安全主義者と戦乱の日々   作:天翔青雷

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第九話 強者、再び

 ジュラ紀水中の頂点捕食者、水生首長竜リオプレウロドン。頭部が大きく重厚で頸部が短く、水中でも優秀な嗅覚と視力をもっている、水生爬虫類の一種。櫂のような4つのヒレ足を持ち、奇襲に特化した加速力を得ることが出来る。

 この時代にはワニの一種、メトリオリンクスもいたけど、それすらも狩りの対象にしていたほどの強者だ。けれど、奴の本領はその特徴的なヒレ足を使った奇襲。アロサウルスのような絶対的な強さは持っていない。

 まぁそれは、僕と奴が対等の環境で戦った場合の話だ。奴のステージが水中であるのに対し、本来陸生動物の僕が水中に入れば動きは鈍る。さすがに不利だ。

 絶対安全領域から狙おうにも、奴に深くに潜られたら終わりだし、そもそも上空から弓や飛び道具を水中に打ち込めば威力は落ちる。かといって電気を流せば、湖中の生き物が感電してしまう。いくらなんでも、そこまでの生態系破壊はしたくない。

 スマートに、リオプレウロドンだけを仕留められる方法は無いだろうか?奴を湖から引きずり出すとか、奴を他の生き物から隔絶させるとか……隔絶?そうだ、いい方法があった。

 

―――――コピー能力『アイス』発動―――――

 

 ……コピー能力の弊害か、背中の翼と捕食形態の左腕は元に戻り、僕は湖に真っ逆さまだが、気にしない。水中から僕を狙う愚かな獲物(リオプレウロドン)よ、覚悟しろ!

「凍りつけ、フリーズブレス!!」

 『アイス』はその名のとおり、氷の能力。僕が吹き出す凍結の息吹(フリーズブレス)は、触れたもの全てを凍りつかせる。それは、相手が海水でも恐竜でも関係ない。

「グルゥゥ!?」

 驚いている。まぁ、当然だろう。突然自分の体が凍り始めたんだから。けれど、今更。もう手遅れだ。さあこのまま、氷の塊になってしまえ――――!!

「グルル、グラアアァァァァ!!」

 雄叫びを上げ、氷を砕いて奴が這い上がってくる――――ってハァ!?

 ……確かにカービィシリーズでもボス級は一撃では死ななかったけど、まさか水の満ちたこの場所で破られるとは思わなかった。これは作戦を変えないとなぁ~。

「グルルルルルゥゥゥゥゥ.....!!」

 ……リオプレウロドンは怒りに満ちた顔でこちらを見ている。どうやら、新しい作戦を考える暇は無いようだ。こうなったら仕方がない、最終手段だ。正面切って戦ってやろう。

「覚悟しな、お前の体、凍りつかせて喰らってやる!!」

グラアアアァァァァァァァ!!」

 ――――僕と湖の主との決闘、第二ラウンドの始まりだ!

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