皆さん、ありがとうございます。とりあえずどうぞ。
バカテスト
英語
問1 次の本文を日本語に訳しなさい。
Please let me know the way to a station.
吉井明花音の答え
『駅までの道を教えてください』
教師のコメント
正解です。さすが吉井さんですね。
霧島翔平の答え
『駅までの道のりを教えてください』
教師のコメント
おしいですね。道のりはdistanceになります。覚えておきましょう。
土屋康貴の答え
『お願いします・・・』
教師のコメント
お願いされても点はあげません。
僕は鉄人から手渡された封筒を開け、自分のクラスを確認した。
『吉井優人 Fクラス』
やっぱりか。まぁ、わかってたけどね。
「兄さん、やっぱりFクラスにだったんですか?」
「やっぱりは余計だよ。それに翔平が面白いことやるって言ってたからね。おそらく試召戦争でもやるんじゃない」
試験召喚戦争または試召戦争。それはこの文月学園で採用されている特殊なシステムのこと。学生の学力低下を防ぐため、編み出されたのが試験召喚システム。テストの点に応じて強くなる召喚獣を戦わせ教室の設備を奪うのが目的だ。教室の設備はクラスごとに違う。最上位のAクラスは設備かよく、逆に最低位のFクラスの設備は劣悪だ。だから生徒はクラスの設備を奪うためもしくは奪われないために勉強する。そしてこの文月学園にはテストの点に上限がない。つまり時間内にどれだけ問題を解いてもいいのだ。だからAクラスだと200点や300点を取る人たちが沢山いる。
ちなみにこのシステムを設計したのは現学園長の藤堂カヲル通称妖怪ババァ長。父さんの頃から学園長をしていたらしい。それが本当なら妖怪というのもあながち間違いではないかも。
「まったく。兄さん、試召戦争もいいけどあまり人様にご迷惑をかけてはいけませんよ」
「わかってるよ」
僕は苦笑を漏らして明花音の頭を撫でた。するとさっきまで真面目だった顔が一瞬で崩れた。昔から明花音は頭を撫でられるのが好きだよね。そんなにいいものなのかな?
「兄さんだからいいんです」
明花音ぇ~、勝手に考えを読まないでくれる。
「ちなみに明花音はどこなの」
明花音は無言で用紙を僕の前に突き出した。
『吉井明花音 Aクラス』
やっぱりか。明花音は頭がいいからね。ということはいずれ敵になるのか。できることなら戦いたくないな。っと、なんだかんだと話していたらAクラスの教室前に着いた。すこし中を覗いたけどすごいな。まるで高級ホテルみたいだよ。中は広いし机の1つ1つにパソコンまで常備してるし、お菓子やジュースなんかもある。う~ん、これを見るとちょっとおしいことしたかなって思うよ。
「えへへ、兄さん羨ましいでしょ?」
「ん~、どうかな?」
「兄さんはすぐ顔に出るからわかりやすいんですよ」
そんなに出てるかな?自分じゃわからないから確かめようがないんだけどね。
「それじゃ僕は行くよ。またね」
「はい。あ、兄さん。いつでも遊びに来てもいいですからね」
そう言って笑顔で手を振る明花音と別れた。
そして僕は自分のクラスになるFクラスに来た。そこで僕は愕然とした。見た目はボロ小屋でところどこを腐っている。手に触れただけで壊れそうだ。
「はぁ、噂には聞いていたけど本当にひどいな。」
僕はタメ息をつきながら扉を開けた。
「遅いぞ、このウジ虫が」
入室直後にいきなり罵倒されたよ!?。まったく、一体誰だ!
