GATE モリアーティ教授(犬) 彼の地にて 頑張って戦えり   作:BroBro

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実家に帰ったら劇場版のビデオがあったので久し振りに見てパッと思いつきで書いてみました。まず、名探偵ホームズを知っている人も少ないと思います。それと、モリアーティ教授押しの人も少ないと思います。完璧に趣味ssですので、物好きな方はご覧下さい。モンタナネタも何時か出てきます。


第一章:悪の天才!モリアーティ教授異世界に行く!
プロローグ


ベーカー街のとある公園。一つの小島を囲む形で作られた大きな池があるその公園の真下には、秘密基地が作られている。

 

内部は少し複雑になっている。まず、入口は大木の表面にカモフラージュされた扉。その扉を抜けると直ぐに数十m下まで降りる梯子を下り、そこから更に数十mの一本道を進み、ようやく生活空間に辿り着く。買い物帰りはとても不自由する設計であるが、これのおかげでこの秘密基地を知るものはいない。

 

いや、持ち主である3人を除いて知るものはいないと訂正しておこう。その持ち主は、ベーカー街でも悪名高い天才悪党、モリアーティ教授。そしてその部下のトッドとスマイリーである。

 

そのトッドとスマイリーは、今日もいつもと同じように公園の川魚を入れてびしょびしょになり、所々に穴が空いている紙袋を持って基地内へと帰ってきた。地下とは思えない程綺麗な内装をした基地の中のリビングに当たる部屋、そこの中央にある机に彼は川魚が入った紙袋を乱雑に置いた。

 

 

「おい!そこに食料を乗せるなと何度言えば分かるんだよお前達は!」

 

 

そこへ、奥のキッチンからコック帽を被ってやってきた紫色の毛並みの男、モリアーティ教授がやって来た。何時もの白いマントだが、右手にお玉、左手にフライパンと完璧にクッキングが出来る体制を整えている。それらをブンブンと上下に振り回し、顔を真っ赤にして怒っている。モリアーティ教授は、先日誘拐したハドソン婦人が残して行った綺麗な机を出来るだけ汚さない様にしている為、トッドとスマイリーに怒号を発しているのである。

 

 

「だって荷物持ったままでそっちに行くのダルイんですもん〜」

 

 

そう言って、やる気無さそうにモリアーティ教授が出てきた扉を指さす長身で細身の男はスマイリーである。

 

 

「そうそう、それにもうお腹空いちゃってこれ以上動けませんよ〜」

 

 

スマイリーの言葉に同意の言葉を付け足し、床に座り込んだ小柄の体型の男はトッドだ。彼らは約4時間程公園の池で釣りをしていた為、体にはそれ相応の疲労が溜まっている。それはモリアーティも勿論分かっている。

 

 

「全くお前達はッ!明日は大事な作戦だと言うのに!全くもう・・・」

 

 

ボスッとお玉で2人の頭を叩きながらも、モリアーティは川魚を調理場へと運んだ。普段なら2人にやらせただろうが、明日は宿敵であるホームズと決着をつける(予定)大事な日である。作戦には2人の協力が不可欠だし、2人には頑張って貰わなくてはならない。その為、彼は2人を休ませて自分が川魚を運ぶことを選択したのだ。それ程、彼は明日の作戦に力を注いでいるのだ。

 

 

(プテラノドンを動かすこと然り、スチームカーを動かす事然り、奴らが居なければ何も出来んからな)

 

「いつこんなに落ちぶれたかなぁ〜」

 

 

深く溜め息をつきながらも、モリアーティ教授は手早く川魚を三枚におろし、火にかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悪の天才、モリアーティ教授。『シャーロック・ホームズ』に出てくるモリアーティ教授の外道さと悪のカリスマっぷりは、この【犬が直立二足歩行する世界】にいるモリアーティ教授には無いものだ。

 

本人曰く、「私の殺人は一度も成功した試しがない」

 

