安全主義者と戦乱の日々   作:天翔青雷

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第二十七話 暴走のち暴走

~SIDE ナイン~

 

「グオオオォォォォォォ!!」

「ぐあああぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ズドン!!ドカン!!

 

 ……主、早くいらしてください。この小娘の相手は、中々に骨が折れます。二つほどの意味で。

 

「グオオオォォォォォォ!!」

「ぐあああぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 ……我が持つ最大威力の技、超高温ブレスの『メガフレア』を使えば小娘を殺すことくらい造作も無いが、主が望むのは小娘の死ではない。よって我は、肉弾戦をしなければいけなくなる。

 身体スペックで言えば断然我の方が上だが、小娘はその小さな体を駆使してちょこまかと素早く動くため、中々動きを捉えられぬ。

 

「ギ、ガ、ガ……ディバイン……バスター……!!」

 

 突如、小娘の手からレーザーが放たれる。我のブレスには劣るが、それでも恐らくかなりの高威力。しかも体の大きな我では、かわしきれぬ……!

 

ズドン!!

 

「グオォッ!」

 

 脇腹を凄まじい衝撃と痛みが襲い、血が流れる。……我が主の恩恵を受けたとはいえ、ただの小娘が我に傷を付けるだと!?主に最初に創造された最古の眷属である、この我に……!

 

「グルル……調子ニ乗るナよ、小娘がァ!!」

 

 遥か昔より生きる最凶の力の前に、倒れ伏すが良い!!

 

 

~SIDE OUT~

 

 

~SIDE 龍~

 

「グルル……調子ニ乗るナよ、小娘がァ!!」

 

 ……なんか、怒りの咆哮とも怨嗟の声ともとれる叫びが聞こえたんだけど……。ナイン達、大丈夫かなぁ?

 

「ホーネット、どう思う?」

「私に聞かれましても……。あ、あそこじゃないですか?」

 

 ホーネットが指(羽?)を指した場所には、二体(・・)の異形が戦っていた。

 

「どうやら、モースト殿は身の危険を感じて逃げたみたいですね」

 

 モーストでさえ逃げるのに、なんでホーネットが冷静なんだ?モーストより断然弱いはずなんだけど。

 

「あれが、名も無き魔女とナイン殿なのですか?もはや、どちらも(・・・・)原形を留めていませんが」

「まあ確かにね。でも少なからず、片方はナインだよ。原型は無くても、面影はある」

 

 若干緑がかっていた皮膚は赤く変色し、あちこちの筋肉が隆起してるけど、あれはナインだと断言できる。そもそもあの症状は、ナインのモデルの一つ、イビルジョーの怒り状態と同じだし。もう一体の触手の塊のような異形はもはや面影すらないけど、消去法であの名も無き魔女……というか、少女だろう。モーストにしては小さすぎるし、ホーネットの話の通りならあいつは逃げている。

 ただ今は、そんなことよりも……

 

「……あのバカ二人を、沈静しないとね」

「頑張ってください、マスター。私は安全地帯で待っていますので」

 

 ……手伝えよ。まぁ、実力的に無理だけど。一撃でも流れ弾を喰らえば、ホーネットなんて木端微塵だろうから。

 

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