駄文ですが、よろしければごらんください。
「ようやくここまで来たんだ・・」
僕、吉井明久は感情に浸っていた。あの頃の僕からは考えられないだろう。文月学園のときの僕は頭が悪くてとても大学にいけるような学力はなかった。それどころか進級できるかどうかってほどだ。でも僕には仲間たちがいた。辛いことも悲しいこともあったけどそれでもやっぱり楽しかった。それに大切な人とも出会えた。
「明久くん、どうしたのよ?」
「いや、何でもないよ・・優子」
僕の顔を覗き込んできた女性は木下優子・・いや今日で吉井優子か。そう、何を隠そう今日は僕と優子の結婚式だ。そして今は式が終わり、この扉の先には僕のいや僕たちの大切な仲間たちが待っている。
「もう、シャキッとしなさいよ。ここでコケるとかなしだからね」
「うん、わかってる」
「何を考えてたのよ」
「僕たちが出会った時のこと」
「あぁ~。あれからいろいろあったわね」
そう、いろんなことがたくさんあった。優子との最初の出会いは2年のときの試召戦争のとき。それから話すようになって勉強も見てもらってそして・・恋に落ちた。付き合いだしたのは3年生になってから。それからたくさんの時間を彼女と過ごしてきた。いろんなところにも行ったし話もした。途中美波や姫路さんから嫌がらせも受けた。そのあと険悪な仲になったけど最後は認めてくれた。他にも雄二が霧島さんに拉致られたりムッツリーニが工藤さんにセクハラを受けたり秀吉が男子から告白を受けたりってこれはいつものことか。でも、どれもいい思い出だ。
「優子、ありがとう」
「なによ急に」
「優子がいたから僕はここまでこれたんだ。だから、ありがとう」
「ふふっ、なら私もありがとう。私を、好きになってくれて」
「うん」
僕たちは繋いだ手を強く握りしめた。そう、僕たちの人生はこれから始まって行くんだ。これからは優子と一緒に人生を歩んでいく。
僕たちはその最初の一歩を踏み出した。
「「「「「おめでとう、2人とも!!!」」」」」
「「ありがとう、みんな!」」
そして式は滞りなく進んだ。そして今は2次会の会場。
「綺麗だったよ優子!」
「・・うん。綺麗だった」
「ありがとう愛子、代ひょ・・翔子」
優子は工藤さんと霧島さんと話してる。まだ霧島さんのことを代表と呼んじゃうのは名残なのかな。それにみんな綺麗になったよ。霧島さんは相変わらず綺麗な髪に顔立ち。少女っぽさが消えて大人の女って感じだ。工藤さんは相変わらず笑顔が素敵だ。髪は学生時代とは違い肩より少し伸びている。優子ももちろん綺麗だ。学生時代のような硬い雰囲気は消えて表情も柔らかくなった。
「おう明久」
「・・・お疲れ」
「よかったのじゃ明久」
あ、雄二とムッツリーニ、それに秀吉だ。僕たちは手に持ったグラスをカチンッと鳴らした。みんな変わらないな。強いていえば大人っぽくなった感じ。顔から幼さが抜けてみんな大人な顔になってるよ。でも秀吉は相変わらずかわいいな。
「ありがとうみんな」
「しっかし、明久が結婚とはな。あの時には考えられなかったぜ」
「・・・驚愕」
「あははっ、確かにそうだね。僕を考えもしなかったよ」
あのことは雄二たちとバカやってた方が楽しかったし。恋愛には興味あったけど相手もいなかったし、何よりFFF団の連中がいたからね。
「そうじゃのう。それに相手が姉上とは予想もできんかった」
確かにそうかも。あの頃の優子は僕たちFクラスとあまり関わりたくなかったみたいだったし。
「じゃが相手が明久でよかったのやもしれん。あのままじゃと姉上、誰とも付き合わず卒業しおったかもしれんし、何よりあのような笑顔を出すこともなかったかもしれん」
秀吉の視線を追って優子を見た。今の優子は本当に幸せそうに笑ってる。高校の時の笑顔はなんていうか、作り笑いというか愛想笑いが多かったし。
