僕たちの未来と受け継がれるもの   作:カミト

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キャラ設定を少し変えました。

教科は現代国語、古典、数学、物理、化学、日本史、世界史、現代社会、英語、保健体育、総合科目

総合科目のクラス平均
Fクラス500点
Eクラス1000点
Dクラス1500点
Cクラス2000点
Bクラス2500点
Aクラス3500点

を基準とします。


試召戦争と妖怪と

「ほう、さっそくFクラスが試召戦争を仕掛けるのかい」

 

机に頬をつき、愉快そうに笑う人影。名は藤堂カヲル。この文月学園の学園長兼試験召喚システムの開発者。学園長はもういい年なのだが未だ衰えた様子がない。生徒の間では『妖怪では』と噂されるほどだ。

 

「はい、そのようですね」

 

学園長の言葉に頷いたのは橋本棗。黒髪を肩まで伸ばし、眼鏡をかけた女教師。

 

「ほほぅ、威勢がいいね」

 

「学園長、笑っていますがそれほど楽しいことでしょうか?」

 

橋本先生は疑問に思っていた。Fクラスが上位クラスに挑むことがそんなに楽しいことなのだろうか。傍から見れば無謀としか思えない。だが学園長は愉快そうに答えた。

 

「ああ、あのバカどもならこれくらいやると思っていたさ。それもあのクソジャリどもの子ならね」

 

「どういうことですか?」

 

「あんたは知らないのも無理はないさね。もうずっと前の話だからね」

 

学園長は目元を細めた。昔を懐かしむかのように。

 

「それでは学園長」

 

「ああ、承認するさね」

 

学園長は懐からボールペンのようなものを取り出した。グリップを数回回転させ尻の部分をノックすると先から光が漏れ、目の前に小さなスクリーンが映し出された。映し出された画面の承認のアイコンをタッチした。これはナーヴ。文月学園のスポンサーの会社が開発した最新機器。ナーヴにはパソコンと財布、携帯電話、カメラ、ボールペンと体温計、心拍計、毛抜きを1つにまとめたものだ。しかしナーヴはまだ一般には売りだされていない。ならなぜ文月学園にあるのかというと、文月学園は進学校であると同時に新技術の試験運用も兼ねた学園だ。学園に投資してもらう代わりにこういった新技術の運用データを提供するといった関係で学園は成り立っている。

 

「便利ですねナーヴは」

 

「まだ試験運用段階さ。問題点も多い、まだ改良の余地はあるさね。あと橋本先生、例の書類は」

 

「はい、こちらにってわぁ!」

 

橋本先生は書類を手に学園長に近づこうと踏み出した時に足が引っ掛かって転んだ。書類は転んだ拍子にパラパラと散らばってしまった。

 

「まったく、何やってるさね」

 

「す、すみません」

 

学園長は呆れ、橋本先生はせっせと書類を集める。普段はしっかりしているのに偶にこういうミスを犯してしまう。

 

「さぁて、あのガキどもはどうなるのかね」

 

 

 

 

 

 

 

 

現在午後1時30分。Fクラス対Dクラスの試召戦争の真っ最中。試召戦争が始まって彼此30分。戦況はこちらが押されている。相手はDクラス。全体的には下位クラスと言ってもFクラスよりは遥かに上のクラス。結果は誰が考えてもこうなるよね。

 

「ふむ、やっぱりこうなったか」

 

「翔平、やっぱり僕たちも出た方がいいんじゃない?」

 

現在拠点となっているFクラスには代表の翔平と僕、結衣、それと護衛が数人。秀香は前線の指揮に康貴は情報収集に出ていてここにはいない。

 

「いや、お前らはまだここにいろ」

 

「でもこのままだと押されっぱなしじゃないの?」

 

結衣の言うことももっともだ。僕と結衣は最初の30分でテストを受けてきた。と言っても1,2教科だけだけど。

 

「慌てんな。使いどころってもんがあるんだよ。とりあえずは康貴が帰ってきてからで・・」

 

「・・帰った」

 

「来たか。それでどうだ?」

 

康貴は懐からナーヴを取り出して壁にスクリーンを映し出した。

 

「・・最初にDクラスの代表は久本隆道。卓球部所属。今は本陣のDクラスにいる」

 

