~SIDE 龍~
僕の眷属創造能力の原型の一つであるMHの世界の中で、食物連鎖の頂点に立つのは竜種である。牙獣種や甲殻種、鳥竜種などには例外もあるものの、主に空では飛竜種、陸では獣竜種、海中では魚竜種や海竜種が食物連鎖の頂点に立っている。……陸で活動する飛竜や魚竜も、いることにはいるんだけど。
しかし実は、その竜種たちをも超える存在がいる。それが、古龍種。神話や伝承などに登場し、神や天災の一種として扱われている。古龍種の力は絶大で、その種類も、他の竜種には及ばないものの、意外と豊富だ。風を纏う者、炎を操る者、姿を消す者。巨体を持つ者、大地を喰らう者。そして……嵐を呼ぶ者。
「眷属創造、アマツマガツチ」
古龍アマツマガツチ、別名嵐龍。別名が表すとおり、この龍が現れた地域には、嵐が起こる。僕自身が使える特殊能力はアラガミのものだけだけど、本来モンスターの持つ力を、原作どおりに与えるくらいは出来る。 ちなみに、火球とか電撃ブレスみたいな技なら、アラガミ以外のものも模写できるけど、それはさておき。
「念には念をって言うしね。吐き出し召喚、アマツマガツチ!」
「グギャアアァァァァァ!!」
一応念のため、本当に嵐が起こるか実験しておこう。本番で失敗したら、最悪元の船は『嵐』じゃなくて『龍』に襲われて撤退することになるし。
「あ、そろそろかな?」
さっきまで青かった空に、黒雲が
「グギャアアァァァァァァ!!」
アマツマガツチがもう一啼きすると、黒雲は急激に増え、雨が降り始める。どうでもいいけど、運動会を中止にしたい時とかに便利な能力だと思う。某携帯獣の、青い宝石を代表する海王と同レベルに。
……下らないこと考えてる間に、結構雨が強くなってきた。そろそろ、嵐龍を保存空間に戻さないと……
ゴロゴロゴロ……ドゴオオォォォォン!!
やっぱり。雷が落ちてきた。風も強くなってきたし、実験は成功している。これ以上嵐が強くなると僕等まで被害を受けそうだから、本気で保存空間に帰そう。
「吸い込み開始」
さすがに古龍クラスの創造にはかなりのオラクルを消費する。今日はもう休もうか。でも、その前に……
「これ、どうにかしないとねぇ」
……豪雨に打たれ、暴風に荒され、雷に打たれてボロボロになったこの辺の大地の