東方鬼灯伝   作:Agies

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第二話 決起

 俺が家族全員を守ると決めたあの日から、約5年が経った。俺の予想通り、あの日から6ヶ月ほどで妹が産まれた。

 妹の名はレミリア。つい最近5歳になったばっかりの妹は、可愛い。愛おしい。と、俺が溺愛するほど可愛らしく、ここ最近はレミリアのことしか考えていない。

 

 最近の出来事と言ったら、レミリアが空を飛べるようになったことと、レミリアの魔力の使い方が上達したことだ。

 あと、お母様のお腹が膨らんでいる。つまり子を身ごもっているということになる。これも予想どうりだ。産まれてくるのはおそらく、フランドール。お父様曰く、3人目の娘に殺されてしまうそうだから、今まで以上にお母様とそのお腹の中の子に細心の注意を払っておくつもりだ。

 さて、3人目、もといフランドールが産まれるまでおそらくあと3ヶ月。時間はたっぷり、というほどあるわけではないが、それなりにある。とりあえず、まずはレミリアをモフモフしに行こう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今年で20歳になる俺、ホウズキ・スカーレットの趣味といえば、『魔法』の研究である。

 なぜ、『魔法』の研究を始めたかと言えば、暇をもて余す時間が多かったからにすぎない。だが、ここまで打ち込むことになったのは魔法かっけぇ!という厨二魂と、思いの外吸血鬼の体が魔法に向いていたからだ。

 

「さて、今日はこの前の続きからでしたね」

 

 『魔法』の研究に師などいない。全て独学だ。まずは魔力を操ることから始めたのだが、妖力を操るのに似ていたからこれは割りと簡単だった。問題はそれ以降だ。

 

 まず始めに、男なら炎の魔法だろ!(体は女だが)と言って炎の魔法を使おうとした。何故かうまくいかず失敗。

 次に、風の魔法。これまた失敗。なぜだろう。

 更にお次は氷の魔法。またまた失敗。そろそろ泣きたい。

 今度は土の魔法。また失敗。もうやめようかな。

 

 次の魔法はビームをビャーっとやるような魔法。これは上手くいった。よし、マスタースパークホウズキVer.と名付けよう。

 

 炎や氷、風の魔法は失敗したが、ビームを出す魔法は成功した。なぜだろうかと思い、魔導書を読み漁っていると、『魔法』には属性というものがあるらしく、それをしっかりと理解したうえで、『魔法』を行使しないと、火や風といった『魔法』は使えないらしいのだ。

 その、属性を扱う『属性魔法』とは違い、ビームを出す魔法は、魔力に指向性を持たせてやるだけの、基本中の基本の初心者向けの簡単な魔法の中でも一番簡単な魔法だから俺でもできたようである。

 

 つまり基本をしっかりと抑えたうえで『魔法』を使えやこのやろう。初心者のクセに粋がってんじゃあねぇ!ってことだ。何事も基本が大事なのだ。

 

 魔導書を読んだら実験、読んだら試行錯誤、繰り返し繰り返し、研究を続けていくうちにようやく炎などを操る『属性魔法』なるものを完成させた。

 『属性魔法』を完成させてからというもの研究は物凄い勢いで進んだ。

 

 某ネコ型ロボットの四次元ポケットを意識して作った収納魔法や、同じく某ネコ型ロボットのどこでもドア的な魔法、あとは、ある意味で人間(雄に限る)の最大にして最後の夢、透明になる魔法などなど、色々な『魔法』を開発した。

 

 さて、今日の魔法の研究は四次元ポケット的な収納魔法の調整だ。

 以前、試しに収納魔法を展開し、土を適当に放り込んでみたら、たったの100キログラムくらいで容量が一杯になってしまった。それに容量が増えるにつれ、使用する魔力が恐ろしく高くなってしまったのだ。それはもう低燃費すぎて使っていてビックリした。

 俺が目指すのはいくら物を入れても容量が一杯になることのない、容量無限の収納魔法だ。今日一日で完成するだろうか。三徹はしそうである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 三日三晩、不眠不休でなんとか収納魔法を完成させた。これで俺も晴れてネコ型ロボットを名乗ることができるわけだ。やぁ、僕はホウえもん。21世紀からきたんだ。

 ヤバい、疲れのあまり頭がおかしくなってるようだ。このままだとネコ型ロボットに精神(こころ)を支配されかねない。よし、レミリアの部屋に行って癒されてこよう。

 

 

「レミリアー。いますかー?」

 

「あ!ホウズキおねえさま!」

 

 おお、愛しの我が妹(マイエンジェル)よ、いつも通り可愛いなぁ。でもそんなに純粋な眼をしてこちらを見つめないでくれ。俺の汚れきった精神(ハート)が浄化されて死んじゃうから。

 

「ねぇねぇ、ホウズキおねえさまは、どんなまほうがつかえるの?」

 

 俺と15歳差の妹、レミリアがその純真無垢な瞳をこちらへ向け、その幼女パワーをキラキラとこちらへ振り撒いてくる。ホウズキの汚れきった精神に30ポイントのダメージ。

 

「ぐっ…………!」

 

「どうしたのおねえさま。くるしいの?」

 

 不安そうな表情を浮かべホウズキのことを心配するレミリア。ホウズキの精神に70ポイントの追い討ち。ホウズキは息絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 レミリアの精神攻撃をなんとか乗りきったホウズキは、レミリアのベッドに腰掛け、レミリアを膝の上に乗っけて髪を撫でながら魔法についてアツく語っていた。

 

「―――ですから、火属性と水属性の魔力のバランスを上手い具合にとることで、火属性と水属性の両方の性質を併せ持った、二重属性魔力が生まれ、そこに更に木属性の魔力をいい感じに足すことで、三重属性魔力が生まれて、そこでようやく三重属性魔法が使えるようになるわけで―――」

 

「おねえさま、むずかしくて、さっぱりわからないわ」

 

 おっと、ついつい興が乗ってしまった。レミリアには三重属性魔力と二重属性魔力の合成魔法、五重魔力螺旋の構築については難し過ぎただろうか。かなり噛み砕いて説明したつもりだったのだが。

 

「レミリアには少し難し過ぎましたね。すみません」

 

「あやまらなくていいのよ。おねえさまがすごいってことはわかったから!わたしもおねえさまみたいになりたいわ!」

 

 そう言うレミリアは天真爛漫の笑みをこちらへ向けてくる。

 さすがは我が家の天使(エンジェル)。笑みだけで俺の心を癒してくれるぜ。

 

 

「レミリアもきっと凄い魔法が使えるようになりますよ」

 

「おねえさまみたいな?」

 

「ええ、きっとできます」

 

「わたし、がんばるわ!」

 

「ええ、頑張ってください」

 

 レミリアが、俺のような汚れた心の大人にはなってほしくないが、俺を目標に、頑張る と言ってくれるのはありがたい。是非頑張ってほしいものだ。

 




 次回は一ヶ月後を目安に投稿したいです………。
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