女性陣が浴衣に着替えている間せっせとバーベキューの準備をする俺達。準備もまた楽しいと感じる今日この頃。
「飲み物はそこだ。ハンドタオルはそこに置け。おい、トングに触んな」
でもやっぱり奉行様うるさい。
率先して動いて貰えるのは助かるのだが、あれやこれを命令する奉行様に太刀川さんと堤さんもややうんざり気味。
「二宮、別にそこまで完璧にやらなくてもいいんじゃないか?」
「ダメだ」
「なんで?」
「俺が嫌だからだ」
「そこは我慢しろよ」
「嫌だ」
「…………」
「…………」
「「トリガー、オ」」
「まてまてまて!お前らなにしようとしてんだよ!なんでバーベキューの準備でトリオン体になるんだよ!」
なんかおっぱじめようとした二人に堤さんが慌てて止めに入る
「「こいつが悪い」」
「どっちか引けよ!大人だろ!」
「「お前がそれを言うのか?」」
「なんで俺を乏す時はそんなに仲いいの!?」
「「ヒゲスーツコンビだからな」」
「ぐぬぬ………昔の事なのにいつまでもぐちぐちと……」
悔しそうに顔を歪める堤さん。そんな堤さんにやや気が晴れたような顔をしていた二人だったが。
「…酒弱い癖に……」
「「あ?」」
ポツリと溢した堤さんの言葉にこれ以上なく反応する。
「弱い癖に」
「「は?」」
「弱い癖に」
「「は?上等」」
メンチを切り合う3人は、早く勝負をしたいのか見事な連携プレーでテキパキ準備。弱火に焚かれた墨の上にニクテリーサークルを設置し長椅子に座る。いや、今肉を置く動き見えなかったんですが、なんでそんなに綺麗に並べられるんですか?あ、ダメだ。臨戦態勢に入ってて聞いちゃいない。
まだ加古さん達が来ていないのにカシュッと音を立て蓋を開けたお酒を片手にじっと座ってる彼らは三門市の平和を守るボーダー隊員です。お酒ぬるくなりますよ?あ、折角なんで写真撮りますね?ハイチー……まあそのままでもいっか。ハイチーズ。
「おまたせー!」
不動の構えでお酒を持つ金剛像達をデジカメに収めているとパタパタと駆け寄る加古さん達の姿が。
「待たせちゃったかしら?」
「いえ丁度準備が出来たところです。おお、やっぱり加古さん浴衣似合いますね」
「うふふ。そーお?」
「はい。木虎さんもとても綺麗です。髪止めをしてるとこ初めて見ました。似合ってますよ」
「そ、そう?あ、ありがとう……えへへ……褒められちゃった」
「どういたしましてです。ところで黒江さんの姿が見えないんですが、一体どこに……ん?」
我らが黒江さんの姿が見えないので、どこにいるのかなと思っていると木虎さんの後ろでもじもじする誰かを発見。回り込む。あれ?ここ天界?
木虎さんの背中に張り付き下ろした髪を後ろでちょこんと結んだ大天使を発見。なにこれお迎え来たの?
「あ………うぅ………へ、変じゃ、ない、ですか?」
ほっぺを赤く染め恥ずかしそうに声を漏らす大天使に俺の脳が止まる。
「?」
…………
「田中さん?」
…………
「??田中さん?」
…………
「???田中さん?」
うおおおおお!!黒江さん可愛い!なにそのちょこんと結んだ髪!どんだけ可愛いければ気がすむんですかぁぁ!?うおおおおお!!可愛いぃぃぃぃぃ!!
萌えに萌えあがる俺。天使はペンションに居た。木虎さんの背中で恥ずかしそうにもじもじしながら髪を弄る浴衣姿の黒江さんに俺のテンションは天元突破。なんっじゃこりゃ!天使か!やっぱり黒江さんは本物の天使なのか!うおおおおお!静まれ、静まるんだ俺!ここは年上の男らしく余裕のある態度で褒めるんだ!大丈夫!俺はやれば出来る子だ!うおおおおお!!いくぞぉぉぉぉ!!
