安全主義者と戦乱の日々   作:天翔青雷

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オリジナル魔法を生産中……


第四十三話 魔法決闘 後編

~SIDE 龍~

 

「撃ち抜け、スピンバレット!」

「何度も同じ手が通用すると思わないで下さい!スフィアバレット!」

 

 ……おかしいな。さっきのツインバスターとかいう魔法―――どう見ても、同時に二本のディバインバスターを撃ったようにしか見えない、改良(?)魔法―――を撃ったんだから、彼女は既にかなりの魔力を消費してるはずなんだけど。それほど、魔力量が多い?それともまさか、魔力を回復させている?

 できれば、前者であって欲しい。いくら回復限界量(オラクル量)で僕の方が勝っているとはいえ、後者の場合はかなり不利な戦いをすることになる。

 

「本当、見えないっていうのは不便だよね。スフィアバレット!」

 

 相手の体力の限界が、見えない。一応今回においては対等の条件だけど、それは非常にやり辛い。この戦いが終わったら、相手の魔力量やオラクル量を視覚化する魔法を創ってもらいたいな。

 

「今はそんなこと言ってられる状況じゃないけどね。ディバインバスター!」

「そんな攻撃、当たりませんよ!」

 

 スピンバレットは横からぶつけられるスフィアバレットに消され、スフィアバレットは同じ魔法で相殺され、ディバインバスターは避けられる。少しずつだけど彼女に魔法は使わせているから、このまま持久戦に持ち込めば勝てると思うんだけど……。

 

「今度こそ当ててやる、スフィアバレット!」

 

 一番の問題は、彼女がそれを許してくれるかどうかなんだよね……。

 

 

~SIDE OUT~

 

 

~SIDE 名無しの少女~

 

「撃ち抜け、スピンバレット!」

「何度も同じ手が通用すると思わないで下さい!スフィアバレット!」

 

 邪神様が放った黒い回転魔力弾の弱点は、カーブがほとんどできないことと、横からの攻撃に弱いこと。だから私は、確実にスフィアバレットで一つ一つ落としていきます。あの魔法は対処がしやすい代わりに、受けたときのダメージはかなり大きいですから。

 

「本当、見えないっていうのは不便だよね。スフィアバレット!」

 

 見えない、と言うのは、恐らくオラクルや魔力の残量のことでしょう。たしかにやり辛いですが、それは相手にとっても同じことですよ?

 ……逆に、もし私達のオラクルや魔力の量を見ることができる人間がいたならば、恐らく邪神様を見た途端に絶望すると思いますが。あまりの格の違いに。

 

「今はそんなこと言ってられる状況じゃないけどね。ディバインバスター!」

「そんな攻撃、当たりませんよ!」

 

 さすがに、あんなものを受けるわけにはいきません。いくら私のものより威力が劣るとはいえ、砲撃魔法。スフィアバレットなどとは比べ物にならないパワーを持っていますから。そして私は、既に一度あの攻撃を受けています。ツインバスターで反撃はしましたが、受けたダメージが大きいのは間違いなく私でしょう。

 邪神様にはまだ気付かれてはいないでしょうが、私の魔力量は既にかなり減っています。このまま持久戦に持ち込まれたら、私は確実に負けてしまうでしょう。そして恐らく、邪神様はその長期戦を望んでいる。まあ、それも当然でしょう。魔力を回復させることができるあの方は、こちらが消耗すればするほど有利になるのですから。

 ……こうなっては、仕方がありません。できれば使いたくありませんでしたが、私も負けたくはありませんし、アレを設置するとしましょう。

 

「今度こそ当ててやる、スフィアバレット!」

「あまり余分な魔力は使いたくありませんのでね、避けさせてもらいますよ!」

 

 他の魔法と違ってコントロールのしやすいスフィアバレットをかわしきるのは至難の業ですが、私が持つ最後の切り札を使うためには避けては通れない道です。

 

「ちょこまかと鬱陶しいね……!いい加減に当たってくれないかい?スピンバレット!」

「お断りです!邪神様には悪いですが、全て避けさせてもらいますよ!」

 

 スピンバレットなら、スフィアバレットに比べれば簡単に避けられます。

 

「調子乗ってると痛い目見るよ?改良魔法プロテクションカッター!」

「!?」

 

 一体何ですか、あの魔法は!?あれはもはや改良型などではなく、邪神様のオリジナル魔法と言って良いのではないでしょうか。まさか、防御魔法であるプロテクションを薄く伸ばして刃にし、斬撃として飛ばすなんて。しかも一枚ではなく、連続で何枚も……。さすがに私でも、そんな使い方は思いつきませんでしたよ。

 

「しかし、これで面白い試合になりそうですね。……真向勝負です、ツインバスター!!」

 

 ぶつかり合う、白と黒のオリジナル魔法。一発の威力なら私のほうが圧倒的に上ですが、邪神様は数で勝負を仕掛けてきています。恐らく、一枚の刃を飛ばしてすぐに魔力を回復し、次の刃を放っているのでしょう。

 ……今は私が優勢ですが、このまま続けていればいずれ押し負けるのは私です。今の内に、一度距離をとっておきましょう。

 

「そろそろ、決めさせてもらうよ!」

「それは、こちらのセリフです!」

 

 私にもまだ、手札は残っています。さあ、決着をつけましょうか!

 




~オリジナル魔法の設定資料~

・スピンバレット
基盤とするのは、スフィアバレット。その一つ一つの形が紡錘型に近付き、更に回転している。使用する魔力量はスフィアバレットと同程度だが、上手く当たれば(・・・・・・・)こちらの方が威力が高い。ただしクセが強いため、使いこなすのは意外と難しい。

・プロテクションカッター
基盤とするのは、プロテクション。本来、自分を包むバリアーであるそれを薄く圧縮し、一枚の刃として放つ。見た目のイメージはブーメラン。(※戻ってきません)もしくは、ゲームなどに登場するカマイタチのエフェクト。
一枚を作るのに必要な魔力量は、プロテクションと同等~半分ほど。射出と回復を繰り返すことで、主人公は連続の斬撃として放つことができる。

・ツインバスター
基盤は、ディバインバスター。というか、二本のディバインバスターを同時展開しただけ。
二本を別々の場所に向けて撃てば命中率が上がり、一箇所に集中すれば威力が二倍に上がる。
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