安全主義者と戦乱の日々   作:天翔青雷

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第二十五話 そう、彼は嵐を呼ぶ者

~SIDE 龍~

 

 僕の眷属創造能力の原型の一つであるMHの世界の中で、食物連鎖の頂点に立つのは竜種である。牙獣種や甲殻種、鳥竜種などには例外もあるものの、主に空では飛竜種、陸では獣竜種、海中では魚竜種や海竜種が食物連鎖の頂点に立っている。……陸で活動する飛竜や魚竜も、いることにはいるんだけど。

 しかし実は、その竜種たちをも超える存在がいる。それが、古龍種。神話や伝承などに登場し、神や天災の一種として扱われている。古龍種の力は絶大で、その種類も、他の竜種には及ばないものの、意外と豊富だ。風を纏う者、炎を操る者、姿を消す者。巨体を持つ者、大地を喰らう者。そして……嵐を呼ぶ者。

 

「眷属創造、アマツマガツチ」

 

 古龍アマツマガツチ、別名嵐龍。別名が表すとおり、この龍が現れた地域には、嵐が起こる。僕自身が使える特殊能力はアラガミのものだけだけど、本来モンスターの持つ力を、原作どおりに与えるくらいは出来る。 ちなみに、火球とか電撃ブレスみたいな技なら、アラガミ以外のものも模写できるけど、それはさておき。

 

「念には念をって言うしね。吐き出し召喚、アマツマガツチ!」

「グギャアアァァァァァ!!」

 

 一応念のため、本当に嵐が起こるか実験しておこう。本番で失敗したら、最悪元の船は『嵐』じゃなくて『龍』に襲われて撤退することになるし。

 

「あ、そろそろかな?」

 

 さっきまで青かった空に、黒雲が出来(・・)始めた。……嵐を呼ぶんじゃなくて、嵐を作るんだね、この龍は。

 

「グギャアアァァァァァァ!!」

 

 アマツマガツチがもう一啼きすると、黒雲は急激に増え、雨が降り始める。どうでもいいけど、運動会を中止にしたい時とかに便利な能力だと思う。某携帯獣の、青い宝石を代表する海王と同レベルに。

 ……下らないこと考えてる間に、結構雨が強くなってきた。そろそろ、嵐龍を保存空間に戻さないと……

 

ゴロゴロゴロ……ドゴオオォォォォン!!

 

 やっぱり。雷が落ちてきた。風も強くなってきたし、実験は成功している。これ以上嵐が強くなると僕等まで被害を受けそうだから、本気で保存空間に帰そう。

 

「吸い込み開始」

 

 さすがに古龍クラスの創造にはかなりのオラクルを消費する。今日はもう休もうか。でも、その前に……

 

「これ、どうにかしないとねぇ」

 

 ……豪雨に打たれ、暴風に荒され、雷に打たれてボロボロになったこの辺の大地の始末(片付け)を、なんとかしないと、ね。人間達に騒がれると、色々と面倒だし。

 

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