君のギアスは   作:JALBAS

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彗星落下まであとわずか・・・そんな折、三葉はついに衝撃の事実を知ります・・・・
今迄、多少のトラブルはあっても、うまくいっていたルルーシュと三葉・・・・そんな2人の間に、運命の時が・・・・・・・



《 第七話 》

10月2日朝、三葉の体で目が覚める。彗星落下まで、あと2日・・・明日がどうなるか分からん!今日の内に、行っておいた方が良さそうだ・・・・・

一応、祖母には怪しまれないように、制服を着て四葉と家を出る。そして・・・・

「私、ちょっと京都に行って来るから!」

「ええ?今から?・・・な・・何で?」

「ん~・・・デート!」

「ええ~っ!お姉ちゃん、京都に彼氏がおんの?」

「ああ、まあ・・・そんなとこ・・・」

適当に取り繕って、俺は駅に向かった。

いざ、駅に着いて驚く。電車は、2時間に1本しか走っていない。その1本が出たばかりだった・・・・バスは・・・・・1日に2本。朝の1本が出たばかり・・・・どうやら、飛騨市までは、タクシーで移動した方が良さそうだ。

飛騨から一度名古屋まで出て、新幹線とやらで京都に向かう。ブリタニアの占領後は走っていない車両なので、乗るのは始めて・・・・いや、子供の頃に、一度乗っていたかもしれない?妙な懐かしさがある・・・・・・

窓の外の、ブリタニアに占領される前の日本の景色を眺めながら、俺は考える・・・・

今迄、入れ替わりが2日続いた事は無い。となると、次に入れ替わるのは10月4日当日・・・あるいは、今日が最後になる・・・・そう考えると、全ての準備は、今日終わらせておく必要がある・・・・・・・

京都に着いたのは、昼過ぎだった。

 

京都六家の盟主、桐原財閥の総帥である桐原泰三の屋敷。かつての公家を彷彿させる広大な敷地に、数多くの邸宅と巨大な日本庭園を持つ。

当然、一介の女子高生等が、簡単に入れる場所では無い。門のところで、警備員に止められる。

「何だ?お前は?」

「私が何をやっても、全て見逃せ!」

俺はギアスを放つ。

「分かった・・・好きにしろ・・」

 

桐原泰三は、本殿の縁側に立ち庭園を眺めていた。すると、庭の隅に、見慣れぬ制服姿の女の子が現れる。

「だ・・誰だ?どうやって、ここまで入って来た?」

「宮水・・・三葉と言います・・・・桐原公、今日は、折り入ってお願いがあり参上しました・・・・」

三葉の左目に、赤い紋章が浮かぶ!それは、鶴のように羽ばたき、桐原泰三の目の中に吸い込まれていく・・・・・・

 

 

 

今日は、ゼロとしての活動は無く、普通に学校に行って、放課後は生徒会活動。

大分、こちらの状況も分かってきて、生徒会の仕事にも慣れてきたため、副会長の仕事を行う事はルルから許された。

「ルルーシュ!予算の集計は?」

「ああ、ここにまとめてあります。」

「ルルーシュ!来月のイベントの企画表は?」

「ああ、それならここに・・・」

ミレイ会長の無茶振りにも、何とか対応できている・・・・最も、あらかじめルルが仕込んでおいた物の、最終仕上げをしただけなんだけど・・・・・

「そういえばリヴァル、4日のイベントだけど、もっと何か加えられない?」

「え~っ?もう明後日ですよ!今からなんか間に合わないでしょ・・・・」

「ん~~っ?何か物足りないのよねえ・・・・同じ日の、過去の出来事を捩った企画とか入れられない?」

「・・・・仕方ないですねえ~・・・・」

またまた会長の無茶振りに、リヴァル君はしぶしぶパソコンで、“10月4日”のキーワードで検索を始める。

あら?・・・・不意に、リヴァル君が見ていたパソコンの画面が目に入る・・・・

「てぃ・・・ティアマト彗星・・・・」

「ん?ああ、8年前に地球に最接近した彗星だ、覚えてるだろ?位置的には、エリア11・・・いや、当時は日本か、ここが一番綺麗に見えたらしい。まあ、実際に破片が落ちたくらいだからな・・・」

「え?・・・破片が落ちたって?」

「何だよ?知らないのかルルーシュ・・・何でも、“イトモリ”とかいう土地に落ちて、町がひとつ無くなったって話だぜ!」

「な・・・そ・・・そんな・・・それじゃ・・・・」

何を言ってるの?この人・・・・糸守は、ブリタニアの攻撃で滅んだんじゃ無かったの?

