半端者   作:雪の箱の世界

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今回は原作のシーンが多めです。


3話『唐突で強引な戦いの始め方』

 俺は隊長である光の元へ向かうと既に三輪隊は人型ネイバーとの戦闘が開始されていた。光はその近くで駅を見渡させる場所で三輪隊の戦闘を視察していた。

 

「光さ、相変わらず面倒なことばかりするなよ…」

俺は光の元に着いて、第一声で小さなため息を吐いて、光に呆れたように言った。光はニコッとした笑顔を浮かべて、

 

「だって、人型ネイバーがどんなのか気になるやん!」

戦いの様子を観察をしていた光はあり余るような好奇心が抑えきれいない表情を見て俺は理解をした。

 

(あっ、もう俺には止められないな)

 

と。俺は確信した。

 

「それで光がお目当ての人型ネイバーを見れたのか?」

俺は質問に光は笑顔を浮かべ嬉々しながら指を指して答えた。

 

「ほら!

あのハクハツの子がネイバーだったんだ。三輪隊が今戦ってるの!」

三輪隊が既に人型ネイバーとの戦闘を仕掛けていた。ざっと見た感じでは三輪隊の優勢に見える。

 

俺は光に尋ねる。

 

「お前は戦いに行かないのか?」

俺の問いに光はニコリとした笑みで答えた。

 

「うん?

だって、三輪隊には悪いけどどの程度の実力か偵察しないと。それに私1人が入った所で三輪隊の連携のリズムが崩れるだけで邪魔なだけだよ」

と答えた。光はああ見えて、打算的な所が多々ある。俺自身も光のそーゆう所は理解していた。

 

「そうか」

俺は光の言う理由に納得をして、俺と光は三輪隊と人型ネイバーの戦いを観戦し始めた。

 

 

 *** *** ***

 

 三輪と米屋は遊真との戦闘を既に初めていて、遊真は三輪と米屋の息のあった連携の前に防戦一方になっていた。

 

 遊真は駅の壁際まで追い込まれて、状況的に三輪と米屋が遊真を挟んだことになる。

 

「挟んだ!」

米屋は遊真が逃げられないことを好機と思い、三輪と共に近距離まで近づいて斬り掛かったが

 

『弾』印(バウンド)

遊真は空中機動力用トリガーのグラスホッパーとはまた違うような印を足元に展開をし、物体を撥ねとばす要領で自身に印を踏んでジャンプしてピンチのような状況を見事回避した。

 

「狭い所だとめんどうだな」

遊真は小さく呟きつつ、これまでの三輪と米屋との戦闘を冷静に分析をした。

 

 だが、次の瞬間、二つの銃弾が飛んでいる遊真に無慈悲に襲った。

 

 

---ビシュ!!

 

 

 

 遊真は二つの銃弾の内、片方の銃弾は躱したが、もう片方の銃弾は右手をに当たって右手を吹き飛ばされた。

 

 

 *** *** ***

 

「チッ」

遊真の狙撃に不満があったのか狙撃をした男は舌打ちをした。

 

『当てた!

流石、奈良坂先輩』

もう1人の狙撃をした少年。古寺は当てたことに尊敬の意を込めた声を上げたが奈良坂は先ほどの狙撃をすぐさま否定をした。

 

『あれは()()()。即死させるチャンスだった』

奈良坂はそう言って次の展開を頭に描き始めた。

 

(この距離じゃもう当たらないな)

と奈良坂は思い、三輪隊の後輩狙撃手(スナイパー)の古寺に指示をした。

 

『俺はヤツが()()()()()()()()()()()()()()()()()。お前はここで牽制し続けろ』

奈良坂はそう指示をして古寺は忠実に指示を従った。

 

『了解!』

と言い、再び狙撃手(スナイパー)の戦闘用トリガーのイーグレットを構えた。

 

 

 *** *** ***

 

 遊真は狙撃された右腕から漏れ出しているトリオンを抑えていた。

 

