモヤはなんとなく動物を思わせる形になった。

 

 

「我は大神獣。この世界のルールを恨み憎むもの」

 

 

アカンコウ(私はあの日誓った。私の才能を正当に認めようとしないこの世界に復讐してやるってな!! そして私のことを認めさせてやる!!)

 

 

 

そんな彼を誰かが呼び止めた。

 

 

 

「? ヒロ君?」

 

 

 

 

 

 

私達は、先ほどの女性おハナさんと商店街の先にある警察署に向かっていた。

 

 

美里「行方不明になった人を探すなら、初めから警察に行くのが一番早いですって」

 

おハナ「すみません。何から何まで」

 

美里「気にしないでいいですよ。見つかるといいですね、その男の人」

 

おハナ「はい、きっと何かに一生懸命になって連絡できないだけだと思いますから」

 

 

雪菜「そうだといいんですけど…」

 

そんなことを言いながら歩いていると、おハナさんが突然何かを見つけたように走って行った。

 

 

美里「えっ、どっどうしたんですか?」

 

 

 

 

 

おハナ「ヒロ君? ヒロ君だよね!?」

 

 

アカンコウ「お、おハナ!?」

 

突然のことにアカンコウは戸惑っていた。

 

都会に出てきてからも忘れることのなかった、大切な幼馴染。

 

だが…

 

おハナ「ずっと探してたんだよ。一体どうしてるの? 大学もやめたっていうし、心配で心配で…」

 

 

その純粋に自分を思い心配してくれる幼馴染に、アカンコウの心は揺れた。

 

理香「おハナさん、この人があなたの探してた人ですか?」

 

久美「よかったじゃないですか!! こうして会うことができて」

 

喜んでいる理香たちだったが、私は何か変な空気を感じていた。

 

 

美里「あの、嬉しくないんですか…?」

 

雪菜「やっぱり…」

 

 

そんな時、なにか巨大なものが空を割いて飛んでくる音が聞こえた。

 

 

 

理香「な、なによあれ!?」

 

空を見上げた先にいたものは、太ったようなツバメを思わせる姿をした巨大なメカだった。

 

そしてそのメカは驚く私達をよそに、商店街に着陸して破壊活動を開始した。

 

 

その様子に驚いた私はみんなに言った。

 

美里「逃げよう。早く!!」

 

 

私も一刻も早く変身して戦いたかったが、下手をしなくてもみんなを巻き込んでしまう。

 

いちいち周りのことを気にするつもりはないが、積極的に巻き込みたいわけではないからだ。

 

 

雪菜「美里の言うとおりよ。こんなところにいたら命がいくつあっても足りないわ。あんなのとの戦いに巻き困るなんてごめんよ。あなたたちも早く」

 

そう言って雪菜がおハナさんたちに避難するように促したが、男性は動こうとせず、ツバメ型メカを見つめていた。

 

 

美里「ど、どうしたんですか?」

 

気になった私がそう尋ねると

 

 

アカンコウ「おハナ…すまねぇ!! 俺はどうしてもやらなきゃいけないことがある。俺のことを世界に認めさせるためにな!!」

 

その男性は思いつめたような表情で何かを振り払うように、ツバメ型メカの方へ走っていき、そのメカに乗り込んだ。

 

 

美里「まさか、あの人が!!」

 

私は目の前の光景に驚いたが、次の瞬間に発射されたツバメ型メカのミサイル攻撃にそれどころではないと思い返した。

 

 

雪菜「美里!! おハナさん!! 大丈夫!?」

 

今の攻撃に私たちは分断されてしまい、もうもうと立ち込める砂煙にお互いの様子が確認できなくなった。

 

 

 

美里「大丈夫よ。私たちは南の方に逃げるから雪菜たちは北の方へ行って」

 

雪菜「わかったわ、後で会いましょう」

 

 

そのやりとりのあと、私は呆然としているおハナさんの手を引いて走り出した。

 

そしてある程度離れたところで

 

 

美里「ここなら大丈夫ですよ。しばらくじっとしててください。私は周りを見てきます」

 

適当なところでおハナさんに身を隠すように告げると、私は走り出した。

 

 

そして走りながら私はカバンの中のメルに告げた。

 

 

美里「メル!! 準備はいいわね」

 

メル「メル!!」

 

 

メルはスマホのようなものに変身し、私はそれをひったくるように掴むと鍵のアプリをタッチして起動し叫んだ。

 

 

 

美里「プリキュアマスクチェンジ!!」

 

次の瞬間、私は赤い光とともに深紅のドレスに身を包んでいた。

 

そして、赤い仮面を装着して変身を完了した。

 

 

 

 

 

アカンコウ「行きますよ。このツバメ型メカのツバメクロウの力を思い知らせてやります!!」

 

クジャク「アカンコウの奴、いつもより気合い入ってるね〜」

 

ゴロリン「で、まんねん」

 

 

コックピットの中では、いつもより気合いの入っているアカンコウにクジャクたちが何かを感じていた。

 

そんな時だった。

 

 

上空から赤い玉が飛来した。

 

 

アカンコウ「あっ、鳥だ!!」

 

ゴロリン「飛行機だ!!」

 

 

クジャク「薄い本によく出る女の子だー!!」

 

 

 

 

 

私は着地するとともに、ツバメ型メカを睨みつけた。

 

 

あのメカに乗っている人は、おハナさんの気持ちを踏みにじった。あんな純粋な人を。

 

それが許せなかった。

 

その怒りをぶつけるように私は名乗った。

 

