~SIDE 龍~
「とりあえず、おとなしくしてもらおうか。」
―――――オラクル全開、コピー能力『マイク』発動―――――
右手にマイク、耳には
「グオオオオオォォォォォ!!!」
「グギアアアアァァァァァ!!!」
「……その咆哮、掻き消してやるよ!ギガントボイス!!」
「ふぅ、少しは落ち着いッ!?」
ヒュン、と、レーザーっぽいものが僕の頬を掠める。まさかあれを受けて、ノックダウンしてないって言うの!?
「……グ、ギ、ギ……。殺す。殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロコロコロコロコロコロコロコロ・・・!!」
……自分の頬を、冷や汗が伝うのが分かる。何アレ、本当にちょっと前まで人間だったものの姿なの!?昔戦った首長竜よりもよっぽど怖いんだけど!!
とりあえず、事前に痛覚遮断しておこう。何が起きてもいいように。
「グルル…………ハッ!?我は一体、今まで何を?」
ナインを正気に戻せただけでも良しとしよう。怒り状態のステータス上昇が解けたのはちょっと残念だけど。
「ナイン、悪いんだけど、アレを鎮静するの手伝―――――」
「主!?」
また、不自然に声が途切れる。今度は、危なかったとかそういうレベルじゃない。何も見えないし、音が聞こえない。……ある意味自分の体の一部だからか、ナインの声は聞こえるけど。
―――――オラクル変換、超速再生―――――
オラクルが減った代わりに、視覚と聴覚が復活する。……やっぱり、頭を消し飛ばされてたみたいだね。たぶん、視覚と聴覚を失ったのは、目と耳も吹き飛んでいたからだ。……痛覚が無いっていうのは、こういうときには不便だと思う。まぁ、痛いよりはぜんぜんマシなんだけど。それより――――
「人の頭ぶっ飛ばして、タダで済むなんて思ってないよね?」
「我等が主を傷つけた罪、その命を持って償ってもらうぞ!!」
――――今は、コイツへの往復だけを考える。覚悟しろよ……!
「形態変化、幻影竜ハンニバル侵食種。」
僕の体が、漆黒の竜人のようなアラガミ、ハンニバル侵食種のそれとなる。体は黒一色に染まり、口からは紫色の炎が漏れる。
「斬り刻んでやる、炎剣乱舞!!」
「燃エ尽キロ、メガフレア!!」
両手から紫炎を生み出し、それを凝縮して創り出した炎剣を両手に一本ずつ持って、触手の塊に斬りかかる。後ろから熱が迫ってきているように感じるが、気にしない。そもそも、炎を操るハンニバル種の体は耐熱性が高いんだ。そんじょそこらの炎じゃ焦げ痕一つ付かない。
「僕等に楯突いたこと、後悔しな!!」
~SIDE OUT~
~SIDE ホーネット~
……ホーネットはあくまで種族名であって、私の名前ではないのですが―――まぁ、私には名前が無いのですが―――それはさておき。
「人の頭ぶっ飛ばして、タダで済むなんて思ってないよね?」
「我等が主を傷つけた罪、その命を持って償ってもらうぞ!!」
……鎮静に行ったマスターまでもが、怒りで我を失ってどうするのでしょう?こういう状況を『ミイラ取りがミイラになる』と言うのですよねえ、たしか。
自我を持ったマスターの眷属の多くは保存空間に置いてあった本を読んでいるので、結構博識なのです。……って、私は誰に説明をしているのでしょう?
「斬り刻んでやる、炎剣乱舞!!」
「燃エ尽キロ、メガフレア!!」
マスターもナイン殿も、随分物騒な技を使いますね。この辺り一面を焼け野原に……いや、更地に変えるおつもりでしょうか?まぁ、お二人ともそこまで頭が回っていないのでしょうが。本当に、やれやれです。モースト殿の判断は賢明でしたね。流れ弾が飛んで来る前に、私も逃げたほうがいいでしょうか。
「僕等に楯突いたこと、後悔しな!!」
……本・当・に、やれやれなマスター達です。