安全主義者と戦乱の日々   作:天翔青雷

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第四十七話 自由自在の自在法

~SIDE 龍~

 

 超科学の結晶たる魔法は、術者のイメージよりも発動のための術式に影響される。魔力のコントロールとかに必要なのはイメージだけど、基本的には術式が無ければ魔法は発動しないし、術式と全く違うタイプの魔法は発動しない。ディバインバスターの術式からはディバインバスターの類しか出ず、そこからスフィアバレットの類は出ないように。

 

 そしてその術式の大幅な改変には、かなりの時間と労力がかかる。

 僕のスピンバレットは、スフィアバレットで打ち出された魔力をイメージで操っているだけ。彼女のバスターナックルも然り。ディバインバスターを放たずに、圧縮された魔力の状態で拳に纏わせているだけだから。プロテクションを応用した攻撃魔法も、形を変えるために術式をほんの少し弄っただけで大した操作はしていないし、彼女のツインバスターにいたっては同じ術式を同時に二つ展開しているだけだ。……魔力のイメージ操作はともかく、その他は僕達以外がやれば相応の時間と労力がかかることだけど。これらを割と短時間(といっても、数日から一週間ほど)で行える僕達でも、術式の開発や大幅な改変はそう簡単にはできない。

 

「魔力は術式にはまることで形質を変化し、この世に様々な事象を引き起こす、か」

 

 自然に存在する火や氷、雷などへの変化は度外視して考えると、魔力は術式を通さなければ変化しない。どんな強いイメージがあっても、それだけでは魔力は何の方向性も持たない。術式を通すことで初めて、攻撃や防御、治癒や捕縛などの力を得るのが魔力だ。オラクルに比べると、多彩さで劣ると言わざるをいない。

 

「となると、魔力よりもオラクルを使った魔法の方が戦力になりそうだね」

 

 模擬戦よりも前に創った、擬似魔法。あれは完全にイメージで魔法による事象を真似ただけだったけど、そこに術式を加えたらどうなるだろうか。そしてその術式すらも、オラクルとイメージでできていたら。基本的には僕にしか使えず、しかも改変・改良も楽。こんな良いものは、そうそうないだろう。

 

「けど擬似魔法っていうのは、なんか魔法に劣ってるみたいに聞こえるなぁ。まずは名前考えることから始めるか」

 

 僕のこの術は、いずれ魔法に追いつき、追い抜くはずだから。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「自由自在に操れる、僕だけの魔法。略して自在法、でいいね!」

 

 本当のこと言えば、この名前はパクリだけど。しっくりきたから、気にしないことにする。この世界には知っている人はいないだろうし。人の記憶を勝手に覗くバカ以外。

 

「試し撃ちといきますか。擬似スフィアバレット改め、自在法、炎弾!!」

 

 僕のイメージに沿って術式が展開され、目の前に魔方陣……じゃなくて自在式が現れる。オラクルで創られた自在式に魔力を流すことで、スフィアバレットと同じものができ、飛んでいった。ちなみにこの自在法は、魔力の代わりにオラクルを流しても発動する。

 

「さて、巫女から新しい術式が送られてくる前に、僕は自在法のバリエーションでも増やしましょうかね」

 

 今の彼女はやけに難しい術式造りに取り組んでるみたいだし、時間はたっぷりとあるだろう。

 

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