スクリーンに久本君の写真が出た。髪は短髪で若干釣り目の男子だ。

 

「なるほどな。現在の詳細な状況はどうだ?」

 

「・・現在階段付近で両クラスの主力部隊が交戦中。Fクラスが若干押されている状況。Dクラス本陣にも護衛が数人」

 

これは苦しい状況だ。このままだと主力部隊を突破されるのは時間の問題だ。

 

「よし、音無行って来い!」

 

「わ、私ですかぁ!?」

 

瑠夏は軽く飛び跳ねるくらい驚いた。

 

「ああ、音無は英語の点はAクラス並みだ。音無を筆頭に一点突破する。護衛に木下を付ける」

 

「そのまま瑠夏が久本君を打ち取るの?」

 

「いや、いくら音無の英語がAクラス並みとはいえさすがに無理だろう。だからDクラスまで突破しろ。そのあとはFクラスの連中を突入させる。その混乱に乗じて優人、お前が打ち取れ」

 

翔平が僕を指差した。みんなの視線も僕に集中する。

 

「えぇ!?な、なんで僕なの!?」

 

「お前は歴史系なら高いからな。Dクラス程度なら問題ないだろう。音無の後ろにFクラスの連中を着けるからお前はその中に紛れ込んで打ち取ってこい」

 

「はぁ、わかったよ。瑠夏、頑張ろう」

 

「は、はい!お兄ちゃんがいれば安心ですぅ!」

 

瑠夏は胸元で拳を固め気合を入れた。その姿がかわいくてほんわかすることは瑠夏には秘密だ。

 

「ねぇ坂本君。私は?」

 

何も指令を受けてない結衣はどうすればいいか翔平に聞いた。

 

「お前はここにいろ。お前はここの護衛だ」

 

「りょ~かい」

 

結衣は少し不満げに返事し僕たちに目を向ける。せっかくの試召戦争だからやりたかったのかな。

 

「優人、しっかしやりなよ。決め手は優人なんだから」

 

「わかってるよ。行ってくるね結衣」

 

僕は結衣の頭に手を置き、軽く撫でた。

 

「い、いきなり何してんのよ!?」

 

結衣は顔を真っ赤にして抗議した。

 

「ごめん。いやだった?」

 

「べ、べつに嫌とかそういうのじゃ・・」

 

結衣は俯いて黙ってしまったが優人からは見えないが口元が軽くニヤついている。

 

「ぶぅ、お兄ちゃん!私にもしてください!」

 

「ん?はいよ」

 

「ほわぁぁ」

 

瑠夏も撫でてやると顔が蕩けた。そんなにうれしいのかな?

 

「まったく、バカやってねぇで早く行け」

 

「了解。行くよ瑠夏」

 

「ほわぁぁ・・はっ!ま、待ってくださいぃ!」

 

僕は瑠夏を連れてFクラスを出た。

 

 

 

 

 

前線と合流し秀香に声をかけた。

 

「秀香」

 

「来たねユウくん。作戦は聞いてるからいつでもいいよ」

 

「うん。じゃあ瑠夏、お願いね」

 

「は、はいぃ!」

 

瑠夏は緊張した様子で最前線へ向かって行った。

 

「あはは、瑠夏をよろしくね秀香」

 

「まかせて。絶対守るから」

 

秀香も瑠夏を追って前に出た。

 

「え、Fクラスのお、音無瑠夏がぁ、勝・・負を申し込みましゅ・・」

 

えっと、大丈夫かな瑠夏。

 

 

 

 

 

「え、Fクラスのお、音無瑠夏がぁ、勝・・負を申し込みましゅ・・」

 

ぅぅ、また噛んじゃったぁ。恥ずかしい。

 

『か、かわいいな』

 

『どうしよう、お持ち帰りしたい』

 

『この胸の高まり、これはすなわち恋!』

 

皆さんが何言ってるかわかりませんがやります!

