SIDE 龍~
この前の実験から数日。プリニーは、無事帰って来た。ついでに、召喚自在法には『
ただ、無事帰って来られると証明されたせいで、転移魔法で世界を渡る人達が多くなった。……転移魔法と帰還・召喚自在法を全眷属(クローンを含む)に広めたのは間違いだったかなぁ?
「邪神様、私も新天地を探しに行きたいのですが」
「お前もかい!……まぁいいや。いざとなったら、召喚すればいいし」
「それでは、許可をもらえますか?」
そもそも、僕に許可を取る必要なんてないと思うんだけど。基本的に、個人の自由意思を尊重してるし。
「好きにしていいよ。どうせなら、紅世の徒達を纏めてくれるといいんだけど」
クローン達の中には、そう強くないものも混じっている。そしてそれがバラバラに旅立ったら、その先に待っているのは死だ。まぁ実際は、危機に陥ったら
「分かりました。私は子供たちと一緒に、新天地を探してきます!」
「行ってらっしゃい。たまには近況報告くらいしてね?……後、いつかは魔法戦でも勝つからね?」
「了解です!」
彼女も、どこかへ旅立っていった。そういえば結局、純粋な戦闘はともかく、魔法だけの縛り戦闘では結局一度も勝てなかったなぁ。オラクルをフル活用すれば無双できるのに。
今ここに残っているのは、僕とナインとクイーンとモーストくらいだ。……元々、そのくらいしかいなかった気がするけど。
転移で旅立って行ったのは、クローン達だけではない。僕の眷属も、結構な数がこの世界を飛び出した。自我や知識を持った者達には、保存空間は狭すぎたのかもしれない。
「……そんなこと、気にしててもしょうがないか。ナイン達は他の世界に行ってみないの?」
今日は珍しく全員揃っているから、聞いてみる。
「我はまだ、この世界におります。他世界へ行くことには、やはりリスクを伴いますので」
「意外と慎重なんだね。クイーンとモーストは?」
今度は、ナインみたいに色々深くは考えてなさそうな二人に聞いてみる。
「私は眷属であると同時にマスターの
「ワレハ、コノセカイ、キニイッテイル」
……モーストのはともかく、クイーンの言葉は普通に嬉しい。僕を慕っていた(?)巫女もこの世界を出たし、一番最初に生まれた眷属であるナインでさえも安全を確認できたら異世界へ行くつもりなのに、クイーンはずっと僕について来ると言ったのだ。こんな嬉しいことはない。
「いつかは僕達も、違う世界を見てみるのもいいかもしれないけどね」
今はまだ、この世界で力を蓄える。いつか戦乱の起こるその日に、絶対に生き延びるために。
僕は一応、安全主義者。平和とかは別にどうでもいいけど、この身を死の危険に晒したくはないから。とは言いながら、何の刺激も無い平穏な日々は嫌うんだけど、ね。