安全主義者と戦乱の日々   作:天翔青雷

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第八話 狩りと捕食と自分の容姿

 とりあえず、眷属(予定)周辺の植物を喰い尽した。保存空間に動物のデータも収納されたような気がするけど、気にしない。

 それでは早速、狩りに出かけよう。オラクル細胞を変換して背中に翼を創りだし、大空へと飛び立つ。…こうして見ると、僕の拠点は森にぽっかりと穴が開いているようで、分かりやすい。森の穴はもう一つあるけど。

 

 

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 せっかく喰らったもののデータを保存できるのだから、色々とコレクトしたい。というわけで、とりあえず空にいた始祖鳥(アーケオプテリクス)の頭部を翼で打って昏倒させて喰らってやった。さすが鳥類と爬虫類の狭間、なかなか面白い体組織をしている。まぁ、今はおいておこう。

 広義に解釈すれば、今までに爬虫類、鳥類、植物を喰らったけど、哺乳類や両生類、魚類はまだだ。哺乳類はそう簡単には見つからないだろうから諦めるとしても、この時代(ジュラ紀)の魚類と両生類は喰らっておきたい。そして十中八九、それらがいるのは水辺だろう。……そこまで分かっていて、行かない者などいまい?

 

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 というわけで、水辺。見た感じ、湖っぽい。確かこの時代の魚類は硬骨魚類と分類され、シーラカンスのような姿をしていたはずだ。というか、シーラカンスはこの時代から生き続けている種だ。早速水の中を覗こうとすると…

 ……水面に、中性的な顔立ちの男の()が映った。誰だこれ?って、今この地にいる人間(型の生き物)は僕しかいないじゃん。つまりこれは、僕の顔?……おかしいなぁ、前世の僕はこんなかわいい顔じゃなかったはずなんだけど。男の娘って言うほどかわいくは無いけど、中性的だし。というか僕、なんか若返ってない!?前世では16歳だったのに、水面に映った僕の顔はせいぜい12、3歳にしか見えない。……まぁとりあえず、今世も黒髪黒眼だってことに安心した。原作が日本とは限らないけど。

 この辺も、転生の恩恵(?)なのだろうか。

 

~閑話休題~

 

 ……自分の容姿があまりにも想定外だったせいで忘れてたけど、僕は魚類と両生類を狩り捕食に来たんだった。もういちど湖を覗いてみると、おぉ、いるいる、シーラカンスもどき。正式名称はウンディナにリビス、あとは真正シーラカンスか。しかしこの湖、異様に深いし、でかい。ここからは見えないけど、もっと深くには大型魚リードシクティス・プロブレマティカスやアステノコルムなんかもいるかもしれない。たしか、あれらの体長はシロナガスクジラに匹敵したはずだ。喰って得られるオラクルも他と比べ物になるまい。

 シーラカンスごときなら、吸い込む必要もない。左腕を捕食形態に変え、上空から水面付近の魚達を狙う。気分は水鳥。いっそ飛び込んでしまおうか、などと下らないことを考えながら、目に付く獲物を喰らっていく。魚を喰い、魚を喰い、両生類を喰い、魚を喰い、腕を喰われ――――って痛あ!!

 咄嗟に痛覚を遮断し、翼を羽ばたかせて飛び上がった。一体何だ!?

「グルルルルゥゥゥゥゥゥゥゥ.....!!」

 そこにいたのは、ジュラ紀の水中の頂点捕食者。リオプレウロドンだった。

 

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