「変わったな木下姉」
「・・・綺麗になった」
「そうじゃのう。明久・・いや義兄上。姉上をよろしく頼むのじゃ。姉上をもっと幸せにしてやっておくれ」
秀吉は真剣な表情で僕と向き合った。姉弟だけあって心配だったのだろう。でも秀吉、そんなこと言われるまでもないよ。
「うん。任せてよ秀吉。彼女は、絶対に幸せにしてみせる」
「うむ。それを聞いて安心したのじゃ」
秀吉はほほ笑むように笑った。
「それより3人の方はどうなの?」
僕は3人の方も気になっていた。
「雄二は確か霧島家に婿入りしたんだっけ?」
「ああ、去年結婚式に来たろお前。それからは親父さんの下で働きながら仕事を覚えてるのさ」
「やはり後継者になるのかのう?」
「大まかそのようだ」
雄二は去年霧島さんと結婚して霧島雄二になった。高校のときは霧島さんから逃げ回っていたけど、観念したのか僕たちが付き合うって少ししたら恋人同士になっていた。あの時の雄二は表面的には絶望したようだったけど態度はすごく浮かれていた。なんだかんだ言って霧島さんのことが好きだったんだろう。
「それで?」
「ん?なにがだ?」
「子どもはまだなの」
「ブォッフファァァーー!!」
雄二が盛大に噴き出した。
「バ、バカ野郎!ま、まだに決まってんだろ!?」
「なんじゃ、つまらんのう」
「・・・ヘタレ」
「え~い、黙れ!」
僕たちの非難を雄二が一蹴した。
「まったくお前らは。それよかお前はどうなんだムッツリーニ」
「・・・なにがだ」
「とぼけるな。工藤とはどこまで行ったんだ?」
雄二がニヤニヤしながら聞いてきた。さっきのお返しなのだろう。
「・・・すでに婚約した」
「「「おおぉ!!」」」
ようやくか。工藤さん昔からムッツリーニにアプローチしてたからな。大学生のときなんて押し倒す勢いだったし。
ちなみに高校卒業してからみんなバラバラになった。僕と優子さん、雄二と霧島さんは同じ大学だったけど秀吉とムッツリーニと工藤さん、姫路さんに美波とは離れてしまった。雄二たちは本格的に経営の勉強するために経済・経営系へ。優子は作家になるために文系に。僕も同じね。秀吉はそのまま夢を目指して劇団へ。ムッツリーニは持ち前の俊敏性と情報力で警察官を目指して。工藤さんは医者の道へ。美波はドイツへ留学したし姫路さんは学校の先生になりたくて。
だけどたまに集まって遊んだりしてたよ。僕たちの絆はこんなことじゃ切れないから。
「ようやく腹決めたか」
「おめでとうなのじゃ!」
「ムッツリーニも幸せになるんだね」
「・・・(コク)」
ちなみにムッツリーニは今度警視庁へ勤務するらしい。愛子さんは産婦人科に勤めてるよ。
「それじゃ秀吉は?秀吉、今じゃ有名人だからね」
いまや秀吉はドラマや舞台、声優と活躍する場が多い芸能人だ。演劇で培った堂々とした態度と変声術がお偉いさんの目にとまったらしい。写真集が出た時なんかすごかった。100万冊はゆうに超えたらしい。
「ワシか。ワシもいるのじゃ。誰にも言っておらんがの」
ええっ!まさかの事実に驚愕だよ。僕たちとんでもない秘密を知ってしまったかもしれない。
「マジかよ。これマスコミに売れんじゃね?」
「・・・録音完了」
「やめるのじゃ!騒ぎを大きくするでない!」
ははっ、やっぱりみんなわからないな。あの時と同じで楽しいや。
「あ、明久君。おめでとうございます」
「アキ、おめでとう」
「美波、姫路さん」
姫路さんと美波が僕たちに近寄ってきた。2人ともも綺麗になったな。2人とも若干背が伸びて姫路さんは相変わらずのプロポーションを保ち、美波はスレンダーだ。胸は・・・察してくれ。
「アキ、今変なこと考えなかった?」
「あははっ、何のことかなぁ?」
相変らず胸のことに関しては鋭いな。美波はどうやら通訳の仕事をしているらしい。結婚に関してはまだのようだ。相手がいないんだって。