誰か曰く、「知能的ではあるが、頭が良いとは言えない」

 

そんな彼の暮らしは貧乏である。なぜかと言えば、彼は生活費の殆どを兵器開発に費しているからだ。兵器開発と言っても現代の戦闘機や、戦車の様なものでは無い。プテラノドン型飛行機には拡声器しかなく、スチームカーの攻撃方法は存在しない(無理矢理踏み潰す以外)。唯一、奪って改造した潜水艦には魚雷がある。それも、生身のホームズとワトソンを追う原理の分からない追尾型魚雷である。しかし不発ばかりで、大事な時に爆発しない。潜水艦本体が脆いし狭い為、魚雷を上手く扱えない事も多い。

 

発明や発想に関しては天才ではあるが、何時も詰めが甘い為に予期せぬ出来事が起き、計画が一瞬でダメになる。このモリアーティ教授は、毎回失敗する憎めない男なのだ。

 

 

モリアーティ教授が考える次の計画では、その詰めの甘さを消す事を前提とした作戦だ。ダイヤを奪い、ホームズに勝つ。その為に彼は、明日の作戦に使うプテラノドンとスチームカーを整備していた。

 

プテラノドンの腹部に新たに付けた武装、ネットガン。2連装砲になっているこれは、対象を一定時間拘束する効果を持つ。装弾数は2発。プテラノドンのコックピット部に積んである予備弾を含めれば6発である。ホームズとワトソンを捕縛するために作られた武装だ。

 

スチームカーには同型のネットガンが両サイドに2つずつ備わっており、更に催眠ガスミサイルを2発用意している。予備としてネットガンと催涙ミサイルを車内に大量に詰め込んだ。保身は完璧である。

 

それらを全て取り付け終わり、モリアーティは一息ついた。そして近くにあった木製の椅子に座り、改めてプテラノドンとスチームカーを見る。それらの体には、黒光りした武装が輝いていた。

 

 

(武装に不満はあるが、仕方ない。これを使えばホームズに勝てる。そしてダイヤも無事に盗み、生活にゆとりを・・・!)

 

 

今まで失敗しては破壊されてきた馬車やこの兵器たちの修理費によって、既にモリアーティ一味は火の車である。だが、次に盗み出すダイヤさえ手に入れれば、この不景気も回復するだろう。それさえ出来れば、川魚を食べる必要も無くなる。ステーキ、耳以外のパン、それにシャンパン・・・ああ、夢が広がる。

 

それもこれも、ホームズに勝たないと話にならない。明日こそ、最後の決戦と決めたのだ。

 

 

「明日こそ・・・最後の戦いを・・・」

 

 

椅子の背もたれに両手を置き、そしてその手に顔を乗せてゆっくりと眠りに落ちる。一抹の不安と、明日への緊迫感を高めながらも、彼はこっくりこっくりと夢の中へと消えて行った。

 

発光機能のない筈のプテラノドンの目に当たる部分が光っていたことを、モリアーティはまだ知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃別世界の銀座では。

 

突如として現れた巨大なゲートに進行する自衛隊の姿があった。

 

幾人もの陸上自衛隊が銀座からゲートの向こうへと消えて行き、銀座とは違う世界へ行き着く。

 

地球の銀座へと繋がったゲートは、間違いなくその地球にいる者を異世界へと誘っていた。

 

しかし、そのゲートは銀座とは無関係の黒い渦を作り、別の世界の者を誘う。

 

渦は次第に大きくなり、数秒後に消えた。

 

 

「ん?」

 

「どうした、伊丹?」

 

「いえ、何か妙な音が聞こえた気がしたんですけど・・・気のせいだった見たいですね、すみません」

 

 

この時、自衛隊以外の者がこの世界に侵入して来ている事を、誰も気づかなかった。




プテラノドンとスチームカーの改造は後々厳しくなるので仕方のない処置です。え、潜水艦?知らない子ですね。
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