安全主義者と戦乱の日々   作:天翔青雷

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第七十一話 喧嘩、そして仲直り

~SIDE 龍~

 

 無事に担任の話も終わって、僕は休み時間の間に学校中の監視カメラをオラクル製の監視カメラに摩り替えて来たんだけど……。

 

「痛い?でもね、大事な物を取られちゃった人の心は、もっともっと痛いんだよ?」

「何するのよ!」

 

 目の前で、女子二人が取っ組み合いの喧嘩中。そして何故か、すずかが真ん中でオロオロしてる。これは一体、どういう状況なんだろう

 

「二人とも、やめて!!」

 

 うわぁ、びっくりした。まさかこのタイミングで、すずかが止めに入るとは。……よく分からないけど、僕も加勢しましょうかね。

 

「何があったのか知らないけど、ちょっとやりすぎだと思うよ」

「あ、龍君!」

 

 すずかがこっち向いた。これは良いチャンスかな?

 

「すずか、何があったの?」

「あの子が私の髪留めを取ってね、あっちの子が取り返してくれたの。」

 

 すずかの近くに駆け寄って小声で話してみた結果、あの金髪の女の子がすずかの髪留めを取って、それをめぐって茶髪の子と喧嘩したらしいってことが分かった。。……それにしても、あの茶髪の子の台詞はとても小学一年生とは思えない。彼女は一体、どんな人生を歩んできたんだろう?

 

「まぁいいや。大体の事情は分かったし。すずかは今回のこと、そんなに気にしてないよね?」

 

 あえて、少し大きめの声で話す。喧嘩をしていた二人にも聞こえるように。

 

「え?あ、うん」

 

 すずかは同意してくれた。これで、たぶん僕の計画通りに話を進められると思う。

 

「ね?当の本人のすずかが気にしてないんだから、二人も争ってないで仲直りしてくれない?」

 

 さて、これで折れてくれる人達なら、この件はこれで解決する。といっても、そんなに簡単に自分の非を認められる人間はそうそういないし、もう少し説得する必要があるだろうね。

 

「大事なものを取ってしまって、ごめんなさい」

「私も、ちょっとやりすぎたの。ごめんなさいなの」

「さっきも言ったけど、私は気にしてからいいよ」

 

 ……え?そんな簡単に認められるの?どうやら、この二人は僕が思っていた以上に器の大きい人間らしい。良い意味で予想外だ。いや、小学生は皆、これくらい正直なのか?大人と比べれば、子供のほうが圧倒的に純粋だって聞くし。茶髪の子は発現こそ普通の子供じゃなかったけど、ここにいる以上、子供のフリをした大人ってことはないだろう。僕みたいな例外がいる時点で、絶対とは言いがたいけど。

 まぁ、何はともあれ、少女達の喧嘩は一件落着。めでたしめでたし、だね。

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