安全主義者と戦乱の日々   作:天翔青雷

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第十四話 保存空間

 暇つぶしの光合成をし始めて、何年経っただろう?正直、忌々しき零時迷子の恩恵(呪いの目覚まし)のせいで、毎日午前零時におきる羽目になって、あまり充実した睡眠は出来なかったが。あのない(・・)心臓が脈打つ感覚には慣れそうもない。確かにオラクルが回復するのはありがたいけど、それでも、ねぇ?

 

―――閑話休題―――

 

 アラガミの体を作るオラクル細胞には、偏食因子というものが含まれている。簡単に言えば名前の通り偏食、つまりアラガミの食べ物の好みを決定する因子だ。偏食因子の中には他生物の体細胞を侵食してアラガミ化させるものや、逆にそれを抑制するような特別なものもあるけど、それはさておき。

 何故突然にこんなことを思ったかといえば、全部ナインのせいだ。彼(だと思う)が生まれてから今までの間、僕に送られてくる情報は動物のものばかり。つまり、彼はほとんど植物を喰らっていないのだ。これを偏食因子の仕業と言わずして、なんと言う。どうやら彼は、「動物」を好んで喰らうようだ。とりあえず、大型小型は気にしていないことにホッとした。植物は僕が吸い込めばいいから、気にしない。

「……って、僕も喰らわんとあかんのかい!!」

 思わず飛び出る、関西弁(?)のツッコミ。まぁ、こればっかりは仕方ない。情報収集(コレクト)の為、緑の腕を捕食形態に変え、出鱈目に周りの植物を吸い込んでいく。抵抗しないものの捕食は、吸い込みが使えるから結構楽。

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 ずいぶん喰らった。そろそろ一度、集めたデータを観覧してみようか。僕は意識を自分の内側、保存空間に集中させていく…………

 

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

 

 ―――――何処までも広がる、空と大地。しかし彼方には、海も見える。ここは僕たちの楽園、保存空間。僕の体の一部であり、精神の一部でもあり、別次元に存在する僕達のための世界。僕の倉庫であり、書庫。恐らくは、ここに直接眷族を創ることも出来るだろう。

 ……ここを現実世界に顕現させられれば、所謂「固有結界」になるのだろう。それはさておき。

 横を見れば、分厚い書物がごろごろと転がっている。目を通すついでに、整理しないといけないなぁ。まずはとりあえず、オラクルを変換して本棚を作ることから始めようか。

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

「これは裸子植物の本、これはシダ植物の本、こっちは爬虫類の本、そしてこれは……」

 情報書物(データブックス)は、内容によって書き分けられているらしい。例えば、動物なら魚類、両生類、爬虫類……節足動物、軟体動物、その他……といった感じ。おかげで、だいぶ整理がしやすい。とりあえず、まずは動物と植物に分けて、その中で分別しよう。

「これは昆虫の本、これは……『FF大全』?何これ?」

 中を覗いてみると、FFのモンスター、召喚獣、魔法についてびっしりと書かれていた。ただ、その中に新たな発見は無かった。つまり、

「僕自身の記憶も、本として貯蔵されてるみたいだね。」

 僕の前世の記憶が記録されてるなら、BRSやMHの本もあるかもしれない。まあとりあえず、整理を続けようか。

―――――作業中―――――

 

 ……片付いた。なんというか、すごい達成感。本は整然と本棚に納まっている。こうして見ると、すごい光景だと思う。まぁ、その中にはほとんど白紙のものもあるけど。特に哺乳類とかは喰らった数が少ないから、本はできてるけど中身はほとんど空だ。

 せっかくだから、保存空間に落ちていた零時迷子と約束された勝利の剣(エクスカリバー)も本棚の近くに置いておこう。

これで、ようやく保存空間の第一回大掃除(整理)が終わった。長かった~。

 

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