「あの、田中さ」
「鼻血出していいですか!!」
「…………はぁ」
ため息つかれちゃった。だってしょうがないじゃん、浴衣天使を前にしたら余裕なんて持てないんだから。写真撮ってもいいですか?恥ずかしい?ごめんなさいもう撮っちゃいました。ハイチーズ。
浴衣天使の降臨にやや錯乱したが、何事も無かったかのように着席。年長組みと未成年組みに別れ座ったところ、加古さんがちょっとそわそわしながら金剛像達に笑いかける。
「ねえねえ。私の浴衣姿どう?似合ってる?」
「「「そうですね」」」
「…………」
加古さんの目がスッと細くなる。おいこらどんだけ勝負に集中してんですか。バカなんですかあなた方は。あんだけ前フリしたんだからちゃんと褒めるべきでしょ?実際似合ってるんだし。
適当な相づちを打つ3人に鋭い視線を送りながらもちょっとブスッとしている加古さんにこれはいかんと思いオペレーションいいともを発動する、
「加古さん加古さん」
「………なに?」
「この人達、加古さんがあまりにも浴衣が似合ってるから緊張してるんです。だから怒らないであげてください」
「………そんな風には見えないけど」
「本当ですって。見てて下さい」
疑いの眼差しを向ける加古さんから視線を外し金剛像達に向き直る。
「今日は良い天気ですね」
「「「そうですね」」」
「旅行は楽しいですね」
「「「そうですね」」」
「これからバーベキューですか、焼けてるお肉もとても美味しそうだ」
「「「そうですね」」」
「浴衣美人いいですねぇ」
「「「そうですね」」」
「とてつもなく美しい女性が浴衣を着てたら緊張して上手く喋れなそう」
「「「そうですね」」」
「でも緊張きてるからと言ってちゃんと褒めないのは良くないと思いません?」
「「「そうですね」」」
「ならちゃんと言葉を伝えましょう。じゃなきゃお酒飲めな」
「加古ちゃん!浴衣凄い似合ってるよ!浴衣美人って言葉は加古ちゃんの為にある言葉だ!」
「そうだそうだ。凄く似合ってるぞーいてっ」
「バカ、ちゃんと褒めろ」
「お、おお、すまん。えっと………浴衣美人だな?」
「それもう俺が言った」
「お前は国語からやり直せ。加古、お前の浴衣姿は悪くない。だからそう睨むな」
「……はぁ……まあ良いわ。別にあなた達にそこまで期待はしてなかったから」
睨むのはやめたが少し下を向きちょっと拗ねる加古さん。
「いや、似合ってるのは本当だって。加古ちゃんの浴衣姿初めて見たけど凄く……ん?よく見たら加古ちゃん本当に綺麗だな」
ぴくっと加古さんの耳が動く。
「んー?………おお、言われてみれば確かに。加古、お前浴衣着慣れてるのか?なんか凄く様になってるぞ」
ぴくぴくっと動く。
「本当だな。あまり良く見てなかったが、ちゃんと見れば良く似合ってる。シンプルな
柄だがそれが逆に加古を映えさせているな」
ぴくぴくぴくっと耳が動いた後口元がにや~っと緩む。
「ごめんな加古ちゃん。折角着てくれたのに適当な事言って。凄く似合ってるよ」
「お前本当に隊服浴衣でいいんじゃないか?めっちゃ似合ってるぞ?」
「余計な事をしなければ見てくれは良いからな。普段と違う服を着る事によってそれがより」
「分かった!ありがとう!でももうやめて!」
「えー。だって加古ちゃん本当に似合って」
「堤君?」
「はい。すんません」
スッと細めた目で見られた堤さんが躊躇う事無く綺麗に腰を折る。流石です。でも大丈夫ですよ。頑張って怖い顔しようとしてますが加古さんの口元緩みっぱなしですから。
「珍しい加古の浴衣姿も見れた事だしそれを祝して乾杯するか」
「だな」
「ちょ、二宮君!」
「なんだ?」
「………なんでもない」
「そうか」
「………今度覚えておきなさい」
「忘れてなければな」
ふっと笑い立ち上がる二宮さんに続き飲み物片手に全員が立ち上がる。
「堤。いけ」
「無茶ぶりにも程があるけどどうでもいいや!早く飲もう!皆コップは持ったかな?それじゃあいくぞー!乾杯して、くれるかなー?」
「「「「「いいともー!」」」」」
その掛け声と共に皆でコップをぶつけ合いコップの中身をゴクゴクと飲み干す。
「……乾杯」
二宮さん。自分で振ったんだからちゃんと乗って下さい。
お肉美味しいです。黒江さん可愛いです。お肉美味しいです。黒江さん可愛い、いやまじで。隣に座る黒江さんに萌えつつ反対側に座る木虎さんと楽しくお喋りとっても楽しいです。
焼けたお肉を食べ時折どうでもいい話しを楽しく話しつつ飲み物ゴクゴク。
「わははははははは!」
俺達未成年組みは既に出来上がった堤さんを肴に楽しくバーベキューやってます。乾杯してから勢い良く飲み始めた堤さんは機動20は固いと思われるスピードで酒を殲滅していきソッコーで酔っ払った。
「わははははははは!わははははははは!」
正直うるせえ。
開幕から飛ばした堤さんに「一気飲みは体に良くないですよ」と言ったら「これは一気飲みじゃない。酒が勝手に俺の体に入ってくるんだ」とキメ顔で返された時にもっと強く止めるべきだったと後悔。ちらり
