安全主義者と戦乱の日々   作:天翔青雷

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第二十四話 時と変化と

~SIDE 龍~

 

 何か忘れてること……あっ!

 

 気付いた僕は、すぐさまUターン。話を聞くため、ナインの元に駆け寄る。

 

「ナイン!なんでモーストが陸地にいるの(・・・・・・)!?」

 

 そう、僕が眠りについたとき、モーストは海底深くに沈んだはずなのだ。それなのに何故、今モーストはこんな山奥みたいな場所にいる?

 

「主は何年ほど眠っていたか、覚えておりませんか?」

 

 ……僕の寝ていた期間?もう人間が生まれているから、大体……

 

「1億5000万年くらい?」

「……はい、恐らく。そしてその間に地殻変動が起こり、モーストのいた海底は盛り上がって山になりました」

 

 なるほど、それで僕らはこんな山奥にいるのか。それじゃあ、もう一つ。

 

「ナイン、どうして喋れてるの?」

 

 そう、僕が眠りに付く前は、ナインは人間の言葉なんて操れなかったはずなのに、今は当然のように喋っている。1億年も経てば、アラガミも勝手に進化するのだろうか。

 

「実は数十年前、この近くにあった村の民がモーストに危害を加えようとしまして……」

「うん、それで?」

「……我が村を喰い尽くしました」

「…………はい?」

 

 今、何て言った?村を食い尽くした?

 

「ナインが人の言葉を操れるのは、人を喰らって知識を得たから?」

「はい」

「……もしかして、ナインと僕が魔竜と邪神って呼ばれてるのは、そのせい?」

「恐らく」

 

 ……なるほど。たしかにナインの実力なら村を滅ぼすくらい造作もないし、そんなことをされたら魔竜なんて呼びたくなるのも分かる。……まったく、なんて面倒なことをしてくれたんだか。討伐隊とか送られて来たらどうするんだ。……なんて聞いたら、どうせ「返り討ちにします」とか「喰らい尽くします」とかいう返答が返ってくるのだろう。本当に、嫌になる。

 

「ちなみに、まだ聞き取りづらいですが、モ-ストも人間の言葉を話せます」

「……マジで?」

「はい」

 

 ……もう嫌だ。本当は愚策なんだろうけど、面倒な事実がこれ以上出てくる前に話を打ち切ろう。

 

「それじゃあ、その子のことよろしくね。もし暴走したら止めといて。」

「了解しました。」

 

 名も無き魔女は眠っている、というか気絶しているからこのままでいいし、僕は元寇に向けて『嵐を呼ぶ者』の創造でも始めようか。

 

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