 

インフェルノ「地獄からの使者 キュア・インフェルノ!!」

 

 

 

コックピットの中では、アカンコウが不敵に笑っていた。

 

アカンコウ「フッフッフッ。来たなプリキュア、今日は一味違うぜ、今日こそはな」

 

その言葉とともに操縦桿を倒すと、ツバメ型メカは飛び上がりものすごいスピードで上空を飛び回り、何度も何度もインフェルノに体当たり攻撃を仕掛けてきた。

 

 

 

インフェルノ「なっ、こ、これは!?」

 

ツバメ型メカはその体格に似合わずものすごいスピードで飛び回り、ほとんど姿を捉えることもできず、私はギリギリでかわすのがやっとで攻撃もろくにできなかった。

 

おまけにその翼は鋭利な刃物になっているらしく、飛び回るだけで周辺の建物や電柱を切り刻んでいた。

 

インフェルノ「くっ、ならこれで」

 

私はいったん動きを止めると、向かってきたメカを下から蹴り上げるようにしてダメージを与えるとともに無理やり方向を変えた。

 

むろんその先にはビルがあり、正面から激突させようとしたのだが、ツバメ型メカはくちばしも丈夫になっていたらしくあっさりそのビルをぶち抜いた。

 

 

 

 

苦戦しているキュア・インフェルノを見て、コックピットの中でアカンコウは満足そうに笑っていた。

 

アカンコウ「ハッハッハッ。どうだ、この天才アカンコウ様の作り上げたメカは!!」

 

クジャク「すごいね、やっぱりお前は天才だよ」

 

クジャクの言葉にさらにアカンコウは気を良くした。

 

アカンコウ「いえいえ、クジャク様達だってすごいですよ。このメカをきちんと完成させてくれたんですから」

 

 

その言葉にクジャクは怪訝そうな顔をした。

 

クジャク「へっ、なんだいそれは?」

 

その返事にアカンコウも怪訝そうな声をあげた。

 

アカンコウ「えっ、まだ未完成だったメカを完成させて出撃したんじゃないんですか?」

 

クジャク「知らないよ。地下のメカをそのまま発進させただけだから」

 

ゴロリン「ということは…」

 

 

次の瞬間、彼らの危惧した通り超高速で飛び交っていたツバメ型メカの翼が鈍い音とともに突然外れ、落下し始めた。

 

 

クジャク・アカンコウ・ゴロリン「「「わーっ!!」」」

 

 

 

 

私は突然落下し始めたツバメ型メカを見てチャンスと判断した。

 

 

インフェルノ「えーい、なんだか知らないけどチャンス。これでもくらえ。プリキュア・インフェルノ・バースト!!」

 

 

私は炎の塊をツバメ型メカに投げつけ、見事直撃させた。

 

 

すると上空で大爆発が起きた。

 

むろん三獣士は、落下し始めた瞬間にはすでに脱出していた。

 

 

クジャク「なんでもっとしっかり作らないんだい。お前は天才なんかじゃないよただの間抜けだよ」

 

クジャクがアカンコウの頭をボカボカと殴っていたが

 

アカンコウ「何言ってんですか。買い出し当番やらなんやらで時間がなかったんですよ!! そもそも完成してるかどうかもわかんないもんを勝手にいじりますか!?」

 

アカンコウにも相応の言い分があり、くだらない口論が続いていた。

 

そんな口論の中アカンコウはしみじみと感じていた。

 

アカンコウ(まったく、味方が足引っ張るんだもんなぁ。まあおんなじようでもあの頃よりは充実してんですよね、これでも)

 

 

 

 

 

私は戦いを終えて一息付いていたが、気配を感じて振り返った。

 

するとそこにいたのはおハナさんだった。

 

インフェルノ「なんですか?」

 

おハナ「あのメカには私の大切な人が乗っていました」

 

インフェルノ「そうですか…」

 

また恨み言を言われるのかと私は覚悟を決めたが、言われた言葉はそれとは正反対の言葉だった。

 

 

 

おハナ「私はあなたのことを恨みません。きっとあの人は幸せだったでしょうから。自分の信じるもの、望んでいる未来の為にああしたんですから。あなただって何か叶えたい未来があって戦っているのでしょう」

 

 

その言葉に私は何も言えず飛び立った。

 

私の戦う理由は復讐。それを終えた先の事なんか私は知らない…。

 

 

インフェルノ「未来…か…。一体どうなるんだろう」

 

 

 

この後、私たちは田舎に帰ることにしたおハナさんを見送り、それぞれの帰路に着いたのだが、肝心なことを忘れてしまっていた。

 

 

 

 

 

 

翌日 ネローべ中学校

 

 

 

美里「えーっ、海よりもお心の広い大親友の皆様方。宿題はやります。靴も舐めます。三べん回ってワンといえとおっしゃるならやります。ですからどうかお恵みをください」

 

 

私は教室で必死に土下座していた。

 

あの騒ぎで、私はようやく手に入れた食料をどこかに置き忘れてしまった。

 

必死に駆けずり回ったのだが見つからず今に至る、というわけである。

 

 

久美「知らない」

 

理香「ばーか」

 

雪菜「いい加減にしなさい。もう面倒見切れないわよ」

 

 

美里「ふえ〜ん。なんとか助けてよ〜!! お腹すいたよ〜!!」

 

親友のけんもほろろな返事に私は自分でもわかるぐらい情けない声で泣きついた。

 

 

 

 

 

 

プリキュアR(リベンジャー)第5話に続く。

 

 

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