 

「え、榎本先生。お、お願いします」

 

「はい、承認します」

 

「試験召喚獣召喚『サモン』」

 

起動キーを唱えると鎧を着て大きなランスを構えた小さい私が出てきた。

 

Fクラス 音無瑠夏      Dクラス 多数

英語   391点   VS     平均123点

 

『『『な、なんだって!』』』

 

「いきます!」

 

私はランスを正面に構え突貫した。

 

『は、早いぞ!』

 

『ぎゃああぁぁ!』

 

『『枦倉!!』』

 

近くにいた召喚獣を貫いて消し飛ばした。するとどこからともなく鉄人が現れました。

 

「戦死者は補習!」

 

鉄人は片手で男子生徒を担ぎあげました。先生もいいお年ですのにどこにそんな力が。

 

「い、いやだー!補習室はいやだー!」

 

「黙れ負け犬が!さっさと行くぞ!」

 

「ぎゃあああぁぁ!!」

 

先生は男子生徒を連れて行ってしまった。その様子をただ見ているしかなかったDクラス。スキはここしかありませんね。私は再び突貫を仕掛けました。

 

『ぎゃああぁぁ!』

 

『みんな散らばれ!正面からでは太刀打ちできない。側面から攻撃だ!』

 

その支持を聞いたDクラスは左右に分かれ私に攻撃を仕掛けてきた。

 

「させないよ!サモン」

 

すると後ろから秀香さんの召喚獣が援護してくれました。袴姿で長刀を構えたポニーテールの秀香さん。うまく攻撃を反らしてくれました。私はこのままDクラスの教室まで行きます!

 

『まずい。誰か止めろ!』

 

『だめだ!間に合わない!』

 

ようやくDクラスが見えました。私の役目はここまでです。後はお願いします、お兄ちゃん。

 

 

 

 

 

瑠夏が作ってくれた道を通って僕たちはDクラスに乗り込んだ。廊下を走っている間は他の人たちの間にいたため誰にも気づかれずにここまで来れた。さて、ここまで頑張ってくれた瑠夏と秀香に答えるとしよう。

 

『おぅら!死ねや!』

 

『Fクラスのくせに生意気な!』

 

『消えろザコが!』

 

『まだまだ!』

 

他の連中もFクラスの面々に気を取られて気付いてない。僕は代表の久本君を探した。運よくすぐに見つけることができた。

 

「いた!久本君!Fクラスの吉井優人がDクラス代表の久本君に日本史の勝負を申し込む!」

 

「な、なに!?」

 

僕からの勝負の申し込みを聞いて召喚フィールドが展開された。

 

「サモン!」

 

「サ、サモン」

 

 

Fクラス 吉井優人  VS  Dクラス 久本隆道

日本史  216点           162点

 

 

袴に羽織を着た僕の召喚獣が久本君の召喚獣を一閃して決着はついた。

 

 

 

 

 

「さて、交渉に入ろうかDクラス代表」

 

「わかったよ。教室の開け渡しは明日でいいかな」

 

試召戦争のルールで勝ったクラスは負けたクラスの設備と交換することができる。だから僕たちは卓袱台と畳から一般的な教室の設備と交換することができる。けど翔平は首を振った。

 

「いや、設備の交換はしない」

 

翔平の言葉に両クラスがざわざわと騒ぎ始めた。

 

「いいのか?こちらとしてはありがたいけど」

 

「ああ、オレたちの目的はあくまでAクラスだ。Dクラスの本来の目的は召喚獣の操作の練習とモチベーションのアップだからな。その代わりDクラスと協定を組みたい。内容はまた後日でいいか?」

 

「・・わかった。それで設備が守れるなら構わない」

 

「交渉成立だな」

 

翔平と久本君は握手をかわした。

 

「FクラスがAクラスに下剋上か。頑張ってよ」

 

「社交辞令だがありがたく受け取っておこう」

 

翔平はFクラスのみんなに顔を向けた。

 

「今日はよくやった。これでわかったか!俺たちFクラスだって上位のクラスに勝てるってことを!」

 

『そうだ!俺たちだってやればできるんだ!』

 

『このまま打倒Aクラスだ!』

 

クラスの士気も高まった。目的は達成かな。

 

「次の試召戦争までに点数の補充をしとけよ。それじゃ解散だ!」

 

これで本日の試召戦争は終わりを告げた。

 




いかがだったでしょうか?

橋本先生は高橋先生の親戚という設定です。


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