ただ、こうなってくると、もう“君の名は。”は全然関係無くなっちゃいますね。コードギアスに、ただ、三葉が出てるだけって感じで・・・・・だから、三葉視点だけで書いてみました。これは、三葉の物語です。
題して、“三葉・イン・コードギアスワールド”なんちゃって・・・・・
公歴2010年、8月10日、神聖ブリタニア帝国は日本に宣戦布告した・・・・・日本は帝国の属領となり、自由と、権利と、そして、名前を奪われた・・・・・エリア11・・・その数字が、敗戦国日本の新しい名前だった・・・・・
私は、その約1年前、1200年周期で地球に最接近したティアマト彗星の、破片の落下により故郷糸守を失った・・・・・父に連れられ、京都の六家の盟主、桐原泰三の元に身を寄せていた私達は、そのブリタニアの侵攻からも守られたが、たて続きの疫災による心労で、祖母は5年前に他界した・・・・そして父は、3年前、レジスタンスとブリタニア軍の戦闘に巻き込まれて、亡くなった・・・・・友人のテッシーとサヤちんは、今は消息が分からない。レジスタンスに加わっているという話を、大分前に風の便りで聞いたが、今は、何処で何をしているのか・・・・生きていてくれるとよいのだが・・・・・
私と四葉の姉妹は、桐原の家で、住み込みの女中として働いていた。
その日、桐原邸に来客があった。公の客人では無く、裏の、反ブリタニア勢力の客だ・・・・
私は、主にそちら側の接客を担当していた。本日の来客は、最近勢力を拡大して来た、自称正義の味方“黒の騎士団”の幹部だ。
お茶を持って、部屋に入る。桐原さんと向かい合い、3人の黒の騎士団幹部が座っている。一番右にパーマの掛かった短髪の男性、一番左には赤い髪の女性、中央に居るのが、マスクで顔を隠した人物、黒の騎士団のリーダー“ゼロ”だ。
何故かゼロは、私が部屋に入って以降、ずっと私の方に顔を向けている。
お茶を出し、お辞儀をして部屋を出ようとした時、ゼロが口を開いた。
「桐原公・・・・折り入って、お願いがあるのですが・・・」
「・・・何かな?」
「そこの女性を、黒の騎士団に迎え入れたいのですが・・・」
『ええ~っ?』
ゼロ以外の全員が、驚きの声をあげる・・・もちろん、私もだ・・・・
「ちょっと、ゼロ!何を言ってるんですか?」
「そうだ、何故、こんな一般人を・・・・」
2人の幹部は異論を申し立てているが、ゼロは全聞く耳を持たず、すっくと立ち上がり、茫然としている私の前に歩み寄って来る。
「・・・君の名前は?」
「・・み・・・三葉・・・宮水三葉・・です・・・」
「三葉・・・君は、ブリタニアが憎いか?」
「え?・・・」
「ブリタニアを倒し、日本を取り戻したいか?」
「・・・は・・・はい・・」
私は、そう答えた。この人の言う通り、私は、ブリタニアが憎い、日本を・・・祖国を取り戻したい・・・・・
「ならば問題無い、私と共に来い!」
「は・・・はい!」
何故か、素直にそう答えていた・・・自分でも良く分からないが、この人なら信頼できる、この人の力になりたい・・・そんな、気がしたから・・・・・
黒の騎士団のアジトに連れて来られた私は、いきなり、ナイトメアの操縦を教え込まれた。今迄、そんな物には触った事すら無かった筈なのだが、何故か、私は直ぐに操縦に慣れた。シミュレーションも程なくこなし、いよいよ、他の団員との模擬戦を行う事になった。
「何だって?三葉の模擬戦の相手はカレンだって?」
扇さんが、ゼロに抗議をしている。
「何か、問題でもあるのか?」
「大有りだ!三葉を潰すつもりか?」
「ふっ・・・潰れるかどうかは、見ていれば分かる!」
ゼロは、相変わらず抗議には一切取り合わず、私とカレンに指示を出す。
「カレン!手加減はするなよ・・・本気でやれ!但し、輻射波動は無しだ!」
「はい!」
そう返事した後、カレンはこちらを向いて言う。
「三葉さん、悪く思わないでね。ゼロの指示だから、本気でやらせてもらうわ!」
「お・・おい、カレン!」
扇さんは、相変わらずオタオタしている・・・・カレンは、命令だから仕方なく・・・という目では無かった。おそらく、私がゼロに、何かにつけて特別扱いされているのが気に入らないのだろう・・・・でも、それならば、私も負けられない。ゼロは、ここまで私を買ってくれている。その期待に応えなきゃ!
