妖精とアリスが出会う時   作:土居内司令官(陸自ヲタ)

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エピローグ

〔B1 雪風、出撃準備良し〕

 専用格納スペースから、FFR-41MR メイヴが無人トーイングカーで引っ張り出された。パイロットとフライトオフィサが乗り込み、FFR-41MR メイヴは出撃待機区画へ牽引される。併走する無人電源車から電力供給を受けながら、2人はプリフライトチェックを行う。

 耐爆シャッターが開き、FFR-41MR メイヴは出撃待機区画へ向かう。リフトローダーがミサイルを装着、ロボットアームが20mmバルカン砲に弾薬を装填する。

 燃料タンクが燃料で満たされる。胴体下に2本の増槽、主翼には4発ずつ短距離空対空ミサイルと中距離空対空ミサイルが装着されている。

「グッドラック」

 ブッカー大佐がピンジャックを抜き、機体から離れる。パイロットはブッカー大佐に向かって敬礼、FFR-41MR メイヴのキャノピーが閉まり、コクピットカプセルが前進する。

 出撃待機区画で、FFR-41MR メイヴの前脚にあるランチバーが、カタパルトスプレッダーに接続された。そして耐爆シャッターをくぐり、発進待機区画へ。ここでミサイルの安全ピンが抜かれ、エンジンを始動する。

 左のFNX-5011-D(スーパーフェニックス マークXI)が始動、右も同様に操作する。

 パイロットは後ろを振り返り、水平尾翼やフラップ、可変カナード翼をチェックした。そして、目の前の巨大な耐爆シャッターが開いた。その先にあるのは、時速200kmで風が吹く飛行甲板だ。

 FFR-41MR メイヴはカタパルトスプレッダーに引っ張られ、飛行甲板に出る。ここで巨大な前進翼を開いた。

 3つあるターンテーブルの内、真ん中で方向転換、風上に向かう。そして機体が止まった。あとはアフターバーナーを焚き、電磁カタパルトで射出されるだけだ。艦載機を飛行甲板に繋留する必要が無いため、ジェットブラストディフレクターは無い。

「こちらB1 雪風。発進準備良し」

〔バンシーCATCC、了解。B1、CAT5、射出〕

 そして、FFR-41MR メイヴは電磁カタパルトで射出された。主翼にはFAFマーク、コクピットカプセルには小さく特殊戦 第5飛行戦隊の部隊章、機首には白く「雪風」の文字。開発コード・FRX-00、機体番号B-501、パーソナルネーム・雪風。

 

 

 

「新たな戦力として、彼女達が使えて良かったよ。ちょっと人間らしさが多いのが気になるが」

「あんたらしくないな、勤務中に弱音なんて」

「もうおれは若くない。メイヴのコクピットはもう棺桶みたいなものだ」

「遂にそこまで老けたか」

「心を抉る発言をしないでおくれ……しかし、スーパーシルフといいメイヴといい、もうおれは乗れないよ。タイフーンが懐かしく感じるよ。技術的にはファーンと同じスペックだが、ソフトウェアが対応出来なければジャムに勝てない」

「ファーンもよく保ってるな。おれが現役の時でさえ、旧式機だったのに」

「ドッグファイトでの格闘性能はファーンⅡに劣らないし、攻撃能力はシルフ並みだ。だから今も使われる……しかし、本当によく生き生きと話すようになった」

「おれが雪風を降りてから、痛いほど聞いたよ。どうやらおれは、彼女達の影響をモロに受けたらしい」

「しかしまあ、彼女が良い雪風の後任者になって良かったものだ。お前がすんなり雪風を渡すとは思わなかったが」

「あんた程ではないが、おれも歳だ。それに、彼女は雪風を良く知っている。最適だ」

「そうだな」

 

 

 

 戦闘機の編隊が、密林の上スレスレを掠める低空飛行を行う。

 標的は、ジャムの空中空母だった。それは、密林の上スレスレを跳び、フェアリイ空軍の戦術基地を奇襲する。そのため、それを叩く必要があった。

 FA-1 ファーンとFFR-31 シルフィードは対艦ミサイルを、FA-2 ファーンⅡは空対空ミサイルをフル装備している。

 そして、72機の編隊の後ろからくっ付いて飛ぶ戦闘機がいた。FFR-41MR メイヴだ。奇襲を仕掛けるため、戦術偵察機も低空飛行を強要されているのだ。

 ジャムの空中空母の位置は、航空宇宙防衛軍団の偵察衛星から送られてくる。

〔そろそろだ。グールリーダーより各機、ジャム空母の第1警戒ラインを突破した。EW(電子戦)準備、マスターアーム・オン〕

〔ヴァロクリーダー、ラジャー〕

〔グリフォンリーダー、ラジャー〕

 突然、機の受動警戒装置が警鐘を鳴らした。ジャム空中空母から発進した、JAM TYPE9(早期警戒機)の広域警戒レーダー波をキャッチしたのだ。そして、雪風の空間受動レーダーに反応が出る。ジャム空中空母から迎撃機が発進したのだ。空中哨戒機もこちらへ向かってくる。

「B1 雪風より攻撃隊。目標から複数の迎撃機、戦闘哨戒機も針路変更、到達時刻3分後」

 雪風がそう伝えた。すると、FA-2 ファーンⅡがズーム上昇、ジャムの迎撃機群へ向かう。

〔グリフォンリーダー、エンゲージ〕

 FA-2 ファーンⅡが一斉に中距離空対空ミサイルを放ち、ジャムの迎撃機を引きつける。その間にFA-1 ファーンとFFR-31 シルフィードは超音速超低空飛行でジャム空中空母の第2警戒ラインを突破、搭載している対艦ミサイルに位置情報をインプットする。

〔全機、一斉攻撃を開始する。オートアタック、ゴー!〕

 自動攻撃モードで、48機が一斉に192発の対艦ミサイルを発射、低空飛行のまま旋回して離脱する。

 命中したかは、彼らの知る由も無かった。既に第2波攻撃隊が接近している、深追いする必要は無かった。

 しかし、トラブルがあった。被弾したFA-2 ファーンⅡが加速出来ず、ジャムの迎撃機に追いつかれる。

〔駄目だ、助けてくれ!〕

 次の瞬間、ジャムの迎撃機が爆散した。FA-2 ファーンⅡのパイロットが振り返ると、そこには雪風がいた。

〔特殊戦……?〕

 FFR-41MR メイヴは翼を左右に振ると、アフターバーナーを焚いて急加速、一気に高空へと駆け上がった。

 

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