~SIDE 龍~
僕のアラガミ講座は、まだ続く。自分のことくらいは、しっかりと知っておいて欲しいし。
「アラガミは様々なものを捕食し、その情報を吸収することで進化をしていきます。具体的な例を挙げるならば、人間を喰らっていれば高い知能を持ち、岩を喰らっていれば硬い体を持ちます。また、同じ種族でも、得られる情報には個体差があります。例えば同じ人間でも、武士を喰らえば戦闘能力が上がり、農民を喰らえば作物の知識が得られます。アラガミにも好き嫌いはありますが、あまり同じものを喰らい続けると、だんだんとそれに近づいてしまうので注意が必要です。質問はありますか?」
「後半について、もう少し詳しく教えてください」
詳しく、ねぇ。具体例を挙げたら何とかなるかな?
「それでは、実際の例を挙げましょう。クアドリガというアラガミは、人間の兵器ばかりを喰らった結果、武装戦車のような進化を遂げたものです。ヴァジュラテイルというアラガミは、ヴァジュラと呼ばれるアラガミを喰らった結果、それに近づいた別種のアラガミです。大体理解できましたか?」
狼型の小型アラガミ、オウガテイルが、虎型の大型アラガミ、ヴァジュラを喰らった結果生まれたのがヴァジュラテイルだ。保存空間で何匹か飼っているけど、わざわざ呼んで見せる必要は無いだろう。
「では次に、アラガミ同士できることを教えましょう。私達が互いにできることには、
「はい!」
あれだけ暴れ回った後なのに何故こんなにも元気なのだろう。別にいいけど。
「同調とはアラガミ同士が共振する行為です。感応の劣化版……と言っても分かりませんか。アラガミ同士の相性によって、その深さは変わってくるため、大概
ちなみに全アラガミの母体である僕は、全員と相性抜群だったりする。ついでに、僕の眷属の一部が人の言葉をしゃべるのは、ナインと
「次に、
「身体の分担について教えてください!」
これはさすがに、実際に見せる以外に教えようが無い。というわけで、
「ナイン、ホーネット、頼んだよ!」
「「了解!!」」
主にアロサウルスを原型としているナインは陸上特化。対してホーネット族は機動性と飛行に特化した種族だ。その二つが身体を分担し、お互いの長所を生かせば……
「わぁ!魔竜様に羽が生えました!!」
ナインの肉体を主体にしながら、ホーネットがナインのオラクルを借りて巨大な羽となり、陸空両用のアラガミになる。もちろんナインの攻撃力と防御力も、ホーネットの俊敏さも残っている。
「これを見て感覚は分かりましたか?では、
「ないです!」
「それでは最後に、オラクル細胞について教えます。……と、その前に、ナインとホーネットはもう元に戻っていですよ」
「オラクル細胞とは、一つ一つが独立した捕食細胞であり、変幻自在の未元物質です。アラガミの種によって変換可能なものは違いますが、全てのアラガミを一つとして考えれば、オラクル細胞とその原料兼エネルギーであるオラクルは、何にでもなると考えられます。私達にとってオラクル細胞とは、自身の一部であると同時に、武器であり、道具なのです。あなたがどのような変換に適しているのかは分かりませんが、魔法と共に、自身の可能性も研究すると良いでしょう」
「分かりました。ありがとうございます、邪神様!!」
正に、花が咲いたような笑顔でお礼を言われる。これで呼び方が邪神じゃなければ、最高なんだけどなぁ……。
「まだ当分はここにいるでしょ?分からないことがあったら、また聞きなよ。あと、君の力は一人で
「はい!」
とりあえず、僕のアラガミ講座は終わり。やっぱり、慣れない敬語は疲れるね。ところで……
神は神でも、僕は邪神じゃなくて