「よし、始めろ!」
ゼロの号令と共に、模擬戦が始まる。カレンの機体は紅蓮弐式、私の機体は月下、機体性能はこちらが不利。おまけに、相手は歴戦の黒の騎士団エース、こちらは今日が初めての模擬戦、結果は火を見るよりも明らか・・・の筈だった。が・・・・・
「な・・・なんですって?」
開始早々、カレンは速攻で輻射波動無しの右腕の攻撃を入れるが、私は、紙一重でそれを交わす・・・・見える、相手の軌道が・・・・引き続き、紅蓮は間髪入れずに突きを放って来るが、私は、最小限の動きでそれを全て交わす。
「このおおおおっ!」
熱くなったカレンは、紅蓮ごとこちらに突っ込んで来る。しかし、こんな派手な動きは、逆に返し易い。私は、体当たりを交わしながら、紅蓮の脚を引っ掛ける。
「し・・・しまった!」
勢い余って紅蓮は転倒。そこに、私はコックピットに寸止めの一撃を入れる。
「そこまで!勝負あり!」
勝った・・・ゼロの期待に・・・応えられた!
カレンとは、しこりが残りそうだが、黒の騎士団員達には私は認められた。扇さんも、あそこまでして私を黒の騎士団に入れた、ゼロの真意をようやく理解したようだった。
だけど、私は、団員にどう思われていようと構わなかった・・・ゼロが、彼が私を必要としてくれている・・・・それだけで、満足していた・・・・・
模擬戦の騒動が終わり、倉庫の隅でひとり休んでいると、不意に目の前に人影が現れる。顔を上げると、そこには、緑色の長い髪をした女性が立っていた。ただ、その恰好は、何やら危ないコスプレのような服を着ていた。
「・・・・久しぶりだな・・・三葉・・・・」
「え?・・・あ・・あなたは・・・誰?」
「C.C.だ。」
え?何て言ったの?・・・C.C.・・・それ、名前?何かの記号じゃないの?
「・・・そうか・・・もう覚えていないんだったな・・・・」
え?・・・何を?・・・・何言ってるの?この人・・・・・・
そう言って、C.C.という人は去って行った・・・・何だったの?あの人?
その後、私は、カレンと並ぶ黒の騎士団のトップツーとして、ブリタニアと闘った・・・・カレンは、やたら私をライバル視していたが、私の方は、特にそのような感情は持っていなかった・・・・カレンよりもかなり年上だったという事もあるが、私はゼロの役にさえ立てれば、それで良かった。見返りは、何も求めていなかった・・・・何故、そのような気持ちになるのかは、分からなかった・・・・・
ただ、ゼロはどうして、初めて会った私を、いきなり黒の騎士団に誘ってくれたのか?何故、私に、ナイトメア乗りの適性がある事を見抜いたのか?その事は、知りたかった・・・・・だからある日・・・・・
「ゼロ、三葉です。入っていいですか?」
私は、ゼロの部屋を訪ねた。
『ああ、入れ!』
私は、部屋に入る。ゼロは、中央のソファーに座っている。部屋の端に、もうひとり・・・例の女、C.C.が居る。彼女は、常にゼロと共に居る。皆の知らないゼロの素顔も、彼女は知っているようだ。ゼロの愛人と、呼ぶ者もいる・・・しかし、私は、そんな事はどうでも良かった・・・・彼女が、ゼロにとってどんな存在であろうと構わない・・・・私は・・・・
「何だ?何か用か?」
「あ・・あの・・・どうして、私を、黒の騎士団に誘って下さったんですか?何故?・・・私の適性を、一目で、見抜かれたのですか?」
すると、ゼロは少しの間、考え込んで・・・・逆に尋ねてきた。
「理由が必要か?」
そう言われて、気付いた・・・・そうだ、理由などどうでもいい・・・今、私は、ゼロの役に立てている。それだけで十分だ、私の立ち位置など、関係無い!