「明久君。カッコよかったですよ」
「ありがとう姫路さん」
姫路さんは目標通り学校の中学校の先生になったようだ。男子生徒から人気らしい。まぁ、こんな美人な先生がいたらそうなるよな。僕だって学生時代にこんな先生がいたら夢中になるよ。
「なんか懐かしいなぁ」
「確かにな」
「・・・楽しい」
「学生時代を思い出すのう」
「あの頃は大騒ぎだったわね」
「ですけど、楽しい思い出です」
僕たちが懐かしい感情に浸ってると優子たちが来た。
「あら、勢ぞろいね」
「みんな、久しぶり!」
「・・・しばらく」
これで全員そろったね。3年のときはずっとこのメンバーでいたし。途中美波や姫路さんとあったけど、それでも今はこうして笑いあってる。やっぱり仲間は大切だなって思うよ。
それから僕たちは他愛もなくもどこか楽しい会話を続け、2次会が終わった。
それから僕たちはホテルに戻ってきた。みんなもこのホテルに泊まって明日帰る予定だ。
「疲れたね」
「そうね。それに緊張したわ」
僕たちはベットに座り優子は頭を僕の肩に乗せた。そして自然と手を握り合う。
「これで私たち・・・夫婦になったのよね」
「そうだよ。僕たちは夫婦だ」
夫婦。その言葉にドキッとするけど同時にうれしさも込み上げてくる。
「明久くん」
「ん?なに?」
「・・・幸せになりましょう」
「うん。絶対にしてみせるよ」
そう言い僕たちは唇を重ねた。しばらくして唇は離れお互いを見つめあっていた。優子の瞳が潤んで僕を求めているのがわかる。結婚式の後の2人の夜、俗に言う初夜というものだ。そう考えると胸から熱いのが込み上げてくる。それに今のキスでスイッチも入っちゃったようだ。
「優子・・」
「明久くん・・」
そして僕たちは幸せを感じながら夜に溺れた。
そして、あれから十数年の時が流れた。
一面ピンク一色で綺麗な桜並木。それは誰もが目を奪われる光景だろう。そしてその並木道を通る男女2人がいた。二人とも年齢は15,6歳の制服を身に纏っていた。男はぼさぼさの髪で色は茶色。目元はおっとりとした朗らかな雰囲気を纏った生徒。反対に女の方は綺麗なセミロング。こちらも茶髪。綺麗な顔立ちで目が少しキリッとした生徒。そしてこの2人顔立ちが若干似ている。そう、2人は兄妹なのだ。
「急いで兄さん」
「そんなに急がなくても大丈夫だよ」
「もう、だらしないんだから」
でも性格は正反対のようだ。男子生徒の方は見た目通りゆったりとした性格で女生徒の方は真面目なようだ。
「おはよう、2人とも」
「おはようございます西村先生」
「おはよう鉄じ・・・西村先生」
「ああ、おはよう。それと今鉄人と言わなかったか?」
「あははっ、気のせいですよ」
2人に先生と呼ばれた男性は呆れたように息を吐いた。彼は西村先生。2人が通う学園の教師だ。鉄人というのは彼のあだ名みたいなものだ。
「まったくお前は。父親と変わらんな。ほら2人とも、受け取れ」
「「ありがとうございます」」
西村先生から2人に封筒を差し出された。
「でもなんで振り分け試験の結果をわざわざ手渡しなんですか?張り出せばいいのに」
「これは昔からの伝統みたいなものだ。それにしてもお前はホントに父親に似てるな」
西村先生は僕たちの両親がここ文月学園に通っていたときの担任らしい。といっても父さんのだけど。
「まあいい、新しい学園生活を満喫しろよ。吉井兄弟」
「はい」
「は~い」
僕たちは学園に向かって歩きだした。
いかがでしょうか?
思いつきで書いたので荒削りです。
そしてアンケートですが、この続きを書こうかどうか迷っています。
これの続きが見たいという方はぜひコメントをください。
もちろんアンケートにかかわらず感想などもどんどん書いてください。
それでは失礼しました。