 

部屋に戻ると、C.C.さんがいつものようにピザを食べていた。私は、真っ直ぐ彼女の前まで歩み寄る。

「ん?どうした?何かヘマでもやらかしたか?」

「どうして・・・・・」

「ん?・・・・」

「どうして、嘘をついたの・・・・」

「・・・何のことだ?」

「い・・糸守が、ブリタニアに滅ぼされたやって・・・・何で、そんなデタラメを・・・・」

「・・・何を言っている?」

「とぼけんで!私、ちゃんと調べて来たんよ!い・・糸守は、8年前、ティアマト彗星の破片の落下で滅んだって!」

「・・・そうか・・・・知ってしまったのか・・・・」

C.C.さんは、別に動じる様子も無く、淡々と答える。

「どうして、そんな嘘を・・・私に・・・ブリタニアを憎ませて・・・利用するため?」

「協力を申し出て来たのは、お前だ!ルルーシュも、最初はお前を巻き込むつもりは無かった!」

「じゃあ・・・なんで?」

「余計な混乱を、避けるためだそうだ・・・相手がブリタニアだろうが、彗星だろが、結果的に糸守が滅びる事に変わりは無い。」

私は、涙を流しながら大声で叫ぶ。

「そんな事あらへん!彗星落下が分かってるなら、事前に、町のみんなを避難させることやってできたのに!」

「それは無理だ!」

「どうして?」

「どう言って、皆を避難させる?“未来に行って見て来ました”とでも言うのか?そんな話を、誰が信じる?」

「そ・・・それは・・・で・・・でも・・・・」

「それに、彗星落下で生き延びても、その後は、本当にブリタニアが攻めて来る・・・更なる地獄が待っている・・・・」

「だ・・・だけど・・・・」

それ以上は、何も言えなかった・・・・・・・・

 

その後、ナナリーと共に夕食をとるが、何も喉を通らない。

「どうかなさったんですか?お兄様?」

無言で、何も食器の音を立てない私に、心配してナナリーが声を掛ける。でも、私は何も答えられない・・・・・

私だけなら、逃げる事は可能だ・・・・だけど、私だけ生き延びでどうするの?ずっと糸守で暮らしていた私には、地方に知り合いは誰もいない・・・・糸守以外の知り合いは、8年後のこの世界にしかいない・・・・・そんな中で、ひとりだけ生き延びたって・・・・それに、四葉や、お婆ちゃんや、サヤちんや、テッシーや・・・・・みんなを見捨てて、私だけ逃げるなんて、絶対にできない!

「お・・・お兄様?」

ナナリーが、心配して私の手を握ってきた。

「な・・ナナリーっ!」

私は、思わずナナリーを抱きしめていた。

「お・・・お兄様?どうなさったんですか?なんで・・・・」

ナナリーは、訳も分からず戸惑うばかり・・・・・・

私は、何も言えず、ただ泣くだけだった・・・・・・

 

 

 

京都の帰りに、俺はもうひとつ寄り道をした。糸守町役場、三葉の父の所だ。

ここは、ギアスを使う必要も無いだろう。実の娘が会いに来たのだ、どこかの腐れ皇帝でも無い限り、門前払いはあるまい。

受付で、父に会いたいと告げる。少々待たされたが、すんなりと町長室まで案内される。が ――――

「いったい何の用だ?こんな時間に?」

三葉の父は、机に座ったまま仕事を続け、顔だけをこちらに向ける。

実の娘が会いに来たというのに、何だこの対応は?ブリタニア皇帝もしかり、下手に権力を持つ父親というのは、そんなに家族より仕事が大事なのか?・・・・まあ、あの男の場合は、仕事というよりも野望だがな・・・・・

「ごめんなさい、お父さん・・・実は、折り入って頼みがあって・・・・・」

 




実際、コードギアスの世界なら、糸守の住民の避難なんて簡単にできるんですよね。ルルーシュがギアス使えば一発だし、C.C.が三葉にギアス与えてもいい。ただ、そんな簡単じゃ面白くないので、いろいろややこしい展開にしてみました。
次回は、いよいよ最終回です。
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