「遊真くんの右腕が…」

雨取は口元を抑えながら、驚嘆したような声を上げて心配そうな表情をしていた。三雲は冷や汗を掻きながら、これまでの遊真と三輪隊の戦闘を見てあることを思っていた。

 

(やっぱり、無茶だ。A級隊員に狙撃手(スナイパー)まで…

いや、それにしても…)

と三雲が思った所で、米屋が三雲が思っている大部分のことを代弁して残念そうに呟いた。

 

「あーあ。やっぱ一対一(サシ)でやりたかったなー。反撃がないとイジメみたくなっちゃうじゃん」

 

(そう…

空閑にしては大人しすぎる)

三雲はこの疑問を遊真の相棒で自律型トリオン兵であるレプリカに聞いた。

 

「空閑はなんで反撃をしないんだ?

空閑の強さはあんなもんじゃないはずだろ」

三雲の問いにレプリカは

 

『ふむ。私が考えるに理由は二つある』

と言い、続けてその理由について話し始めた。

 

『まず、一つは単純に相手の位置取りが上手い。近づくときは絶えず片方がユーマの死角に回り込み、ユーマが一方を相手にすればもう一方がすぐにその隙を突けるように動いている。ユーマは広い場所に出て挟み撃ちを回避しようとしたが、それも読まれていて狙い撃たれた。なかなか戦い慣れた部隊(チーム)だ』

レプリカの一つ目の理由に三雲はより不安に感じ、

 

「じゃあ普通に手も足も出ないってことなのか?」

と三雲は聞いた。

 

『いや、確かに手強いがユーマが勝てない相手ではない』

とレプリカは言って、二つ目の理由について話した。

 

『ユーマが反撃しない二つ目の理由は修の立場を考えているのだろう』

 

「ぼくの…?」

三雲はその理由について首を傾げながら聞いた。遊真が何故、三雲を守るのかの理由に三雲自身に心辺りがなかった。

 

『オサムがせっかくB級になれたのに自分を匿ったせいでそれが無になるのかもしれない。そう思って平和的に交渉を試みたが相手は聞く耳を持たなかった。オサムの立場を悪くしたくはないがかといって大人しく殺される訳にもいかない。いま、ユーマは()()()()便()()()()()()()()()()()を考えているだろう』

 

「そんなやり方で勝てるのか?」

と三雲は理由について納得しつつも聞く。

 

『難しいと思うが決めるのはユーマ自身だ』

レプリカは人任せな言い方だがこれは遊真とレプリカのある種の信頼関係とも読み取れる。

 

「遊真くんって本当にネイバーなの?」

今まで三雲とレプリカの会話を聞いていた千佳が不意に質問をした。

 

「そうだ。でも他のネイバーとは違う。ぼくは何度も空閑に助けられたし、ネイバーだけど空閑とは友達だ」

と三雲は言い終え、続けて千佳に問う。

 

「千佳はどう思うんだ?」

千佳は遊真と初めて出会ったことを思い出し、まだ出会って数時間だが悪い印象はなかった。

 

「うん。私もそう思う」

と、千佳は自分の思ったことより控えめに答えた。

 

 

 そして再び遊真と三輪隊の戦いに戻る。

 

「手古摺らせるな。ネイバー」

三輪は冷徹に言い放ち拳銃に手を掛けて

 

「そろそろ観念して大人しく死ね」

と言い、再び銃口を遊真に向ける。

 

 三輪が銃口を向けた刹那に米屋が槍で肉迫するように槍で突いたが遊真は難なく躱す。その隙をついて三輪が何発か銃弾を遊真に撃ち込む。

 

『盾』印(シールド)

遊真は死角から撃たれる銃弾を読み取って防いで見せようとしたが銃弾が遊真のシールドは銃弾を防ぐ筈だが()()()()()

 

 何発か左手に被弾した遊真に重りのようなものが付与され、その重さに遊真は耐えられず思わず膝を着いてしまった。

 

