安全主義者と戦乱の日々   作:天翔青雷

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第十三話 怠惰な日々

 ――――アラガミには『(しょく)』が必要だけど、『(しょく)』は必要ない。なぜなら、人間をはじめとする多くの生き物がさまざまな栄養素を必要とするのに対して、アラガミにはオラクルしか必要なく、さらにあらゆるモノを喰らってオラクルに変えるからだ。例えば、家庭科で習ったように、人間には「主に体の組織を作る栄養素」「主にエネルギーになる栄養素」「主に体の調子を整える栄養素」の3つが必要だけど、アラガミの体を作るのはオラクル細胞。そして、アラガミのエネルギーになるのもオラクルなのだから――――

 

 

 

 修行を始めてから、たぶん5,6年経った。ものすごくテキトーにしか数えてないが。結果、ほぼ完璧に全能力を使いこなせるようになった。ついでに、オラクル量と情報データ量も溜まった。こっちは、ナインの手柄だ。命令を忠実に守り、一日も休むことなく、毎日何かを喰べていた。なんて忠誠心。ちょっと感動。

 さて、そうなると、一つ困ったことになる。それは、何もやることが無くなること。要するに、暇なのだ。一日中寝てることも出来るが、あまり無意味な時間を過ごすのも気が引ける。寝ながらオラクル量を増やせるといいんだけどね~。……もちろんナイン抜きで。

 

…………そうだ、光合成をしよう。

 オラクルは、基本的に何にだってなる。もちろん、植物が光合成に使う器官、葉緑体にも。

 光合成は水と二酸化炭素と太陽光のエネルギーを合成して酸素とデンプンを作り出す行為。周りの木々が無いから日光はしっかりと入ってくるし、水と二酸化炭素は空気中からも得られる。それに、足りなければオラクルから作り出せばいい。オラクルの最大量は今までに物質をオラクルに変換した量の合計と同じで、そこに消費したオラクル量は関係しない。そして、消費したオラクルは午前零時に回復するから、結果僕のオラクル量は増えていく。だから、遠慮の必要もない。

「オラクル変換、体中に葉緑体を発生。」

 ……葉緑体は、というよりも葉緑体に含まれる光合成に必要な色素であるクロロフィルは、植物の葉の緑色の元になっている物質。そんなものを体中に発生させれば当然――――

「うわぁ、キモチワル……」

 ――――体中が緑色になる。まぁいいや。いや、全然良くはないけど、どうせこのあと寝るんだし。この姿を見る人間も、まだ生まれていないんだし。

 たぶん、また5,6年は寝ているだろう。それじゃあ、おやすみなさい。

 

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