「い・・いえ、必要ありません!失礼しました!」
そう答えて、私は部屋を出た。その後、ゼロとC.C.の会話が少し聞こえてきたが、私は耳を閉ざした。
「いいのか?記憶は無いが、お前に対する忠義心だけが強く残っている・・・・せめて、その理由だけでも、教えてやったらどうだ?」
「いや、下手に知れば、いざという時に、それがあいつの枷になり兼ねん・・・」
「ふっ・・・魔王のくせに、甘い男だなお前は・・・・・」
「うるさい!」
第一次東京決戦、後に言う“ブラックリベリオン”で、黒の騎士団は敗北した。指揮官であるゼロが、作戦途中で失踪したためだ・・・・・私も、ブリタニアに捕えられ、牢に繋がれた・・・・共に捕えられた仲間は、皆、ゼロが裏切ったと彼を非難した。でも、私はそうは思わなかった。きっと、私達には言えない事情があったのだ・・・・そう、信じていた・・・・・
そして、私達の処刑の日、ゼロは、来てくれた・・・・やはり、ゼロは、私達を裏切ってはいなかった。私のゼロへの忠誠心は、更に強くなった・・・・・
そんなある日、突然、私はゼロへの忠誠心の理由を知る事になる・・・・・・
中華連邦を引き込むため、天子の政略結婚に介入した黒の騎士団・・・・その時、私は中華連邦では無く、東京租界に居た。
第二次東京決戦で勝利する為、ゼロはいろいろと仕込みをしていた。そのための資材調達を、私は任されていた。長い間桐原の元に居たため、その裏ルートに精通していたからだ。
その日のノルマをこなし、帰路についている時、町でひとりの少女とすれ違う。髪の長い、まだ高校生くらいの娘だが、私は何故か、その少女と過去に何度も会っているような錯覚を覚えた・・・・でも、そんな筈は無い。私は、8年間京都にいた・・・その前は、ずっと糸守だ・・・ブリタニア人の少女と、会う機会など無かった・・・・・・
少女は、携帯で誰かと話している。彼氏だろうか?時々、聞こえて来る相手の名前は、“ルル”とか言っている・・・・・その時 ――――
突然、頭の中に洪水のように、記憶の波が押し寄せた・・・・何故、今迄忘れていたのか?どうして今、突然に思い出したのか?全く分からないが、8年前のあの日、御神体の山で彼に奪われた、全ての記憶が蘇った!
「る・・ルル・・・ゼロは・・・ルル・・・・」
8年前、彗星落下の1ヶ月前・・・私は、この時代のルルと入れ替わっていた・・・・ルルの影武者として、ゼロの代役もこなしていた・・・・そのルルは、元ブリタニアの皇位継承者・・・妹のナナリーと共に、日本に捨てられた・・・・・
そして彗星落下の日、ルルは私達を助けてくれた・・・私は何度も入れ替わって、彼の心に触れて行くうちに・・・・彼のことが・・・・・・・
私が、ずっとゼロの役に立ちたいと思っていた理由は、これだった・・・・全てを思い出しても、その気持ちは変わらない・・・・だから、これからも、私はゼロの剣・・・・・・
私が改めてゼロに、ルルに忠誠を誓ったその後、あの事件が起こった・・・・・
第二次東京決戦での、フレイヤ弾頭による東京租界の破壊。その爆発に巻き込まれ、ルルの妹ナナリーが・・・・・ルルは、失意に沈んでいる・・・・私は、ルルのため・・・いや、私自身も、ナナリーに生きていて欲しくて、必死にナナリーを探していた・・・・・しかし、その間にルルは、シュナイゼルの罠に嵌っていた・・・・・・
ルルは、裏切り者として、ブリタニアだけで無く、黒の騎士団からも追われる身となっていた。こんな大変な時に、そばに居てあげられなくて・・・・ごめんなさい・・・・
ルルの消息が掴めないため、私は、黒の騎士団と行動を共にしていた。でも、ルルを見つけたら、私はルルの側に付く事を決めていた。
みんな、間違ってる。自分達が、駒としか思われていなかった?どこまでうぬぼれているの?じゃあ、自分達だけで何ができるの?どんな有能な力を持っていたって、それを最大限利用してくれる指導者がいなければ、唯の宝の持ち腐れ・・・・そもそも、殆どの団員は一人一人ではたいした力なんて無い。それを、最大限有効に使ってくれるのがゼロだ!
ゼロの起こした奇跡が、全てギアスのおかげ?ふざけないで!ギアスさえあれば、誰でもあの奇跡を起こせたっていうの?ルルの頭脳が、ルルの力があったから、ギアスをより有効に使えた。あの奇跡が起こせたのよ!
あれだけゼロに助けられて来た癖に、シュナイゼルにちょっと揺さぶられただけで簡単に寝返って・・・・今迄一緒に闘ってきた仲間が、そんなに信じられないの?仲間より、ブリタニアを信じるっていうの?
所詮、あんた達は、ゼロを心から信頼していなかっただけ・・・あんた達こそ、ゼロを利用していただけじゃない!あんた達なんか、駒ですら無いわ!
