~SIDE 龍~
「さて、と。クイーン、起きてる?」
「当然です。……そもそも、寝る必要がないのですが」
「肉体的には、でしょ。精神を休めるには睡眠が一番良いんだから、毎日寝なさい」
「マスター、なんだか親みたいですね」
「みたい、は余計だよ。事実、産みの親なんだから」
無性生殖だけど。
「それより、何か話があったのでは?」
「あぁ、話じゃないんだけどね。昨日のテストの続きをしようと思って」
「テストの続き……ですか?しかし、ブラスターもブレードも、昨日でテストは終わっているはずですが」
確かにその二つのテストは終わってるよ。でも、
「もう一つ、思いつかない?」
「??? 私がデバイスとして持つ形態は、二つだけですよ?」
全く、忘れるなんて酷いね。それは、僕に武器として使われる形態の形態の数なんだけど。
「アラガミ同士だからこそできることがあるはずだけど?」
「アラガミ同士だからこそ?……まさか、
「そういうこと」
僕等アラガミの
……そんなことをしなくても、クイーンが喰らったデバイスの情報を送ってもらえば良いんだけど。それをしたらクイーンの出番が……いや、なんでもない。
「クイーン、いける?」
「当然です。マスターこそ、準備はできていますか?」
「もちろん。いつでもいいよ」
「それでは早速……
クイーンが蝶の如く僕の背中にとまり、溶けるようにして僕の中に流れ込んでくる。
……もっと素早くできたら、より実用的になるんだけど、それはさておき。
「背中から
「それもそうですね。……そうだ。モースト殿、体内の様子は見えていますか?」
「ミエテイル」
「……だそうです。モースト殿と
なるほど、それはいい案だ。早速、モースト視覚を
「緑の羽根を持つ、
「
「……僕は男なんだけどね」
僕の背中から、クイーンの緑の羽が生えている。僕が人の体をしている今の状態なら、どう見たって妖精だ。形態変化の仕方によっては、おぞましい姿になりかねないけど。蜂のような緑の羽根を生やした戦車の化物とか、スカートを穿いて宙に浮くオッサンから羽が生えた姿とか、想像したくもない。
「まぁいいや。テストを始めるよ。部分形態変化、銃身」
できれば肉弾戦は遠慮したいから、左腕を黒の銃身に変える。
「ここにも
「そうみたい。……でも、予想外だったね。黒の銃身にまで、クイーンの緑色が混じるなんて」
クイーンの言うとおり
「……って、そんなことの観察してる場合じゃなかった。クイーン、いくよ。ディバインバスター!」
左腕の銃身から放たれるのは、やはり赤黒い砲撃。そして、僕一人のときよりも、クイーンだけをデバイスとして使ったときよりも発動にかかる時間が短い。これは中々大きな発見だ。
「
「そうだね。ところで……」
ずっと気になっていたことを聞いてみる。
「……今のクイーンってさ、何処から声出してるの?」
「何処からって、マスターの体内ですが?」
「…………」
今さりげなく、とんでもないこと言わなかった?
「マスターの中でオラクルを変換して声帯と口を作っていましたが……」
いや、それでも十分とんでもないから。人の体内で何してるのさ。
「……まぁ、別に害があるわけでもないからこれ以上の文句は言わないけどさ。眷属は元々、僕の体の一部みたいなもんだし」
とりあえず、試験を再開しよう。とはいっても、もう大したことは残ってないけど。