「ん?やっと来たか優人」
誰かと思えば翔平じゃないか。翔平は教卓の前でふんぞり返っていた。
彼は霧島翔平。長身でがっちりした見た目通りスポーツが得意でよく部活の助っ人なんかしていた。何故部活に入部しないのか聞いてみたところ、「縛られるのはゴメンだ」らしい。
「ところでなんで翔平は教卓の前にいるの?」
「ああ、オレはクラス代表だからな。クラスを見ていたんだ。こいつらがどういう奴らなのか気になってな」
翔平がクラスメイトに視線を向けたので僕も追って視線を向けた。クラスメイトはゲームしてたり友達と話してたりマンガを見たりしていた。さすがFクラス、勉強のべの字もない。
「正直こんな連中でAクラスを倒せるか不安だったがお前らがいるならなんとかなるかもしれねぇな」
「やっぱりやるんだ、試召戦争」
「あったりめぇだ。俺はなこのメンツでFクラスに勝利して親父を超えるんだ」
翔平は強く拳を握った。翔平のお父さんもここの生徒だったらしくしかも翔平と同じくFクラスの代表だったらしい。そしていままでの試召戦争の歴史の中で唯一FクラスがAクラスを追いつめた時でもあったらしい。翔平はお父さんに憧れているからね。いつか親父を超えるんだ、って言ってるからね。
「ごめんね。ちょっといいかな」
後ろから声をかけられ振り向くと先生がいた。入口で話しこんでしまって塞いでたね。気付かなかった。
「ごめんなさい」
僕は入口から遠退き席に着いた。と言っても席は決められておらずしかも机ではなく卓袱台に畳だ。これは本当にひどいな。
「私がFクラス担任の・・河合純一です。皆さんよろしく」
覇気のない顔でヨレヨレのスーツを着た河合先生が黒板に名前を書こうとしていたようだけどやめた。どうやらチョークすらないようだ。ここでは勉強させる気ないのかな。
「では、廊下側の席の方から自己紹介をお願いします」
廊下側の1番前の席から自己紹介が始まった。しかしほとんど男子生徒だ。女子はやっぱりいないのかなと思っていたら透き通った声が聞こえてきた。というかこの声は。
「木下秀香です。演劇部に所属してます。よろしくお願いします」
やっぱり秀香だ。綺麗なロングの髪に見事はプロポーションで顔もよくかわいいというより綺麗と言う言葉が似合う学園で人気な生徒だ。秀香とは親戚であり幼なじみなんだ。そして秀香の父親はあの有名な木下秀吉だ。父親の影響で演劇に興味を持ったらしい。
『よっしゃあぁ!木下さんと同じクラスだ!』
『やっぱり綺麗だな』
『これで1年楽しくなりそうだぜ』
クラスからそんな会話が聞こえてくる。これだけでも秀香が人気だということが分かる。ちなみに席は僕の斜め前だ。
それから数人の自己紹介が終わり僕の前の席の人が立った。
「あ、あのぅ・・お、音無ぃ・る、瑠夏ですぅ。よ、よろしくお願いしまひゅ・・ぅぅ噛んじゃった」
『『『かわいいいいぃぃぃぃぃぃ!!!』』』
ああ、瑠夏だったか。彼女も僕の知り合いだ。知り合ったのは1年生の頃。ある日僕のクラスに転校してきたのだ。でも引っ込み思案の性格からなかなか友達ができず孤立していたところを僕が話しかけたのが切っ掛け。見た目のかわいさとオドオドした態度から妹的なポジションに立っている。
『かわいいよ瑠夏ちゃん』
『オドオドした態度が萌える』
『はぁ、はぁ、瑠夏ちゃん』
瑠夏の人気も大概だな。それと最後のやつ、瑠夏に近づけないほうがいいな。っと次は僕か。
「吉井優人です。気軽にダーリンと読んでください」
『『『ダァーーーリン!!』』』
ボケのつもりで言ってみたけど予想以上に不愉快だ。
「失敬。いまのは忘れてください。とりあえず、よろしくお願いします」
僕の自己紹介が終わると秀香と瑠夏が話しかけてきた。
「ユウくん。いまのはどうかと思うよ」
「いやぁ、ちょっとボケてみようかと思ってたんだけど予想より斜め上の答えが来たことに驚いてるよ」
「でもお兄ちゃんと同じクラスでよかったですぅ」
秀香が苦笑し瑠夏はほほ笑んでいる。そして瑠夏はなぜか僕のことをお兄ちゃんと呼ぶ。いろいろと誤解を招きそうだったのでやめさせようとしたのだがそのたびに「だめぇ・・ですかぁ?」と涙目上目使いで見てくるのであきらめた。
「霧島くんは代表なので最後にします。それでは次の方よろしくお願いします」
「はい」
先生の呼びかけに答え翔平の前の席の人が立った。あれ、あの後ろ姿は。
「小鳥遊結衣です。趣味は料理です。よろしくお願いします」
やっぱり結衣だ。あの赤い髪に堂々とした佇まい。彼女しか考えられなかった。彼女も1年の頃からの知り合いでよく翔平たちと遊んでいた。本当は彼女はAクラス並の実力があるのだが体調不良で倒れ無得点となってしまったんだ。そのことを抗議したけど結局取り合ってもらえなかった。今思い出してもイライラしてくる。
「結衣、もう大丈夫なの?」
「ゆ、優人!?え、ええ大丈夫よ。ありがとう」
結衣の少しオドオドした態度が気になったけどとりあえず大丈夫そうだな。よかったよ。
それから数人が終わり翔平の横の席の人の自己紹介が始まった。
「・・土屋康貴です。趣味は盗さ・・いえなんでもない、よろしく」
あの一拍置く話し方は間違いない康貴だ。彼も僕の知り合いだ。出会いは中学の時だったかな。
「土屋くんで終わりですね。それでは最後に代表の霧島くん。前に出て自己紹介をお願いします」
「へぇーい」
翔平は教卓前に立ちみんなを見て言い放った。
「代表の霧島翔平だ。代表でも霧島でも好きなように呼んでくれ。それでいきなりだがみんなに相談だ」
翔平は一拍置いて自信満々に言った。
「お前ら、試召戦争をしないか?」
これから波乱の1年になりそうだ。
いかがですか?
最初は原作と同じ流れにしてみました。
実は優人たちを全員Aクラスにするか今回のようにFクラスにしようか迷っていました。
皆さんはどう思いますか?
感想をお待ちしております。