プロローグ1 マイナスからのスタート
…ここは何処だろう?
「何処と聞かれれば、天国と地獄の境目じゃのう」
よく分からない声はとりあえず無視し、自分の身にあったことを思い出すことにする。たしか…
「無視しないでくれんかのう?」
学校の帰り道、突っ込んできたトラックに
「はねられ続きじゃのう~」
「うるさい!!というか、何この酷すぎるバッドエンド!」
「すまんのう。それ、わしの部下のせいじゃ」
……は?今、何て言った?
「ようやく反応してくれたのう。んで、わしの部下の失敗で、お主は死ん」
「いやいやいや、なんで当たり前のようにそんなすごい重要なことをサラッと言っちゃってんの?」
びっくりしすぎて、口調まで変わっちゃったじゃない!
「まぁ、そんなことは置いといてじゃな」
「置いとくな!そんなことって言うな!」
「まぁ、そんなことは置いといてじゃな」
無理矢理通しやがった……
「こちらの落ち度じゃから、お主を転生させてやろう。ほれ、俗に言うテンプラというやつじゃ。好きな能力も付けてやる」
「……テンプレのこと?というか、そしたらまた死ななくちゃいけないじゃん」
「…………」
あ、黙っちゃった。そういえば今更だけど、このおじいさんって神様だよね?たぶん。
「こちらとしては、謝罪を受け入れてもらえんと困るんじゃがのう~」
「知るか!というか、謝罪を押し付けるな!」
「お主、『というか』が口癖なんじゃな~」
「話を変えるな!」
何が悲しくて、名も知らないじいさんと漫才じみた会話をしないといけないんだろうか。
「ちなみに、転生先はランダムじゃ。」
「なんで僕が転生する前提で話が進んでるのさ!?」
「仕方ないのう。お主に選択肢をやろう」
良かった。どうやら拒否権はもらえるようだ。
「今の肉体的スペックのまま転生するか、能力付で転生するか、どっちがいい?」
「転生しないって選択肢は無いのか!?」
「さぁ、どちらか選ぶのじゃ」
じいさんの顔が少しずつ近づいてくる。……人はそれを脅迫と呼ぶ。
「分かったよ!能力もらって、転生すればいいんでしょ!」
「最初から素直にそう言えばよいものを……」
お前が脅迫したせいだろ。
「で、能力はどうするんじゃ?いくつでも、欲しいものを言うがよい」
「あれ?数に制限は無いの?」
「まぁ、謝罪じゃからの」
普通、謝罪でも何でも3つか5つじゃない?……もしかして…………
「僕、本来ならどんな未来だった?」
「……あと70年は生きとったのう。最期は老衰じゃ」
「今更だけど、酷いことしてくれたね」
それなら、能力が多いことにも納得できる。なにせハッピーエンドからバッドエンドまで落とされた訳だから……
「さぁ、欲しい能力を言うがよい!!」
格好付けてる気になってるじいさんは無視して、僕は来世で死なないよう、能力を注文し始めた。