~SIDE 龍~
「それじゃあ、ホー……じゃなくて、クイーン、準備はいい?」
「マスター、また名前を間違いかけましたね?」
「…………」
反論できないから、沈黙で返す。自分で名付けておきながら呼び慣れてないから、未だにホーネットって呼びそうになる。まあ、クイーン種もホーネット族の一種ではあるから、あながち間違いでもないんだけど。
「それはさておき、クイーン、いくよ?」
「イェス、マスター。クイーンブラスターモードへ移行します」
クイーンは、蜂型の眷属。蜂ならば本来針があるべき場所には、銃口がある。そしてこの
「術式はいつでも呼び出せるね?」
「当然です」
「それじゃあ早速、ディバインバスター!」
変形したクイーンの銃口から、
「なるほど、これは便利だね」
「デバイスが無くても、マスターには自在法がありますけどね」
それを言っちゃあお終いでしょ。否定はしないけど。
「それじゃあ続いて、プロテクション!!」
正常に素早く、赤黒い魔法壁が展開される。これだけできれば、この形態の
「それじゃあ次、クイーンブレードモードのテストの前に――――」
「???」
「――――このモードで、他にどんなことができるのか、調べてみようか」
「……他のこと、とは?」
気のせいか、クイーンの声が強張っているような感じがする。何か恐ろしいことでも想像したのかな?
「別に、大したことじゃないよ。クイーンが本来持つ技と、アーマメントが使う技と、自在法を試すだけだから」
「それは間違いなく『大したこと』に分類されます。それと、自在法は私でテストをする必要などないと思いますが」
正論だね。特に後者。でも、そんなことは関係ない。僕がやりたいからやる、ただそれだけ。理屈とか理論とか、そういうのは捨て置く。
「まずは序の口、ニードルライン!」
銃口から放たれるのは、赤黒いレーザー。どうやらこの形態だと、クイーンの本来の技を使っても僕の魔力光の色が混じるらしい。純粋なホーネット族の攻撃は、きれいな紅色をしているはずだし。
逆に、僕が放つ魔法にはクイーンの攻撃色が混じっているといえる。そうじゃなきゃディバインバスターやプロテクションの色は、僕の魔力光の黒一色になるはずはずだし。
「それじゃあ次は、B.R.S.チャージショット!」
続いて放たれるのは、
「僕の魔力色に混じったのは紫、クイーンの攻撃色は紅。さて、もう一つ混じったのは、」
「紅と共に紫を構成するもう一つの色、青ですね。そして青い攻撃色を持つのは、」
「技としてのチャージショットを持つ本来の者、」
「黒き使徒、ブラックロックシューターですか。」
本来、チャージショットを使うのはホーネット族ではなくて、人類最後の希望であり兵器のクローン少女、ブラックロックシューターだ。僕の黒とクイーンの紅、そして彼女の攻撃色である青が混じって、あんな色になったのだろう。
どうでもいいけど、彼女こそが主人公で、クイーンはモブの敵キャラだ。
「さて、そんなことは置いといて、次いってみよー!B.R.S.ヴォルカノン!!」
………………
沈黙。何も起こらない。
「他の種族の技は、全部を使えるわけではないみたいだね」
「……黒の使徒は、アーマメントですらありませんよ」
確かに、言われてみればそうだ。
「でも、チャージショットは撃てたよ?」
「では、技の種類によるのではないですか?チャージショットは大きな一発の砲弾を飛ばす技ですが、ヴォルカノンは小さな弾丸を大量に連続的に放つ技です。その違いが発動に影響したのでは?」
「なるほど、それも一理あるね」
クイーンが、というより、この銃としての形態に合うか合わないかっていう問題の方が大きいのかもしれない。チャージショットが銃とか砲で撃つような技なのに対して、ヴォルカノンはマシンガンで撃つような技だから。
「
「遠慮しておきます」
そんなに即効でと拒絶しなくても良いだろうに。まぁ確かに、そこまでされたら僕の銃身形態の立つ瀬がなくなるから、これはこれでいいんだけど。