東方鬼灯伝   作:Agies

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 お待たせしました。第四話投稿です。
 若干残酷な描写があります。お気をつけて。


第四話 決意

 ホウズキお姉様。この世界でたった一人のお姉様。私の大好きなお姉様。

 私に魔法を教えてくれた師匠でもあり、魔法の腕を競い会うライバルでもある。

 

 そんなお姉様もここ最近は構ってくれない。

 と言うのも、お父様とお母様が突然の病に倒れ、()()してしまったからだ。

 当然悲しかった。その知らせを聞き、三日三晩泣き続けた。

 だが、お姉様は私以上に悲しんでいた。お父様とお母様が亡くなったと、私に伝えたときも目からハイライトが失せ、顔は青白かった。部屋では常にボーっとしていたし、話しかければ反応こそするものの、的を射ない返事が返ってきて、会話が成り立たなかった。

 それは悲しんでいた、という域を超え、悲しみのあまり、針が振りきれてしまった、ように見えた。

 

「お姉様、大丈夫ですか?」

 

「え、えぇ、そんな心配しなくとも大丈夫ですよ」

 

 そう答えるお姉様は少し窶れていて、とても大丈夫そうには見えなかった。

 お姉様がここまで窶れているのは、お父様とお母様がフランの手で()()()()()()()()、ということもあるが、吸血鬼の中でもかなりの実力者である、ロシュー家が、我が家の当主が死んだと知り、お姉様にちょっかいを出してきたからである。 我が家に嫁げば、スカーレット家を保護してやろう、と。

 

「はぁ、お父様とお母様が死ななければ―――」

 

「ねぇ、お姉様、お父様たちはなんで死んじゃったの?」

 

「え、びょ、病死ですけど……」

 

 お姉様ははぐらかそうとしているが、私は知っている。 お父様とお母様はフランの手によって()()()()()()()()ことを。

 

 私はこれでも魔法をかじっている。あの日、お父様たちがお茶会をしていた部屋から、フランのもの凄い魔力を感じとることくらい容易い。

 あのバカみたいに大きな魔力が誰のものかは、すぐにわかった。ついこの間産まれたばっかりの、可愛い妹のものだった。 そして、その妹の魔力が二度、爆ぜたと思ったら、お父様たちの魔力が消えた。

 

 最初は何が起こったかわからなかった。

 

 だが、理解してしまったら最後、私の感情は一気に崩れた。

 大好きなお母様が、私の誇りのお父様が―――

 

 ―――しんだ。

 

 どうしようもない現実に打ちひしがれた。

 

 だが、同時に、お姉様は生きている、ということに気づいた。

 私の大好きなお姉様が生きていた。

 安堵した。

 

 そして、フランがお父様たちを殺してしまった、ということにも気づいた。

 お父様たちが死んでしまったことは悲しいが、フランのことは決して責めることはできない。何せ彼女は産まれて一ヶ月もたっていない。それに生まれながらにして、人並みならぬ狂気をその身に宿していた。

 だからこそ、彼女を責めてはいけない。

 

 私は決意した。

 フランを、私の大切な妹フランドール・スカーレットを守ると。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――あははハハハはハハは」

 

 お父様たちがしんじゃった。

 フランがお父様たちを殺した。

 私は壊れてしまった。

 立ち直れる気がしない。

 どうしよう。

 不安だ。

 怖い。

 怖い。 だというのに、この体は笑っている。

 

「あはははははは、くふ、ふふ、あは」

 

 こんな風になってしまった私が、怖い。

 

 どうしてだろう。肉体は確かに壊れている。さっきから笑い続けている。

 だが、精神は、心は意外と冷静でいられている。

 よし、冷静になれた。頭も心もクールだ。あとは、冷静に行動するだけだ。

 

「あはは、――――よっと」

 

 体は思ったよりすんなり動いた。

 今までバラバラで、お互いに干渉できなかった肉体と精神がくっつき、笑いはピタリと止んだ。

 体を動かせるようになった俺はまだ泣いているフランの方へ行った。

 

 着ている服や顔に血がこびりついてしまっているフランを抱き上げ、泣き止ませる。

 

 よく考えたらこいつがお父様たちを殺したんじゃあないか。

 

「…………」

 

 

 今ここでフランをお父様たちの仇、と、一思いに殺してしまうこともできる。

 だが、フランは俺の家族、決して殺したりなどできない。 それに東方projectではフランドールは割りと重要なキャラクターであるという記憶も頭をよぎり、そのときの感情に任せ、家族を殺めるということはなかった。

 

 ふと、周りを見渡してみる。

 酷い。

 とてもさっきまでお茶会をしていたとは思えないくらいの有り様だ。

 どうしようか。

 バラバラになった死体。カーペットには血やら内臓やらなんやらがこびりついている。

 これはもう片付けるより焼いてしまったほうが楽だろう。

 そう思い、フランを抱えたまま部屋を出て、隣の部屋や、廊下がが燃えてしまうことのないように、魔法で焼いた。

 お父様たちを弔うための、スカーレットの名に恥じぬ真っ赤な炎でだ。

 

 

 

 さて、それから一週間。俺は妙案を思い付いた。

 この一週間、レミリアに気づかれぬよう、お父様たちは病死だと偽り、俺に結婚を申し出てきたロシュー家は適当にあしらい、とある計画を練っていた。

 それは、ホウズキ・スカーレット、家出計画である。

 元々俺は東方Projectには存在しないキャラクター。レミリアやフランたちと行動をともにするのはおかしい。だから家出して、日本に渡り、原作通りに事が進むように裏で支えてやるのだ。

 まずは日本に行って幻想郷を作る手伝いからだ。あれ?幻想郷ってもう出来てるのかな?まぁ、いい。

 そして、あわよくば八雲紫などの主要キャラクターと仲良くなるのだ。

 

 

 お父様たちは死んでしまったが、俺は決意した。レミリアを支え、フランを守り、今度こそ家族を守ると。




 次回も一ヶ月以内に投稿したいな。
 次回、ホウズキ死す!(大嘘
 お楽しみに。
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