~SIDE 龍~
「――――と、我等『
僕の交渉相手は、管理局のトップ。なんでも、戦乱の中にあった世界を纏め上げた英雄らしい。
ちなみに、何故かモニター越しで、しかも音声だけの話し合いをしてる。まぁ、僕は交渉さえできれば相手の対応なんて気にしないからいいんだけど。自分の立場を誇示したいのか、礼儀作法が分かっていないのか、どっちなんだろうね?
「そしてこちらはその代償に、戦力を提供します。
普通の眷属ならそんなことはしないけど、僕が提供するのは自我も心も意思も持たない劣化人形と、自分から志願した連中だけだ。モデルはカービィに出てくる魔獣や、低級のアラガミ。彼等は命令があれば強制帰還するまで手当たり次第に喰らい続けるだろう。ちなみに、これらの帰還先は捕食空間。消化されて、再利用される。そしてもちろん、それらの喰らったオラクルや情報のほとんどは僕に還元される。
あ、自分から志願した連中は、ちゃんと保存空間に送られる。こっちは、立場的には傭兵に近いかもしれない。
「どうでしょう?悪い話ではないと思いますが。そちらも、戦力は十分とはいえないでしょう?」
どんな場合でも、力というものは必要不可欠な存在だ。それに、さっき蝶に聞いた話によれば、管理局は人材不足らしい。だから、確実に食い付くだろう。
「えぇ、分かりました。交渉成立ですね。それでは、今後も御贔屓に」
結果、僕達
かなりの数の眷属人形を創ることにはなったけど、こちらとしては最高の結果だ。これだけの利益が得られるなら、劣化人形の大量生産くらい問題ない。
それに、以後の眷属人形は『提供』ではなく『販売』になったから金の心配もいらないし、僕は顔も名前も明かしてないから直接狙われることも無い。……それを確認しないこの組織の行く末が、少し不安にはなったけど。
今の内に、魔獣を創り置きしておこうか。
「それでは、また」
蝶に連れられて、僕はモニタールームを出る。蝶って、意外と局内で地位あるんだね。
「父様、私はいつでもここにいますので、また何かあればご連絡を」
「了解。そっちこそ、何かあったら連絡しなよ。眷属人形の購入依頼とか関係無しにさ」
「はい!」
うん、やっぱり子供は元気が一番だね。僕も見た目は子供だけど。そして彼女も、見た目どおりの年齢ではないけど。
「それじゃあ、僕達は帰るね」
「はい。因果の交錯路でまた会いましょう!」
「…………」
それ、意味は『また会いましょう』でも、紅世の徒が使う言葉なんだけど。蝶もあの馬鹿巫女に感化されたのか?