その2ヶ月後、ルルは第99代ブリタニア皇帝となって、私達の前に姿を現した。ギアスにより、ブリタニアの民を従え、ブリタニアの貴族制度を完全にぶち壊した・・・・
しかし、それだけでは終わらなかった。超合集国の要人を人質に取り、全世界に宣戦布告をして来たのだ・・・・この行為には、私も驚いた・・・・でも・・・・・・
最終決戦の直前、私は単身、ルルーシュ軍の戦闘隊長、ジェレミア卿に闘いを挑んだ。
彼の駆るジークフリードと、私の乗るガウェイン改、戦闘は一進一退の攻防となり、中々決着はつかなかった。
「ふっ・・・しぶとい・・・流石、黒の騎士団のエース・・・・だが、私の忠義に、適う者など無い!」
「ジェレミア卿、あなたは、ブリタニア王家に忠誠を誓ったのではないのか?そのブリタニア王家を崩壊させた、ルルーシュ皇帝に、何故忠義を果たすのか?」
「私は、権威に仕えているのでは無い!よって、私の主は、ブリタニア王家では無い!・・・ルルーシュ様こそが、我が忠義を果たすべき御方なのだ!」
その言葉を聞き、私は決意した。攻撃を止め、武器を捨て、コックピットを開けて、両手を上げて外に出る。
「な・・・何のつもりだ?」
「投降します。」
「な・・・何故だ?」
「ジェレミア卿、あなたの、ルルーシュ皇帝に対する忠義が、本物だと分かりました・・・あなたなら信頼できます。私を、ルルーシュ皇帝のところへ連行して下さい。拘束して頂いて構いません。」
私は、拘束具で縛られ、ルルーシュ皇帝の前に連行されて来た。
「ルルーシュ様、この者が、投降すると言うので、連行して来ました。」
「・・・ご苦労・・・下がって良いぞ、ジェレミア。」
「はっ。」
ジェレミア卿は部屋を出て行き、部屋には、私とルルと、スザクと、C.C.の4人だけになった。
「俺を説得に来たのか?三葉?残念だが・・・・・」
「ううん、そうやないよ、ルル。」
ルルの言葉を、久しぶりに方言まる出しで、私は遮る。
「る・・ルルって・・・お・・・お前、まさか?」
「うん、記憶は戻ってる・・・かなり、前からやけど・・・・・」
「ギアス・キャンセラーか?」
C.C.が口を挟む。
「くっ・・・ジェレミアめ、余計な事を・・・・・」
「何だ?どういう事だ?ルルーシュ?」
スザクが、ルルに問い質す。
「話せば長くなる・・・・後で説明するから、今は黙って聞いててくれ。」
そう言って、ルルは私の方に向き直る。
「記憶が戻っていても、同じ事だ!俺は、この世界を征服する。邪魔をするなら、お前も・・・・」
「邪魔なんか、せえへんよ。私も、ルルを手伝う!」
「な・・・何だと?」
「分かってるよ、ルル。あなたが、何をしようとしているのか・・・・私は知っている。あなたは、自分の私利私欲のために、他者を虐げるようなことは絶対にしない!」
「それは、昔の俺であって、今は・・・」
「ふふ・・・変わらへんね。嘘ばかり付くくせに、肝心なところでは、嘘が下手なんやから。」
「く・・・・・・・」
「ははははは・・・・・お前の負けだ、ルルーシュ。」
「お願い!私にも手伝わせて。私にも、ナイト・オブ・ゼロの称号を下さい!」
「馬鹿な!お前が、そんな十字架を背負う必要は無い!俺達が作る明日で、お前は、今度こそ幸せを掴めば・・・・」
ルルの言葉を、また遮って私は答える。
「それは、私の幸せやないよ。私は、ルルが居なければ、8年前に死んでいた・・・今の命は、ルルからもらった命・・・・その命を最後の最後まで、ルルを助けるために使う・・・・それが、今の、私の幸せ・・・・」
「み・・・三葉・・・・・」
「・・・・ルルーシュ、詳しい事は分からないが、彼女の決意は、例え殺されても変わらないだろう・・・・」
「わ・・・分かった・・・・・三葉!お前に、ナイト・オブ・ゼロツーの称号を与える!スザクと共に、我に仕えよ!」
「あ・・・ありがとう・・・じゃなかった・・・イエス・ユア・マジェスティ!」
こうして私は、またルルの剣となった。
スザクと共に、ルルを支える、2本目の剣に・・・・・・・。
私の書く、三葉の物語は、ここまでで終わりです。
ゼロ・レクイエムの後は、皆さんで創造してみて下さい・・・・・
前回の番外編でも書いたんですが、“三葉の気持ち=私の気持ち”なんですよね。
何で、黒の騎士団は、シュナイゼルの口車に、あんなに簡単に乗っちゃうんですかね?
自分も腹黒いディートハルトや、藤堂しか見えない千葉、頭の足りない玉城は仕方が無いとしても、みんな揃って寝返るかあ?何人かは、ゼロを庇う人が居たっていいと思うんだけど・・・・まあ、一番許せないのは扇だけど・・・自分は、皆を欺いて敵の士官と不倫してたくせに、“ゼロは俺達を欺いていたんだ”等と、どの口がほざけるんだ?こういう奴は、一番リーダーにしてはいけない奴だ!扇が首相の、新制日本の未来は真っ暗だ・・・・・