「おおー……二宮ー、お前いつから分身出来るようになったんだぁ?」
「お前こそいつの間に髭を剃った。顎がツルツルだぞ」
それ加古さんです。
「ふふふ、ふふふ………」
お酒片手に笑う加古さんちょっと怖い。勝負をするとか言ってた3人は元より、褒められ上機嫌になった加古さんもなかなかの機動力で酒を殲滅。結構出来上がってる。
「ふふふ、ふふふ」
「わははははははは!わははははははは!」
「あれ?なんか俺浮いてない?浮いてない?」
「ふっ、だらしない奴らだ。この程度で酔っ払うとはな。田中、お前はこんな風になるなよ」
それ俺じゃなくてトングです。
一時間後。
「あはははは!あははは!」
「あ、それっ!あ、それっ!」
「わはははは!わはははは!」
「…………ぷっ」
二時間後。
「堤君堤君!なんかやって!」
「任せろ加古ちゃん!ほーらご覧あれ!男堤の二の腕がー…………おっきくなっちゃった!」
「あっははははは!あっははははは!」
「それなら負けないぞ!見ろ俺の二のうd…………あれ?二の腕ってどこだっけ?」
「あっははははは!あっははははは!」
「…………ぷっ…………ぷっ」
惨事間後。
「ヤーレン ソーラン ソーラン ソーラン ソーラン ソーラン 」
「ハイ! ハイ!」
「男度胸なら 五尺の身体 どんと乗り出せ 波の上!」
「チョイヤサwエエンヤンサノドッコイショw」
「「「ハァ ドッコイショ ドッコイショwww!」」」
「www」
もう、だめだこの人達…………
死時間後。
「ちょっとお花摘んでくるわ!」
「トイレに行くのは構わんが別に倒してしまってもいいのだぞ?」
「何をよw」
「わはははは!二宮!お前何ずっと笑ってんだよ!」
「wwwwwwww」
「二宮も楽しそうだな!…………ん?あれ、は………ネイバー!?」
「なに!?「なんですって!?」トリガー!オ」
「ストーップ!車!あれ二宮さんの車!待って!ダメだから!旋空弧月したら車アボンするから!帰れなくなるから!」
「wwwwwwww」
「あれ?間違えちゃった」
「「「ははははははは!」」」
「wwwwww」
「…………」
悟時間後。
「…………うぷっ」
「ぐがー」
「浮いてる、俺浮いてる………」
「w……w……zzzz…………www」
やりたい放題やった成人組みが潰れ、残ったのは本気で呆れた顔をする未成年組みとバーベキューの残骸。
これ、アステロイド撃っていいかな?いいよね?ダメ?残念。はい、二宮さん達は俺が運ぶんで加古さんをお願いします。大丈夫ですよ、俺だけでも運べますから。はい。どうせ明日死体になってるでしょうから適当に運びます。はい、おやすみなさい。……………………アステロイド撃っていいかな?
翌朝。予想通り死体が4つリビングに並んでいた。
「…………気持ち悪い……」
「うおぉ………頭が、頭がぁ……」
「うぷっ………ちょっとトイレに行ってくる」
「だらしない奴らめw田中、お前はこんな風になるなよw」
「それトングです」
ペンションを出る時間になったが、後に入るお客さんがいなかったので追加料金を支払いお酒が抜けきるまでペンションで休み帰宅。まずは未成年組みからと言う事で黒江さん木虎さん俺の順番で家まで送ってくれた。わざわ家まで送って貰ってすみません。二宮さん運転本当にお疲れ様でしたアステロイド撃っていいですか?
途中休み休みで帰った為、家に着いた時には夜に。ここまで運転してくれた二宮さんと残っていた皆さんにアステロイド撃っていいですか?じゃなかった。お疲れ様でしたと言い車を降りる。
「おやすみなさい。ありがとうございました」
車内の皆さんに頭を下げると異口同音でお疲れさんと返された。まああの時はちょっとあれだったけど、やっぱり楽しかったな。うん。
それじゃあな、と言い車を発進させようとする二宮さんにもう一度頭を下げ。車内の皆さんに手を振り家へ。
「ねえ田中君」
家へ入ろうとしたら後ろからウィンドを開けた加古さんから名前を呼ばれ振り向く。
「旅行するならどこに行きたい?」
「暫くは結構です」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………あ、二宮さんがトング磨き出した」
「本当ね。満面の笑みでトングを磨く二宮さんは不気味としか言い様がないわね」
「私、加古さんのあんな姿初めて見ました……これからどう接すれば………」
「双葉ちゃん。そう言う時は忘れたい記憶より強い出来事で上書きすればいいのよ」
「それってどうすれば………?」
「一先ず私に、大好き!って言ってみてくれない?」
「田中さん、この人どうにかして下さい」
「木虎さん。この後の事を考えたら体力温存しといた方がいいですよ」
「…………それもそうね」
「「「はぁ」」」
ネタだからこんな感じです。寄り道楽しかった。ちょっとリフレッシュ出来たので本編頑張ります。ちゃんと終わらしたいので。
でも詰まったらまた寄り道します。ごめんなさい。