「重っ…

なんじゃこりゃ」

流石の遊真も初めての想定外の状況になってそう呟き、レプリカがすぐに遊真に付着した重りについて調べた。

 

『トリオンを重しに変えて相手を拘束すりトリガーだ。直接的な破壊力がない代わりにシールドと干渉しない仕組みのようだ』

レプリカの解説に遊真は納得して、

 

「これで終わりだネイバー!」

三輪と米屋は重りに膝をついた遊真を今が好機だと思い、トドメを刺すべく近接戦に寄って斬り掛かった。だけど、三輪と米屋は遊真の仕掛けた罠に掛かったとは思っていなかった。

 

『鎖」印(アンカー)『射』印(ボルト)四重(クアドラ)

遊真は素早く多重印を組んで、無数の弾丸を放出した。だが、その弾丸はただの弾丸ではなかった。

 

「うおっ」

「ぐっ」

三輪と米屋はその弾丸を喰らい、身体中に大量の重りが付いた。そして、全く抵抗が出来ずに重りによってその場で倒れた。

 

 遊真はその光景を見て、このトリガーを気に入った様子で

 

「おお!

 これは便利だ」

と言って立ち上がった。

 

 

 *** *** ***

 

 一方、ハクハツの子供と三輪隊の戦闘を見ていた光と月夜は驚きを隠せない様子で視察をしていた。

 

「月夜みた?

あの子、三輪くんの鉛弾(レットパレット)をコピーしたよ!」

光に至っては驚きよりも興奮の感情の方が大きかった。

 

「ああ…

あれは間違いなく鉛弾(レットパレット)だろうな…」

俺なりにあらゆる視点から分析をしたのだが、それでも俺はあれは間違えなく鉛弾(レットパレット)のコピーでしかない。そして、俺は白髪の子供に畏怖すら抱いていた。

 

「光どうするんだ?」

 

「うん?

それはボーダー隊員としてあの子と戦うでしょう!」

 

こいつ…

こーゆー時だけ何故ボーダー隊員というルールを都合良く使うんだよなぁ…

 

だけど、俺はあの少年と戦うのは危険だと身で感じ取っていた。

 

「おい、ひか…」

俺はそこまで言い終えた所で光の方を向いたがそこには光の姿は居なかった。

 

「とりゃ!!」

光は三輪隊を無力化したハクハツの子供の元にスコーピオンで斬り掛かった。

 

 光の攻撃にいち早く気がついて、ハクハツの子供は間一髪で不意打ちを躱して身構えた。

 

「あらら、やっぱりバレちゃったか」

光は手を頭に当てながら、嬉しそうに話しかけた。

 

「ねえ、あんた名前は?」

光はハクハツの子供、遊真のことを指を指しながら聞いた。

 

「空閑 遊真だよ」

遊真は淡々と受け答えし、遊真の前にもう1人の人物が現れた。

 

「おい、光。まーた勝手なことをしてさ。こいつは相当強そうだけど勝算あるの?」

 

「うーん…

無いっていうか、やって見ないとわかんないよ。月夜」

光は俺に笑うように言った。

 

「でも、月夜も興味はあるでしょう?」

問いかけるように光は言い、どうやら俺はため息を吐いた。

 

「止めても、光はこの子と戦うんだろ?」

 

「うん。そうだね!」

 

「なら、止めても無理だね」

俺はそう言い、トリオンキューブを宙に浮かせた。

 

「って訳だから、遊真!

私達とも相手をしてよ!」

光はスコーピオンを逆手に持って、

 

「さあ、勝負!」

と光は意気揚々に語り、唐突に強引な戦いの幕が開いた。

 

 

 

 

 




今回、どうやって遊真と戦わせようと思った結果、三輪隊には現実に忠実にかませ犬のようなポジションに回ってしまいました。(三輪隊のファンの方々には申し訳ございません)

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